ごっとさんのブログ

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サプリメントには科学的根拠が乏しいか

2021-12-22 10:25:19 | 
最近家の近くにあるドラックストアの日用品(食品類)のコーナーが充実し、大体の買い物が済むようになってきました。

それでもサプリメントは広い部分を占めており、相当の需要があるのかもしれません。ある米国の研究では、4人のうち3人が1つ以上の処方薬と共に1つ以上のサプリメントを日常的に内服しているとの報告もあります。

このサプリメントには「補充、補足」といった意味がありますが、本当に補充する意味があるのでしょうか。私は基本的にサプリメント不要論者ですので、ほとんど飲んだことはないのですが、最近の報告などからその必要性を考えてみます。

サプリメントの代表格であるビタミンを例にとりますと、日本人の場合は通常の食事をとっていれば、ビタミン不足になることはないと考えられています。それでもビタミン類は体に良いといわれていますので、「マルチビタミン」のサプリメントについてみていきます。

アメリカのジョンズホプキンズ大学の研究グループは、年齢性別の近しい被験者をマルチビタミンを投与したグループと投与していないグループに分類しました。そしてこの2つのグループで、心血管疾患やガンなどの発症頻度や死亡率に違いが出るかを比較しました。

結論としていずれの疾病についても発症頻度は大きく変わらず、他の研究でも同様な結果となり一貫性があると考えられています。また例えばビタミンBが口内炎に、ビタミンCが美白やガンに効くなどと言う宣伝文句を見ますが、科学的な裏付けがあるとはいえないようです。

むしろガンに対するビタミンCの効果は否定的とする研究や、心臓の病気を予防する効果は見られなかったとする研究が複数あります。

逆にビタミンの危険性という研究もあり、例えば妊娠中にビタミンAの摂取量が増えると胎児期系のリスクが増えることや、過剰摂取には骨量減少の副作用も報告されています。

各ビタミンの代謝は個人差が大きいことも知られており、正確にどの量から過剰と言えるかの線引きができないという実情もあります。

高齢者では加齢とともに肝臓や腎臓での代謝機能が低下し、昔から飲んでいるサプリメントでも思わぬ落とし穴となって過剰投与になってしまうこともあり得るようです。特に処方薬を飲んでいる場合は、薬とサプリメントが影響を及ぼし合う「薬物相互作用」も問題になることがあります。

ビタミンサプリメントは一般的に「健康に良さそう」なイメージが先行していますが、科学的根拠には乏しく一般的な推奨量で問題が起こることは少ないものの、過剰摂取による副作用の危険性もあり、その両方を正しく理解したうえで用いる必要があるようです。


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