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「うがい」がカゼに効果的という根拠は

2021-12-21 08:45:52 | 健康・医療
コロナの感染症対策が始まってから1年半以上が経過しています。

マスクの着用とどこにいっても手の消毒が一般的になっており、私はこの程度の対策で十分効果があるのではないかと思っています。それに加えて「うがい」が効果的であるということは、一部の人かもしれませんが根強く残っているようです。

このうがいの語源は長良川などで有名な「鵜飼」からきているという説があります。鵜に魚を吐き出させる様子が似ているため、これが日常で使ううがいにに転じたそうです。

うがいは正しくは1セット3回行うのが基本とされています。1回目が口に水を含みブクブクさせて食べかすや雑菌を流し、2回目は新しい水を口に含み、上を向いてガラガラしてから吐き出し、3回目はこれを繰り返すとなっています。

コロナ対策としてのうがいは、以前大阪府知事がヨード系うがい薬が効果的であると発信し、店頭からヨード系のうがい薬が姿を消すというような現象もありました。一般には手の洗浄や消毒で十分であり、うがいの効果はあまりないということになっているような気がします。

このうがいに関する研究は、ほぼ日本発で海外ではあまり行われない習慣のようです。うがいの少し前(2005年)の研究では、ボランティア被験者を「うがいをしない群」、「ヨードうがい群」、「水うがい群」に割り当てて、うがいの風邪予防効果を検証しています。

うがいは1日3回で、1回につき15秒を3セット行っています。解析の結果1カ月当たりの風邪発症率は、うがいをしない群で26.4人、水うがい群で17.0人、ヨードうがい群で23.6人という結果でした。

これによると水うがい群の風邪発症率が少ないことが分かります。ヨード系のうがい薬は口腔内にいる正常な細菌もやっつけてしまうため、風邪ウイルスに対する防御機構を弱めてしまうのではないかと考えられます。

また風邪を発症した後48時間以内に、食塩水の鼻洗浄とうがいを組み合わせた治療と、対症療法のどちらかに無作為に割り付けた研究があります。この結果は鼻洗浄とうがいをしたほうが、発症期間が約2日短くなることが示されています。

水うがいより有効かもしれないと考えられているものに、お茶があり特に緑茶が有望視されているようです。65歳以上の高齢者を対象とした研究では、茶カテキン抽出物でうがいした方が、インフルエンザの発症が少なかったと報告されています。

この様にうがいの予防効果の研究はかなり出ていますが、しないよりはした方が良い程度と理解しています。

一般に科学的根拠を求めて調べると、それなりの結果が得られますが、効果が無いという結果は報告されませんので、どこまで信用するかはなかなか難しいといえそうです。


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