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「白髪」と免疫システムの関係

2018-06-04 10:43:03 | 自然
現在は強いストレス社会といわれていますが、ふと気づくと急に白髪が増えているということもあるようです。

今回アラバマ大学の研究グループが、マウスを使った実験で毛髪に色素を与える仕組みと、身体に備わっている自然免疫に予想外の関係があることが分かりました。

私の様に歳をとると友人も含め全員が白髪となっています。こういった高齢化による毛髪から色が抜ける現象は非常に個人差が大きく、早い時期から白髪が出る人もいれば、ほとんど白くならない人もいるようです。

私は白と黒が交じった状態で、白の多い灰色のような髪になっていますが、友人は非常にきれいな白髪にかなり若いころからなっていました。今回の実験はこういった高齢化による白髪化というよりは、若白髪というった場合に適用されるのかもしれません。

ヒトを含む様々な生物に現れる色彩は、メラニンと呼ばれる色素によって決まります。毛髪が生え変わるとき、毛包に存在するメラノサイト(色素幹細胞)で作られたメラニンが、毛髪内部に取り込まれることによって毛髪に色がつきます。従ってメラニンを生成するメラノサイトが減少したり、その機能が低下すると白髪になるといった仕組みがあります。

研究グループは、時間の経過と幹細胞の状態の維持に影響を及ぼす遺伝子に興味があり、白髪の研究はメラノサイト幹細胞の機能不全を推し量るのに最適と説明しています。

ヒトの体は、ウイルスや細菌の攻撃を受けると自然免疫が活性化し、病原菌やガン細胞をいち早く察知し排除する仕組みがあります。この過程でヒトの体にあるすべての細胞は、病原体に反応してインターフェロンと呼ばれるタンパク質を分泌させます。

これがウイルスなどの複製を阻害する遺伝子発現をオンにし、体の防御機構を強化させています。ところが毛髪の色素を作るメラノサイト多くの機能は、MITFと呼ばれる転写因子によって調節されていますが、このMITFにはインターフェロンによる防御機構を確認する役割もあることが明らかになりました。

つまりメラノサイト幹細胞が、免疫システムの防御シグナルに反応しなくなると、結果として白髪が発生するようです。

実験では白毛化しやすい形質を持つ黒色マウスに、人工的に自然免疫を活性化すると、良い多くの白毛が生えてきました。これは毛髪や皮膚の色素を制御する遺伝子が、自然免疫システムも制御する働きがあることを示唆していると、研究グループは述べています。

この成果が若白髪や尋常性白斑などの理解につながるよう研究を続ける予定としています。あまりにも簡単に結び付けているよう気がしますが、大病すると白髪が増えるといった現象の説明にはなるのかもしれません。


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