ごっとさんのブログ

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熱いものが食べられない「猫舌」

2020-07-16 10:28:58 | 自然
今の時期は鍋を囲むこともないし、熱い食べ物が美味しい時期でもないのですが、「猫舌」に関する面白い研究が発表されました。

この猫舌ですが、本当に猫は熱いものが苦手かどうかはよくわかりません。なぜ猫舌という言葉が生まれたのかも、面白いことかもしれません。猫舌は熱いものが食べられないというより、口に入れられないようで、私もかみさんもどちらかといえば猫舌に属しています。

東海大学工学部の研究者が、「Cine MRI」という短時間の連続撮像ができるMRIを使って、熱いものを食べるときの口の中の動きを検証しました。被験者は「猫舌群」5名と「非猫舌群」5名の計10名で行いました。

MRIで撮影するときは横たわる必要があるため、機械の中で熱いお茶を飲むわけにはいきません。そこで被験者は撮影の直前に各自3回以上、熱いお茶を飲みその時の舌の動きを記憶してから撮影に臨みました。

MRIのなかで、お茶を飲んだ時の舌の動きを再現してもらったわけです。その結果猫舌群と非猫舌群では「舌の動き」が全く異なり、しかもそれぞれが非常に特徴的な動きをしていることが分かりました。

猫舌でない人の場合、お茶が口に入ると舌が後方に移動して下の歯と舌の間にポケットを作り、そこにお茶をためています。そのあとで舌の周囲を伝って喉へと流し込んでいました。

一方猫舌の人は、まず最初に舌先をお茶に接することからスタートします。非猫舌群の人が終始舌先をお茶に接しないようにしているのとは正反対の動きです。舌の中で最も暑さに弱いのが舌先で、その敏感な舌先を最初に接触させれば、猫舌でなくても暑く感じるようです。

下歯のポケットは比較的熱さに強く、ここで温度を一定程度下げると同時に、口腔内の各組織に熱さをなじませることで、自然に飲み込めるようにする仕組みと考えられます。熱いものを何度も口にするようになる中で、後から身に着いたものなので、全員ができるわけではないようです。

よく言われることですが、親が猫舌でなければ親の食べ方を見るうちに、子供も自然に熱いものへの対処法を学んでいきます。親が猫舌だと子供は熱いものを食べる機会が少なく、結果的に猫舌から脱却できなということになります。

今回の実験結果により猫舌のメカニズムが解明されたことで、克服への道筋も見えてきました。熱いものを食べるときには意識的に舌を奥に引っ込め、舌の下のポケットに収めるよう訓練すればよいようです。

猫舌がこんなに簡単なこととは思いませんでしたが、舌先の温度感受性が違っている可能性もありそうな気もします。


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