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更年期に現われる「ホットフラッシュ」のはなし

2023-01-06 10:35:20 | 健康・医療
更年期障害というと女性の病気と考えていましたが、最近では男性にもそういった症状が出るようです。

その中で「ホットフラッシュ」という症状があり、ほてりや発汗、動悸、めまい、疲労感などを更年期の女性のうち約80%が経験するといわれています。

ホットフラッシュは身体が熱を冷やすときの反応に似ていますが、体温は実際に上がっているわけではなく通常のままとなっています。更年期障害に伴うホットフラッシュや血管運動神経症状と呼ばれる症状については、唐突に暑さを感じる根本原因が分からず科学者を悩ませてきました。

近年これが脳の「視床下部」にある神経細胞(ニューロン)が原因であることが分かってきました。現在米食品医薬品局(FDA)では、この神経細胞の働きを遮断する薬が審査されており、これが承認されれば2023年初頭にも非ホルモン療法という選択肢が生まれることになります。

現時点での主な治療法は、エストロゲンを薬で補うホルモン補充療法ですが、全ての女性がこの治療を安全に受けられるとは限りません。

米国の女性を対象とする研究によれば、女性は平均4年間中程度から重度のホットフラッシュに悩まされ、症状が10年続く女性の割合も3人に1人に上るようです。これは黒人やネイティブアメリカンで大きく、また人種によらず肥満傾向にあるほど症状が強くなるとしています。

ホットフラッシュの症状は30秒から5分ほど続く場合がほとんどで、1日数回発生します。ホットフラッシュが頻繁に起きたり長く続くのは病気の兆候の可能性があり、心臓発作、脳卒中、心不全などの循環器疾患のリスクが高まるとする研究もあります。

この数年間でいくつかの企業がこの原因と考えられるKNDyニューロンの受容体を遮断してホットフラッシュを減らす薬の試験を始めています。このうちニューロキニン受容体の阻害剤「フェゾリネタント」の第3相臨床試験から分かった予備的知見について発表されました。

この治験には1日平均7回以上のホットフラッシュに悩まされていた女性1022人が参加しています。この薬を毎日服用した場合、プラセボ群と比較して1日あたりのホットフラッシュの回数が2〜4回少なくなりました。

効果は薬を飲み始めるとすぐ現れ、研究期間の間ずっと継続しました。このニューロンの活動を抑えるもうひとつの薬の開発も進行中で、第3相の臨床試験が行われています。

更年期障害は重篤な病気とは言えませんが、多くの女性が経験するものであり、ホルモン療法が受けられないまたは不安を感じている女性にとっては大きなメリットになるでしょう。


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