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変態とは、不思議な昆虫たち

2020-09-26 10:31:29 | 自然
子供と大人で全く姿が違う生物の代表例といえば、チョウがあげられます。

イモムシが翅のある美しい姿に変身します。「完全変態」と呼ばれるこの劇的な形態の変化を経験するのはチョウだけではありません。

ミツバチ、甲虫、ハエ、蛾など既知の昆虫のうち75%が完全変態を行い、卵、幼虫、さなぎ、成虫の4つの段階を通じて成長します。私の家では夏の風物詩として、セミのさなぎから成虫に脱皮するのを見ながら酒を飲むということがありました。

私の庭には毎年多くのセミが卵を産むようで、セミの時期になると木の枝や壁などに多くのセミの抜け殻がついていました。その時期に庭を探索すると、脱皮前のさなぎを2匹ぐらい見つけることができました。

これを和室の障子に止まらせ、時々様子を見て、背中が割れ始めると(夜8時から9時ぐらいが多いです)、酒とつまみをもってその前に座り、脱皮を見ながら酒を飲むというものです。

これは自然の神秘といえるもので、硬いさなぎからほとんど白い成虫が少しずつ出てきます。大体1時間ぐらいで脱皮が終わりますが、出てきた白いセミ(アブラゼミです)は羽根も縮んでいますが、こんなものがよくさなぎに入っていたと思われるぐらい大きくなっています。

その後2,3時間で羽根も伸び、色もアブラゼミの茶色に代わります。これが楽しい夏の夜だったのですが、2年ほど前庭にもぐらが出没しました。特に被害はなかったのですが、このセミの幼虫がほとんど食べられてしまったようで、さなぎを見ることが無くなってしまいました。

これも自然の営みのひとつですので、あきらめていますがかなり残念なことでした。さてすべての昆虫が卵として生まれ、孵化して幼虫になります。

幼虫にはイモムシ状のものもいれば、テントウムシの幼虫のように小さな昆虫に見えるものもいます。幼虫の主な役割は、成長と脱皮で、脱皮から次の脱皮までの間の段階は「齢」とよばれ、多いものだと5回も脱皮する昆虫もいます。

終齢の幼虫が脱皮すると、完全変態を行う昆虫はさなぎになります。蛾のように糸を出して硬い繭を作り、その中に閉じこもるさなぎもいます。そして最後の段階が、さなぎから脱皮・羽化して成虫となります。

一般に成虫は長生きせず、多くの昆虫は成虫期には何も食べないようです。貴重な時間を交尾相手を探すことに注ぎ込んでいます。このような変態は究極の成功戦略といえます。

幼虫と成虫は異なるものを食べ、たとえばチョウは幼虫の時にすべての発育変化を成し遂げるため、栄養豊富な葉を大量に食べ、成虫は花の蜜を少し飲むだけで済んでしまいます。このように変態によって「競合の無い場」を作り出したといえます。

昆虫というと成虫だけを思い浮かべますが、変態の各段階で最も適した形態を身につけた、非常に興味ある生物といえるような気がします。


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