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原始地球の最大の謎、生命の素はどうやって生じたのか

2025-05-05 10:31:58 | 自然
ここで何度も書いていますように、生命誕生の謎は私が最も興味を持っていることの一つです。

原始地球においてアミノ酸や核酸が偶然生成されることはありうることです。しかしアミノ酸同士が結合してタンパク質まで大きくなるためには、それなりの場が必要となります。

自然に化合物が結合するためには、分子同士の衝突、つまりある程度高濃度に化合物が存在しなくてはなりません。こういった場所があったという説も当然ありますが、できたタンパク質と核酸との関連がどうできたのかなど謎は深まるばかりです。

私は想像できないような偶然性が重なり、最初の生命ができたのではないかと考えています。ここでは生命と金属の奥深い関係について紹介します。まず化学進化説ですが、これは1936年旧ソ連の生化学者が提唱したものです。

無機物から有機物が蓄積され、有機物の反応によって生命が誕生したというものです。この反応を実験的に検証したのが1953年で、メタン、水素、アンモニア、水、窒素ガスおよび少量の二酸化炭素と一酸化炭素をガラスチューブに封入し、6万ボルトの火花放電をかけました。

その1週間後に、アルデヒド、青酸、ギ酸、酢酸に加え、アミノ酸のグリシンとアラニンが生成されていました。やがて原始大気は地中から噴出する水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素や窒素ガスから構成されていたと考えられるようになり、異なった視点からの研究が展開されました。

たとえばスペインの生化学者は、1960年シアン化水素溶液を加熱することで、ATPを構成する核酸塩基のアデニンが生成することを見出しました。化学進化が海洋中で始まったとすれば、海水に溶けている微量の金属イオンの関与を考慮することが重要です。

この実験は日本の生化学者が行い、1974年に海水中に高濃度の鉄、モリブデン、亜鉛、マンガン、銅、コバルトなどの金属元素をホルムアルデヒドとヒドロキシルアミン水溶液に加え、無酸素下で105℃に加熱することで、高収率で多種類のアミノ酸や、アミノ酸の重合体を得ることに成功しました。

そこでこれらの金属イオンを含む溶液に、グリシン、酸性及び塩基性アミノ酸、芳香族アミノ酸などを加えてやはり105℃に加熱したところ、美しい原始細胞様の構造体を得て、これを「アルグラヌール」と名付けました。

原始生命の誕生の第一歩には、多種類の金属イオンが関与しているという新しい考え方を示唆する素晴らしい成果を示しました。

これはまだ生命どころか細胞すらできていませんが、こうした発見が積み重なって生命のなぞに近づくのかもしれません。


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