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睡眠不足が続くと肥満になるのか

2023-02-14 10:50:58 | 健康・医療
このブログでもたびたびに書いていますが、健康は食事と睡眠からというのが私の持論です。

最近睡眠不足が続くと肥満になり、睡眠が多くても太ってしまうという記事を見ました。これまでの研究で睡眠時間と肥満の度合いとの間には、「U字型」の関係があることが明らかになっています。

つまり睡眠時間が長くても短くても、肥満の指標であるボディマス指数(BMI)が高くなるようです。睡眠時間と肥満リスクについては解明が進んでいますが、そのメカニズムは複雑です。

現在分かっているものだけでも、食欲に関わるホルモンの変動、交感神経やストレスの影響、糖代謝の変化、身体の炎症反応の影響、エネルギー消費量の減少など多様な要因が関わっています。

この中でもっとも有名なものが摂食ホルモンで、ヒトの食欲や食行動に影響するホルモンですが、食欲を増進させるグレリンと食欲を抑えるレプチンがその代表です。睡眠時間が短くなるにしたがって血液中のグレリン濃度が上昇し、レプチン濃度が低下し、実際に食欲も増してきます。

米国の研究者が行った実験では、肥満の無い健康な人を対象に2週間にわたって9時間就寝させる時と、同じ人に2週間にわたって4時間しか就寝させない時で体重や内臓脂肪の変化を調べました。

その結果睡眠時間が短い時には1日あたりの摂取カロリーが増え、体重増加は僅かでしたが内臓脂肪が大きく増加することが分かりました。これは体重を測るだけでは、身体の奥底で進んでいる睡眠不足の悪影響は分からないという事になります。

また別の研究ではしっかり睡眠不足を解消すると、食事の画像を見た際に脳の偏桃体の活動が低下することも明らかになりました。偏桃体は情動や報酬予測、欲求などをに関与している脳の部位です。

しっかり眠ることで食べ物に対する反応がクールダウンすることで、食欲の高まりが抑えられるためのようです。こういった研究結果から現代人の多くは、自分では気づかない睡眠不足を抱えており、これを「潜在的睡眠不足」と呼んでいます。

これが怖いのは問題点に気づいておらず、自覚症状もないため何年も同じ生活スタイルを続けてしまう点です。健康診断で肥満や糖尿病、高血圧を指摘される前に、睡眠習慣を見直す必要があるのかもしれません。

睡眠時間が長い人も肥満リスクが高い(U字型)のですが、その原因についてはよく分かっていないようです。

長時間睡眠の悪影響に関する研究は進んでいませんが、少なくとも短時間睡眠が悪いことは証明されていますので、適度な睡眠をとるような生活スタイルを取ることが重要なことは確かなようです。


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