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身体に「24時間リズム」を伝えるネットワークのはなし

2023-02-15 08:54:56 | 自然
ヒトの身体はほぼ「24時間リズム」によって活動しており、朝は目覚めて夜は眠くなります。

この全身の時間をひとつに調整しているのが、脳の「視交叉上核」という部分です。この脳から全身へ時間情報を伝えているのかのネットワークについて紹介します。

視交叉上核は脳の中にあり、脳から全身に情報を伝える方法として思い浮かぶのが神経です。この神経は脳と脊髄からなる中枢神経と、全身の隅々まで分布する末梢神経に分けられます。

末梢神経は体の知覚や運動を制御する体性神経系と内臓や血管などの自動的制御に関わる自律神経に分けられます。神経の中でも視交叉上核から時間情報を伝達しているのは自律神経系で、多くの臓器に行く交感神経と副交感神経の両方に出力されます。

自律神経系とは、呼吸や体温調節、食べ物の消化など意識しなくても生命活動を維持するのに必要な生理現象をコントロールしています。

自律神経系は交感神経系と副交感神経系に分けられますが、交感神経系は全身を緊張状態に持っていき、副交感神経系はリラックスする状態に持っていきます。

たとえば交感神経系は呼吸がしやすくなるように気道を広げたり、心臓の鼓動を早めたり、汗をかくようにして運動に適した状態に身体を変化させます。また胃腸で食べ物を消化するのを抑えたり、排尿を抑えたりするなど運動や緊張時に必要としない機能を鈍らせようとします。

逆に副交感神経系は心拍数を下げたり、血管を広げて血圧を下げたりする機能があり、消化管を刺激して食べ物を消化してエネルギーを吸収するようにシグナルを送ります。

この様にバランスを取りながら体調をコントロールするわけですが、交感神経は日中に活発になり、副交感神経系は夜に活発になることになります。つまりこれが24時間リズムという事になります。自律神経系と生活リズムとの関係は、いくつかの実験から明らかになっています。

副交感神経のうち迷走神経というものが左右2本あるのですが、そのうち片方を切るという実験があります。切らない方では細胞内の時計のリズムは保たれるのに、切った方では細胞内の時計が止まってしまいました。

こうしたことから視交叉上核で作られた時間の情報は、交感神経系と副交感神経系からなる自律神経系というルートを介して全身に送られていると考えられます。こうしたリズムを乱すことが体調の良・不良に大きく影響しており、健やかなリズムの維持が健康の要といえるでしょう。

私の持論である健康は食事と睡眠であるということに、正しいリズムで生活するが加わるのかもしれません。


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