ごっとさんのブログ

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ベビーパウダーが発ガン性のために販売中止か

2022-08-27 10:39:12 | その他
私の家族はもう孫も大きくなっていますので、ベビーパウダーに関与することはなくなったのですが、これが発ガン性のために発売中止になるかもしれないという報道がありました。

この発端はアメリカの訴訟にあるようです。2020年6月にJ&J社のベビーパウダーが卵巣がんの原因になった可能性があるとして、賠償金の支払いが命じられたという事例がありました。この時期にJ&J社はタルクを原料としたベビーパウダーを米国とカナダで販売を中止しました。

これが今回世界でタルクを原料としたベビーパウダーの販売が2023年には中止になることにつながるということです。

このタルクとは滑石ともいう鉱物の一種で、爪よりも柔らかくチョークなどの原料にもなっています。そしてタルクに不純物としてアスベストが含まれる場合があるようです。このアスベストが中皮腫という例えば卵巣がんなどのリスクになるのではないかという裁判が起こったのです。

現在の日本におけるベビーパウダーは、タルクを使用した製品は少なく、コーンスターチというトウモロコシのデンプンを原料として使われる製品が多くなっているようです。

つまり日本では多くのベビーパウダーは、今回の「ベビーパウダー訴訟」とは関係のない物質が原材料ということになります。しかもこの訴訟がどの程度科学的なものなのかは怪しい気がしています。

最近行われた検討では市販のタルクを原料とした製品に、アスベストはほぼ含まれていないという結果が出ています。また最近米国における25万人以上の女性に関するデータからの研究報告もあり、ベビーパウダーを長期間・頻回使用しても、卵巣がんの発症リスクに関連しなかったという結果も出ています。

私はこのベビーパウダーが赤ちゃんを育てるうえで、どの程度必須なものかはもう忘れましたが、おむつかぶれの予防などによく使うものかもしれません。

こういった重要なアイテムが、たった一つの訴訟結果により、しかもあまり科学的ではないことで使用禁止に動くというのはありそうでなことではあるのですが、好ましいことではないでしょう。

どうもアメリカでは訴訟社会ですので、裁判結果が科学的研究結果よりも優先されるという傾向があるようです。これが日本にどの程度影響があるか分かりませんが、タルク原料のベビーパウダーは前述のように販売中止になるのかもしれません。

対象が赤ちゃんですので、ごく僅かのリスクも避け安全性を追求するのは当然ですが、ベビーパウダー全体に影響が出ないことを願っています。

それにしてもひとつの訴訟結果が、使い慣れた便利な製品の流れを左右してしまうのは、おかしな社会といえるのかもしれません。


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