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くも膜下出血に予防法はあるのか

2021-09-26 10:29:57 | 健康・医療
少し前にタクシーが歩道に突っ込み6人が死傷するという事件がありましたが、この運転手はくも膜下出血で亡くなっています。

このようにくも膜下出血は脳卒中のひとつですが、脳梗塞などに比べると比較的若い年齢でも起こり、急に亡くなったり後遺症が問題になったりすることもあり、社会的にもインパクトの大きい病気といえます。

くも膜下出血の9割近くは、脳の動脈にできた瘤(脳動脈瘤)から出血することによって起こります。現在治療法は発達しているのですが、およそ1/3は3か月以内に亡くなり、残りの半分は比較的重い症状が残ります(1/3は元の生活に戻れます)。

可能であればくも膜下出血になる前に予防したいのですが、原因となる脳動脈瘤のほとんどは、出血するまで症状がありません。そこで日本では予防する目的で「脳ドック」という検診が行われています。

脳ドックではいくつかの検査をセットにしていることが多いのですが、脳のMRIを撮影することで、症状がなくとも脳動脈瘤を見つけることができます。

症状がない脳動脈瘤は、無症状未破裂脳動脈瘤と呼ばれますが、実際に調べてみると100人あたり3〜6人程度の割合で見つかるとされています。これは異様に多い数字ですが、脳ドックを受診しようとする年齢層ではこの程度なのかもしれません。

この見つかる動脈瘤のほとんどは、「出血しない」動脈瘤と言えます。動脈瘤は大きさが大きいほど出血の危険性は高いのですが、脳ドック見つかるような動脈瘤のほとんどは5ミリ未満の小さなものです。

これは出血を起こすリスクは年間200人に1人程度ですが、10ミリ程度の大きさでは年間5〜8%程度の危険性があるとされています。また場所によっても危険性が異なり、前交通動脈、後交通動脈分岐部、中大脳動脈、脳底動脈の動脈瘤は注意が必要です。

硬膜という頭蓋骨の内側で脳を包んでいる膜の外側は、大きい動脈瘤でもくも膜下出血は原則起こさないようです。こういった脳ドックにより未破裂脳動脈瘤が見つかった場合は、脳神経外科医に相談することになりますが、ここに問題があるような気がします。

医師を信頼しないわけではないのですが、ここに過剰医療となる可能性が常に存在する気がします。脳動脈瘤が見つかった場合、私のような素人には判断できませんので医師に任せることになりますが、本当に手術が必要かは難しい判断になるでしょう。

どうも見つかったからには手術で処置しようという方向が多くなりそうな気がします。くも膜下出血を予防するのと開頭手術による危険性のどちらを取るかは、本人が判断できないもののような気がします。



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