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パーキンソン病の原因となりやすい人の特徴

2025-06-30 10:34:26 | 健康・医療
もう50年も前ですが、パーキンソン病というと忘れられない思い出があります。当時私は会社の研究所でDOPAというクスリの研究をしていました。

このことを友人のお父さんの医師に話したところ、ぜひ持ってきてほしいと頼まれました。深く考えず精製DOPAを何グラムか持ってきたところ、この先生の重篤な患者に投与したようです。すると患者のかなり重い症状がよくなったと喜んでいました。

この時期はパーキンソン病の薬はなく、DOPAが効くかもしれないといわれていた時期ですので、この行為はかなりの法律違反になります。別に問題にもなりませんでしたが、この数年後にやっとDOPAが承認されました。

パーキンソン病は、1817年に初めて報告された病気で、脳の神経細胞の一部の働きが悪化し体をうまくコントロールできなくなる難病のひとつです。

有病率は1000人に1~2人程度ですが、加齢とともに増加し65歳以上では100人に1人といわれており、日本でも患者数が増加しています。

脳幹部という脳の深部にあり重要な機能を有する部分があるが、その内部の中脳の黒質にあるドーパミン神経細胞が減ってしまうことで発症することが知られています。ドーパミン細胞が減ると体が動きにくくなり、震えなどの症状が起こりやすくなります。

ドーパミン神経細胞が減る理由は解明されていませんが、現在はドーパミン神経細胞の中にα‐シヌクレインというタンパク質が集まってたまることで、ドーパミン神経細胞が減ってしまうと考えられています。

一般的には、パーキンソン病は孤発性(家族内で遺伝しない)疾患であるといわれています。しかしパーキンソン病の5~10%には家族内での発症があり、遺伝子による影響も知られています。

一卵性双生児の場合は発症確率が高く、特に50歳未満で発症する若年性パーキンソン病では、遺伝的な影響が大きいと考えられています。パーキンソン病の患者の多くに発症前から便秘症状がみられることから、消化管の慢性的な炎症がパーキンソン病に関連している可能性があります。

具体的には腸管の神経組織内のα‐シヌクレインの増加と、便秘の発症に関連があるといわれており、消化管の状態がパーキンソン病の発症に関与する原因の一つであると考えられています。

パーキンソン病は脳内にあるドーパミン神経細胞が減ると発症する病気ですが、健康な人でも20歳をピークにドーパミンは減っていく傾向がみられるため、加齢とともにパーキンソン病と同じような症状が出やすくなります。

このようなパーキンソン病ですが、現在はいい薬も開発されていますので、それほど恐れる病気ではないのかもしれません。


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