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身体を作る「細胞」が持っているすごすぎる性質

2023-03-17 10:32:57 | 自然
人間は言うまでもなく多細胞生物で、約270種類、37兆個ともいわれる細胞からできています。

それぞれの特殊化した細胞が、高度な生命現象を分担しています。特殊化した細胞も体内のすべての情報を持っており、これを利用することで複製すなわちクローンや、万能細胞への道筋が示されてきています。

こうした多くの可能性を秘めた「細胞」について考察した記事を紹介します。脳や血管、筋肉各種の臓器などは色々な細胞からできており、血液やリンパ液には白血球やリンパ球などの細胞が含まれています。

眼の水晶体や角膜も透明な細胞からできており、体毛や爪はそれらの根元の細胞が絶えず作り続けています。骨や歯の中にも生きた細胞が埋め込まれており、その生育のために内部には細胞でできた毛細血管が張り巡らされています。

こういった細胞は絶えず更新されており、その中でバランスがとられていますが(新陳代謝)、この点が生命現象の著しい特徴といえるでしょう。

こういった身体の細胞が何種類からできているかは難しい問題といえるようです。以前は顕微鏡で見て同じに見える細胞は同じ種類としていましたが、徐々に遺伝子に基づく定義に移行しています。

どの遺伝子が細胞内で特徴的に使われているかという事で、その細胞の種類を定義しようというもの代わっているのです。その結果最初に述べた270種類の細胞という事になっています。

特殊化した細胞といってもまぎれもない細胞であり、生命維持のための営みは大腸菌などの単細胞生物と変わってはいません。よく知られているように身体は元々は1個の受精卵からできたものです。

分裂を重ねるにつれて、将来頭になる部分や足になる部分など身体を構成する軸方向が決まっていくにつれ、軸に対してそれぞれの位置にある細胞の性質が独自性を持つようになります。

最初はどんな細胞にでもなる能力のあった細胞が、その運命を決定していく過程であり「細胞分化」と呼ばれています。ただし分化した細胞を基本のみ分化した細胞に戻すことができ、これを脱分化と呼んでいます。

極端な例を挙げれば例えば皮膚の細胞をうまく脱分化させ、特殊な手法で分化誘導すると心臓の細胞にも変化させることができるというわけです。

これを応用し分化した体細胞の核を未受精卵の核と入れ替える核移植という方法によって、クローン動物を作成作成することに成功しています。また分化した体細胞に4種類の遺伝子を導入することで、細胞を初期化し分化万能性を持たせた細胞がiPS細胞となるわけです。

すべての細胞が受精卵と同じ情報を保持しているのは無駄なように感じますが、これこそが多細胞生物が単細胞生物から進化した歴史的事情を反映しているのかもしれません。


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