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「恐竜絶滅」の原因はやはり隕石の衝突か

2023-03-18 10:32:42 | その他
実は私は考古学という分野にほとんど興味がありません。

1億年前どんな恐竜がいたのかなどあまり気にしたことも無く、何故絶滅したのかもよく知らず巨大隕石の衝突説を聞いているにすぎません。

ただこの隕石衝突の証拠が、特別な「元素」という点には注目しました。約6600万年前の白亜紀に、直径約10キロの巨大な隕石がメキシコのユカタン半島の先端付近に落ちたとされています。

落下地点の気温は瞬時に1万度に達し、落下地点の地殻表層ははぎ取られ微小な粒子となって大気にばらまかれました。この微粒子は長期間にわたって大気中に滞留し、日光を遮ることになります。その結果気温は低下し、植物が枯れたり育ちにくくなります。

植物が減れば食べていた動物たちも生きていけず、それを襲う肉食動物も数を維持できなくなり、この滅びの連鎖により大量絶滅事件となったとされています。

この「衝突の冬」は、1980年カリフォルニア大学の研究者が発表した論文がきっかけとなり、大きな注目を集めることになった仮説です。それまで白亜紀末の大量絶滅事件の原因については諸説あり、どれも決定的な証拠にかけていました。

この論文では地層中に残る「イリジウム」に注目しています。イリジウムは地球深部にしか存在しないとされる特別な元素で、それが白亜紀末の地層に集まっていました。

当初このイリジウムだけでは「衝突の冬」の証拠としては不足とみられたものの、その後の研究でこの仮説を支える証拠が次々と報告されてきました。2010年ドイツのアレクサンダー大学から「大量絶滅の原因は隕石衝突である」と結論付ける論文が発表されました。

この論文で隕石衝突によるものとされる多くの証拠がまとめられました。その後白亜紀末の大量絶滅事件をめぐる議論の中心は、原因ではなく細部の解析に移行し「いかにして滅んだのか」という研究が注目されるようになりました。

たとえば2016年の東北大学からは、衝突現場の岩石に「すす」を作る有機物が多かったことを明らかにしました。そしてコンピューターシミュレーションによって、このすすが中緯度の日光を遮り中高緯度に寒冷化を招いたことを指摘しています。

また2020年のイギリスの研究者の解析によれば、衝突時の隕石の角度は地表面に対して30〜60度だったとしています。この角度より浅くても深くても、衝突の被害は少なかったようです。つまり当たり所が悪く角度が悪かったという事になりそうです。

もう少し早く地球にやってくれば、あるいはわずかに軌道がずれていれば、爬虫類の楽園はもうしばらく続いたかもしれないというのが結論となっています。


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