ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

命縮める心不全が増加

2020-11-21 10:23:19 | 健康・医療
高齢化に伴い心不全になる人が増えているようです。

心機能が悪化し、そのままにしておくと入退院を繰り返しながら命を縮めてしまいます。日本人の死因の第2位となる心疾患のうち、約4割を占めるのが心不全です。

入院患者は毎年1万人ずつ増加し、2030年には130万人に達すると推計されています。爆発的な流行になぞって「心不全パンデミック」と呼ばれ、対策が急がれています。一方心不全がどのような病気かを理解している人は少ないようです。

「高齢者の死因に良く書かれる病名」と認識しつつも、予防するという意識にはなかなか至りません。心不全は心臓から血液を送り出すポンプ機能が低下し、全身に血液が行きわたらくなる病気です。

このため疲労感や手足の冷えなどが出て、血液が心臓に戻る機能も弱まって血液が滞り、むくみや息切れが生じます。特徴はいったん症状が悪化してしまうと、治療にかかった後も苦しくて動けないなど身体活動が制限されるようになることです。

予後が悪い病気としてガンを連想する人が多いのですが、実は心不全の方が悪いようです。ガンの平均的な5年生存率が約7割に対し、心不全の4年生存率は約6割しかありません。

それでも心不全は多くの場合、本人の努力次第で予防でき、適切な治療で重症化を防げることがガンと大きく異なります。心不全は心臓に負担がかかることで発症します。一番の要因は動脈硬化で、放置すれば心臓の機能を低下させ負担をかける要因になります。

心不全予備軍といえる高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病を予防することが大切になるようです。既にこうした病気を抱えている場合は、塩分を控える、過食しない、禁煙する、定期的に運動するなど生活習慣を見直すことが必要です。

必要に応じて薬物治療を受けることも大切なようです。心筋梗塞や心房細動などの不整脈、弁膜症や心筋症など心臓自体の病気も心不全の原因になります。こうした心臓病が放置されたまま、心臓の機能が落ちた状態が続くと発症のリスクが高まります。

過労や暴飲暴食、睡眠不足が一押しとなり心不全を引き起こすので注意が必要のようです。心臓の疾患を指摘されたら循環器の専門医療機関で適切な治療受けることが必要となります。

心不全の初期症状として、息切れやむくみ、疲労感、手足の冷えなどが起きますが、ありふれた症状でつい見落としがちです。心臓の予備能力は大きく、機能がかなり低下しても、心臓が大きくなることで代替するため発見が遅れることもあります。

早く治療すれば、機能が低下して大きくなった心臓を小さくできるようです。心不全を悪化させないためにも、早期発見が大切です。

こうして見ると、心不全というのは老化の一種のような気もします。生活習慣を改善するといっても、楽しみなどが損なわれてしまう様では難しいのかもしれません。