ごっとさんのブログ

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高齢者の目から突然の出血

2020-11-01 10:26:29 | 健康・医療
朝は何もなかったのに、白目の内側が急に真っ赤に出血で染まるということがあるようです。涙に血は混じらず、痛みも視力低下もない結膜下出血という病気があります。

かなり昔ですが、私の職場の後輩(もちろん高齢者ではありません)の片目が真っ赤になっていることがありました。

白目全体が赤くなりますので驚いて聞いたところ、結膜下出血という病名が出たかどうかは分かりませんが、本人はたまにこの症状が出て1週間ぐらいで治るとあまり気にしていませんでした。どうもたまにこの症状が出るようで、眼科に行っても特別な治療法はないとのことでした。

結膜下出血とは、この例のように眼の白目に表れるくっきりした出血を表す眼科用語です。結膜下出血は急に眼が真っ赤になるイメージがありますが、隣接する角膜や皮膚に広がらず、テノン膜(眼球の結膜と強膜の間にある薄膜)と結膜の間の深さの空間に血が溜まります。

特に打撲などの自覚もなく、発症時にチクッと痛かったということもありますが、出血自体は一般的に無痛であり、視力低下や視界の歪みはきたしません。

結膜下出血は、一般的にはほぼ問題の無いものですが、まれに深刻な病気の症状である可能性もあり、一度は眼科医を受診した方が良さそうです。出血の原因として考えられるのは、激しいくしゃみや咳、例えば百日咳などです。

ものを持ち上げたり押したりする運動、分娩、嘔吐などといった胸腔内圧を挙げる力みなどの運動による静脈圧の上昇も原因となります。

重度の高血圧(動脈性高血圧)および血管疾患(動脈硬化など)、さらには血液凝固性の亢進をきたす状態または出血傾向の増加も原因となり得ます。ことに脳梗塞予防のためにワルファリンを飲んでいる患者の中に薬剤による凝固阻害で非常に強い結膜下出血がみられることもあります。

眼または頭部の外傷、屈折異常を矯正するための眼科手術(レーシックなど)、ウイルスによる急性感染性結膜炎、レプトスピラ症などの出血症状を伴う感染症なども出血の原因となり得ます。

治療方針を決めるためには同じ赤い目であっても、最初に結膜下出血と結膜炎や上強膜炎などに伴う充血と明確に区別する必要があります。重大な原因疾患が指摘できず、付随するケガや異物がない結膜下出血の場合には治療は特に必要がないようです。

入浴時に温湿布で暖めると10から14日後には出血は減少し、再吸収されるでしょう。といってもやはり眼が真っ赤に出血するというのは怖い感じもしますので、なんで出血したかは眼科医に行って診断してもらう方が良いような気がします。

現在は目からの情報が圧倒的に多いため、眼は大切にしないといけないと思っています。