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ごっとさんのブログ

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ガン治療革命 ガン治療の転換期か

2017-12-28 10:41:31 | 健康・医療
ガンの治療が転換期を迎えようとしているようです。国が推進する「ガンゲノム医療」とはなんなのか解説記事を見ました。

新聞やテレビなどで「ガンゲノム医療」という言葉を目にする頻度が高くなっています。一人ひとりの遺伝情報から異常な遺伝子を特定し、その異常に適した手段でアプローチするという極めて個別性の高い治療法です。

アメリカのオバマ前大統領が演説で述べた「プレシジョン・メディシン」という概念がこれに当たります。日本語で精密医療とか個別化医療などと訳されていますが、国内でもこのほど度策定された「第3期ガン対策推進基本計画」で、ガンゲノム医療の推進が目標に掲げられ注目されています。

従来のように「Yという病気」にたいしておこなう治療ではなく、「AさんのYという病気」を対象とする、まさに「個別化医療」といえるものです。

私はこのブログでも何回か書いていますように、ガンという病気は遺伝子の異常による細胞の病気と定義しています。ですから現在は胃ガンとか肺ガンというように、臓器別でガンを分類していますが、遺伝子のどこが変異して発症したかは個々のガンによって変わるはずです。

ですから同じ肺ガンといってもAさんの肺ガンとBさんの肺ガンでは遺伝子の異常部位は当然異なっている、つまり同じ病気ではないというのが持論です。例えば手術によって腫瘍部位を完全に切除してしまえばどんな変異であろうと治るわけですが、抗ガン剤治療などは効きやすいガンとほとんど無効のガンが存在してしまうわけです。

抗ガン剤の有効率が30%つまり10人に対して3人しか効かないというのも、異なるガンであるということで説明できるような気がします。

ですから私は昔からガンゲノム医療をするべきだと考えていましたが、遺伝子解析技術が非常に進まないと難しいだろう思っていました。やっとそういったことが可能な時期になってきたのかもしれません。

現在だと臓器別のガンの治療薬を使いますので、同じ薬を使っても患者によって薬効に差が生じます。患者からすると「当たり外れ」があり、治療して見ないと分からないという面が当然ありました。

そこで患者のガン細胞の遺伝子情報を解析し、変異の起きている遺伝子を突き止め、その遺伝子変異に対して効果のある薬を使うことで、より確実性の高い治療を行おうというのが、ガンゲノム医療の基本的な考え方となります。

ここでどの遺伝子異常になにが適当な薬剤というデータはあまり見たことがありませんが、医薬メーカーにはそういったデータもあるはずですので、より効果の高い薬を使用できる可能性は高いと考えられます。

先に述べたようにガン細胞の遺伝子異常を突き止めるのにどの程度の時間と費用が掛かるのかわかりませんが、ぜひ進めてほしい分野です。