田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

高山寺鳥獣戯画展を観る

2016年12月03日 | 美術館・博物館

 先月まで九州国立博物館で「京都 高山寺と明恵上人 鳥獣戯画」展が開催されていました。鳥獣戯画は教科書で見たことがあります。実物を拝観できるということで勇んで出掛けました。

 いつもの博物館です。今では大宰府の自然の中に溶け込んでいます。

 博物館に入ると幾重にも列が出来ていて驚きました。九博のホームページに係員が観覧者に移動を促すことがあると書いてありましたが、こんなに多いとは思いませんでした。

 列の後尾には1時間待ちの表示があります。帰ろうかとも思いましたが、改めて出直しても同じと思い、持ってきた文庫本を読みながら列に並ぶことにしました。

 ようやくエスカレーターで3階の会場入り口に来ましたが、ここでも列に並びます。中に入って分かりましたが、入場してすぐの所に鳥獣戯画が展示されているので、観覧者が前に進まないのです。小人数ずつ区切って入場させていました。 

 鳥獣人物戯画は甲から丁まで4巻あります。有名なのは擬人化された動物が描かれた甲巻です。乙巻は色々な動物が登場し、丙巻では人間も描かれています。感想としてはやはり甲巻が描線もしっかりとしています。丁巻になるとデッサンのような感じです。

 まさか原本を見ることが出来るとは思っていませんでした。皆さんじっくりと見ているので、列は少しずつ押し出されるように進んでいきます。急ぐ方は仕切りのロープの後ろから見てくださいとの係員の案内でした。

 「鳥獣人物戯画」は甲乙巻12世紀、平安時代 丙丁巻13世紀、鎌倉時代 国宝。

 ポストカードから紹介します。甲巻の一部で、教科書に出て来た場面です。ウサギとカエルの相撲です。カエルがウサギの耳を噛んでいます。

 カエルがウサギを投げ飛ばしました。周りのカエルも喜んでいます。 実に生き生きとしていて、今見ても面白いです。

 ウサギが猿を追いかけています。

 鳥獣人物戯画は鳥羽僧正の作と云われますが、実際は作者不詳だそうです。

 会場を観覧していて迂闊だったと気がつきました。私は鳥獣戯画展とばかり思っていましたが、この特別展は「高山寺と明恵上人」展でした。本展には高山寺所蔵の宝物を中心に100点近く展示されていましたが、大部分が国宝や重要文化財でした。高山寺そのものが世界文化遺産です。

 高山寺がある栂ノ尾や高雄は京都の奥深く、紅葉の名所というイメージしかありませんでした。明恵上人についても予備知識は皆無でしたが、この展覧会は勉強になりました。

 明恵上人が愛玩したという子犬です。 13世紀 鎌倉時代、重要文化財。

 

 

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2 コメント

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Unknown (京都で定年後生活)
2016-12-03 15:05:12
こんにちは
京都国立博物館で『国宝鳥獣戯画と高山寺』が開催されたのは一昨年秋です。
有名な作品なので混むとは思っていましたが、想像以上の長い行列でした。
九博でもおなじように混んでいますね。
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今日は (九州より)
2016-12-03 17:03:53
やはり皆さん鳥獣人物戯画がお目当ての様です。
私も昔、教科書で見た戯画の実物を目にすることが出来て興奮しました。
当日は和服を召したご婦人の姿が目立ちました。
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