小台風が過ぎて孫たちと

　台風３号は九州北部を横断すると予想されていて、筑後地方は直撃を覚悟していました。結果的には長崎に上陸した後、東に進路を変えて少し南を通過しました。幸い勢力は弱く、九州では心配されていた豪雨災害もありませんでした。

　それにしても慌ただしい台風でした。４日ほど前の天気図で、台湾の東にぽつんと熱帯低気圧のマークが現れました。それが翌日には台風に変わり、２日後には九州上陸です。子ども台風で大きな被害はもたらしませんでしたが、梅雨時の日本上陸は珍しい。

　公共交通などは平常通りでしたが、学校は前日に休校が決まりました。お蔭で小５の孫息子と、この春に小学校に入った孫娘を一日、預かることになりました。

　宿題とお昼ご飯をすました後、ショッピングセンターに出掛けました。好きな本を買ってやり、フードコートで搾りたてのジュースを飲んでゆっくりします。こうして兄妹が並んで歩くのを眺めながら、この幸せがいつまで続くのだろうかと、つらつら考えました。夜になって晩酌をしながら孫が遊んでいるのを見ていると、満ち足りた気持ちになります。

　あるエッセイに、友人の話として「一流大学を出て大企業に入り、役員ポストが目前だった人がいた。今はコースから外れてしまって精彩を欠き、孫と遊ぶのが一番の楽しみだそうだ」というくだりがあります。

　正直な話、私は出世街道など目指したことはありません。真面目に働けば管理職にはなるだろうと思っていました。そして退職後は嘱託身分で数年働き、今では完全リタイアの身分です。してみると孫と遊ぶことに幸せを感じる私は、典型的な小市民だといえるのでしょう。

　このエッセイは前日に読んだばかりなので、我ながら可笑しくなりました。

 

　　　　　　　　　フリーフォトより