ネコヤナギは雌雄異株、雌雄異花。
雄株の花芽は帽子のように見える芽麟を脱ぎ、銀色の絹毛に包まれた穂状花序を出す。
花穂は真っ直ぐに伸びるものもあるが、陽の当たる南側が先に膨らんで
花糸が伸び赤い葯が見えるようになる。
花序に花弁はなく、赤く見えるのは葯の花粉袋、袋が落ちると黄色い花粉が出る。
葉芽は花芽に比べて小さく花後に展開するので独特の「花」が撮れる。
まだ少し早かったけれど、それでもネコヤナギの刻々と変化してゆく様は面白い被写体になる。
▲ 辛うじて前年の葉が残っていた。葉が落ちる晩秋の頃には、葉柄は肥大している。▼
▲ 葉柄に隠れていた?冬芽が見え始めている。
スズカケノキなどとは違ってこれは「葉柄内芽」とは呼ばない。▼
▲ 芽鱗は1個、枝に近い部分で合着している。下に見えるのは芽鱗痕ではなく葉痕。▼
▲ 葉芽 ▼
▲ 葉芽と花芽が並んでいる。
▲ アカメヤナギと呼ばれる事もあるフリソデヤナギほどには、冬芽の芽鱗は赤くは無い。
芽鱗が外れ始めている「花」。基部が赤く見えるのは、おしべの葯。▼
▲ 顔に見えるのは「葉痕」で、帽子状の芽鱗が外れた痕(芽鱗痕)では無い。
去年、ここに葉があった。▼
▲ 芽鱗は1個で側面で合着している。
時には帽子のようにスッポリと抜けたり、時には合着部分が裂けて冬芽がのぞく。▼
▲ 冬芽の下には葉痕、冬芽の芽鱗が落ちた痕(芽鱗痕)は小さくて見にくい。▼
ネコヤナギ(猫柳)ヤナギ科ヤナギ属 Salix gracilistyla
ネコヤナギの別名にカワヤナギ、エノコロヤナギがある。
(2018.02.16 森林植物園)
☆
▲ 去年三月の花。 上の画像はこの後、ひと月かけてこの画像に続く。
▲ 芽鱗が取れたばかりの頃、西宮・北山で。これもネコヤナギだろうかと思っている種類。
調べた結果は フリソデヤナギ(振り袖柳)Salix × leucopithecia
ヤマネコヤナギとネコヤナギの雑種で冬芽が紅色なので別名にアカメヤナギだった。
7年前に青垣で頂いて帰ったものと同じだ。
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去年のネコヤナギ 青垣のフリソデヤナギ 京都のネコヤナギ→フリソデヤナギ 一昨年のネコヤナギ
帽子がすっぽり脱げたようなものから、半分に裂けたものまで。
おまけに去年の葉がまだ残っていたりすると、葉痕は見えないけれど
異様に肥大した葉柄が見えたり。
のんびりと観察出来る場所だといろんな姿が見られるので良いです。
もし群れて枝が伸びていたら、撮り始める前にぐるりと見て回るのも良いですよ。
ゆっくりと見定めながら、気に入ったものをゆっりと撮る、
慌てて撮らなくてもネコヤナギは逃げませんからね。
葉痕がとっても可愛いですね。
こんなふうに撮れたらといつも思います。
芽鱗の撮れ方が様々ですね。
とっても素敵です。
狙ってみたいです。