渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

不思議なキュー

2022年05月08日 | open


このキューを使うと特定の状況の
時に同じパターンで的玉を外す。
それの現象は分かっている。
だが、狙撃銃での遠距離狙撃のよ
うに、脳で考えて、これこれこう
う条件であるのでこれだけずれ
からこれ位スコープのクリック
を回して補正する、というような
計算は撞球の場合にはできない。
不可能。
撞球のショットは全ては人間の
「感覚」に依拠するものだからだ。

的玉をトバしたら相手に取り切ら
れる。
それの現実が実数で数日続いた。
これこれこういう現象だからこう
対処すればよいとは分かっても、
微細な条件の差異によりまたシュ
ート軌道がずれる。
その系統の状態以外では取り切る。
だが、その状態では的玉を外すの
で、ゲームには負ける。

最後の5ラック先取りのみは自作の
ルークセブンキューに持ち替えて
プレーした。
実によく入る。相手ブレイクノー
インからの取り切り裏マスワリ、
取り切り連続だ。
5先ラック5-2でセットを取った。
それまでは5先内ヒルヒルまで持
ち込むも、トバしでセットで負け
て、セットカウントを落として
いる。

なぜ、自作キューだと取れるのか。
それは頭で考えて補正の合わせを
していないからだ。全て感覚だ。
バンクショットでも度数計算など
はしない。配置を見て撞けば入る。
もう、完全にそのキューの特性に
合わせたショットを何も考えずに
実行できる程手に馴染んでいるか
らだ。

現在、ブレイク&プレー用に位置
づけて使っているスコーピオンだ
が、トバす玉があるのでメインの
プレーキューには選択できない。
私の個人的な問題として。
だが、キューは良い。

そして、ここが不思議なのだが、
メインでは使えないキューである
のに、なぜかしらまた暫くすると
プレーで使いたくなる。
これはなんだろうと考えていた。
何が私をしてこのキューをプレー
に使いたがりせしめるのか。

答えが分かった。
音である。
私が所有する樹脂先角のシャフト
の中で一番撞いた時の音が良いの
である。
その良音の記憶が、私をこのキュ
ーの再使用へと駆り立てる。
あの音をずっと聴いていたい、と
いう意識が、自覚なきまま潜在意
識として存在しているのだ。
一種の中毒性を持つようなサウン
ド。
無意識下の見えない何かに呼応す
る、実に不思議なキューであると
う。


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