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端末メーカー4社、ドコモ向携帯の仕様を統一 開発コスト半減、海外巻き返しへ

2010-04-25 | 端末メーカー/日本



 シャープ、パナソニック、富士通、NECの4社は携帯電話機で動画や音楽を動かす基幹ソフトを統一する。

 NTTドコモなどと共同開発し、2011年度に投入するドコモ向けの次世代機に搭載する。1台あたり200億~300億円とされる次世代機の開発コストを半減させる狙い。

 4社の端末で同じ応用ソフトが使えるようになり、利用者の利便性も高まる。4社は海外市場で出遅れており、コスト競争力を高めて巻き返しを狙う。


●ドコモ向けの事実上の標準

 国内携帯電話機メーカーの上位4社が仕様を統一する。4社の09年度の国内シエアは合計で67%。ドコモ向けでは新仕様が事実上の標準になる。

 アプリケーション・プラットフォームと呼ぶ基幹ソフトを4社と、ドコモ、ルネサスの6社で共同開発する。

 同ソフトは動画や音楽の再生など通信以外の機能を制御する役割を持つ。現在は各社が個別に開発している。次世代機の開発コストは200億~300億円、開発期間は1~2年とされている。

 4社は基幹ソフトの統一によりコストと期間をそれぞれ半減させ、端末の使いやすさやデザインの開発などに経営資源を振り向ける。6社で開発した基幹ソフトは海外の携帯電話機メーカーにも外販する。

 6社の仕様を海外に広め、世界でヒットしているアップルの「iPhone」などに対抗する。

 現在は基幹ソフトがメーカーごとに異なり、あるメーカーの携帯電話機で使える応用ソフトが別のメーカーの機種では使えないことがある。

 基幹ソフトを統一すれば、1つの応用ソフトが4社の端末全てで使えるようになり、ソフト会社はメーカーごとに仕様を変える必要がなくなる。


●海外市場開拓の必要性

 4社は国内で約7割のシェアを持つが、01年前後にドコモが海外展開でつまずいたことが響き、海外で本格的に販売しているのはシャープだけで、4社の世界シェアは2%にとどまる。

 ドコモは12月に光ファイバー回線並みの高速通信が可能な次世代携帯電話規格「LTE」のサービスを始める。同規格は世界標準になる見通Lで、ドコモにとっては海外で巻き返すチャンス。

 ドコモは09年以降、インドやドイツの通信大手に出資している。これに合わせ日本の端末メーカー4社も基幹ソフトを統一した次世代機で海外市場を開拓する。

 国内の携帯電話市場は契約数が1億件を超え、飽和状態。その中でアップルなど海外勢がシェアを伸ばしている。4社は国内市場を守りつつ海外市場の開拓を急ぐ必要がある。





【記事引用】 「日本経済新聞/2010年4月25日(日)/1面」


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