闘病するアントニオ猪木のTVドキュメントを見た。
「燃える闘魂ラストスタンドー病床からのメッセージ」BS3の番組。
猪木が難病と闘っていることを知らなかった。ベットに横たわり、車椅子で移動する姿は衝撃だった。あの無敵のアントニオ猪木なのだから。
闘病姿をファンに晒すことへ抵抗感があった猪木。猪木を慕う元弟子だったプロデューサーの企画意図を汲み了解したという。
スーパーマンは空を飛び続けてこそスーパーマン。プロレスを超えた格闘技の世界でトップを張りスーパースターであり続けたアントニオ猪木も、スーパーマンのように飛び続けなければならないと。「弱った姿は見せたくなかった」そう思っていたに違いない。
なのに、あえて晒す。その思いを知ろうと見入った。
つぶやくように語る言葉は高く、深かった。
ひとつの世界を極め頂点に立ったからこそ見えた世界。成功と栄光、挫折のなかでもがいた闘魂の人生。そして闘病。つぶやきにはそれら全てからのメッセージがあった。
「与えられた命と運命を精一杯生き抜かなければならない」病と闘うアントニオ猪木のメッセージなのだと、そう思えた。
猪木の前に猪木なし、猪木の後に猪木なし。闘魂はなおも燃えていた。