荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

サプールの巻。

2016年07月27日 | 愚か者の街に紳士の佇まいを




自宅のそばに、とあるバーがあります。

そのバーはなかなか雰囲気がありながら、結構勘定が安い。

特に17時30分~19時迄は、いわゆる【ハッピーアワー】。

すなわち、安価でビールやワインが飲めるのです。

なので週に1、2回は通ってますかね。



今回、そのお店でサプールのイベントがありました。

【サプール】ってご存知ですか?

サプールってのは、アフリカでもかなり貧しい国・コンゴ共和国の伊達オトコの事。

コンゴの平均月収は3万円程なのですが、サプール達は月収の40~60%をブランド服に費やすのです。

派手ながら、三原色に抑えたファッションに身を包み、独特なステップで街を練り歩く・・・。

ニッポンにも服の事しか考えていない様な、【ちょい馬鹿オヤジ】がいます。

僕は当初、そんなモンかな、と思っておりました。

ところが違うんですな。

長期間のフランスによる統治、収まらない内戦。

平和ボケのニッポンとは違い、かなり混乱した国家内情。

サプールが服を買うのは、平和を願う気持ちなのです。

『エレガントであれ、紳士であれ』

銃を買う代わりに、服を買うのです。

あるサプールが語っておりました。

内戦の間、大事な服を守る為、地面に埋めたそうです。

内戦が終わり、埋めた服を掘り出したところ、どれもこれも駄目になっていたとの事。

彼は改めて戦争を憎む様になりました。



そんな彼らと一緒にお酒を飲めて、ホントに楽しかったです。

コンゴからやって来たサプールは3人。

通訳者を介しての会話となります。

思いの外、彼らのファッションは地味でした。

もっと派手なスーツでの登場だと思っておりましたから。

とは言え、良い思い出になりました。

改めて、僕なりに平和を願おうとも思ったものです。



『服の優美さは、身動きの自由さにある』ココ・シャネル(フランスのファッションデザイナー・1883~1971)

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こだわりの巻、ふたたび。


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