荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

見当たり捜査の巻。

2017年06月29日 | 聖なるブログに名も無きカテゴリを




NHKノーナレ【ミアタリ】を観ました。

ミアタリとは警察用語で【見当たり捜査】の事。

つまり、指名手配書の写真や監視カメラの画像から被疑者の特徴(とくに顔)を記憶し、駅・繁華街等で似ている人間を捜し出す捜査手法です。

【相棒シリーズ】では陣川くんが一所懸命ミアタってましたね。

又、【見当たり捜査官】という戸梶圭太の作品もあるので、警察モノ好きなヒトだったらソコソコご存知でもありましょう。

さて、このミアタリ、大阪府警ではいち早く1978年に導入、既に4,000件以上の被疑者逮捕に至っているとの事。

更に凄いのは、現在迄300人以上を検挙した刑事さんが居るのです。

この番組では、その刑事さんが主役となっておりました。

1日に駅・繁華街等で見る“顔”は4人万以上。

いやいや、考えただけでもヘトヘトになりそうです。

番組中、ミアタリで張り込んでいる刑事さんの画が・・・。

それは、かなり強めの眼力で、街中に突っ立っているオジサン・・・。

結構、怖いモノがあります。

『このヒト、引ったくりかな』なんて。



『自分の中に呼び込んでまう』

と、その刑事さんは言っております。

【呼び込む】とは、被疑者の写真と対話し、人物を記憶する事。

そして駅・繁華街等に立つと、被疑者の顔が大きく浮かんで来る、というのです。

う~ん。まるで霊能者・イタコですな~。

まぁ、それはちょいと言い過ぎだとしても、番組中でも【一種の超能力】と評しておりましたし、その姿は職人そのものでした。

自らを【ミアタリバカ】と称し、データ画像ではなく、紙の写真を繰り返し見続け、街に立つ・・・。



興味深かったのは、

『被疑者を見つけた時の衝撃をもう一回味わいたい』

と言っていたトコ。

ハンターというか、ギャンブラーというか

『キタ――(゚∀゚)――!!』

って感じなのかなぁ。



【科学捜査】という言葉すら古く感じる現代において、【勘】【感覚】に頼った捜査には賛否あるでしょう。

しかしながら、テクノロジーではカバーしきれない方法論があるのも事実ですし、結果も出ている・・・。

大阪府警礼賛っぽい出来ではありましたが、実に良い番組でありました。

くれぐれも誤認逮捕だけはない様に。



『犯罪者は国家の競争相手であり、国家の暴力独占権をおびやかす存在である』ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー(ドイツの作家・1929~)


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