時の流れに区切れめなどあるはずもなく、ただひたすら連続する。
にもかかわらず、なのだ。
ヒトはそこに区切れを入れ、過ぎたこととは訣別し、
次の新しい時へ気持ちも新たに向かうことになる、という不思議さ。
振り返ると 昨年後半は雑念(いまさら?と思うようなものも)が多すぎた。それらをカプセル化(Encapsulation)し、視界の端に置くことで、もっと「素朴に」なれるだろうし、そうでなければならない。
新しい時にどう向き合うか、を考え、作曲家エドワード・エルガーの作品を思い浮かべた。
表意記号として"nobilmente e semplice"とある。 「高貴に そして 素朴に」だ。
エルガーという作曲家は、音でヒトの心にたまった澱を洗い流してしまうような不思議な、そして高貴な旋律を作りあげた。
この"nobilmente e semplice"は、交響曲第1番の第1楽章にAndanteという速度記号にそえてつけられている。 ティンパニのみの序奏2小節の後に、変イ長調で気高く滔々と歌われるこの旋律。まさに"nobilmente e semplice"。
Elgar - Symphony No. 1 (Proms 2012)
もっとわかりやすいのがこれだ。
Land of hope and glory Last Night of the BBC Proms 2012
指揮はイルジー・ビエロフラーヴェク
Elgar: Pomp and Circumstance | BBC Proms 2014 - BBC
指揮はサカリ・オラモ
どちらもプロムスの最終日の模様を収録したもの。
ロイヤル・アルバート・ホール。大きい! ドヴォジャークもここで指揮をしたことがある。
この曲のTrioにつけられた歌詞を皆が心から歌い、そして 多くの英国旗に混じって様々な国旗---日の丸も見える----が打ち振られるさまは素晴らしい。