猫の気持ちになってみろ

愛猫「チコ」がぷるぷるしてます

ラブリーボーン

2012-07-25 00:35:47 | 映画

ラブリーボーン
2009年アメリカ/イギリス/ニュージーランド 監督:ピーター・ジャクソン キャスト:シアーシャ・ローナン 原作:アリス・シーボルド
★☆☆☆☆

スージー・サーモン(シアーシャ・ローナン)は、14歳のときにトウモロコシ畑である者に襲われ、殺されてしまう。
スージーは死後の世界から、家族を見守る・・・
∞∞∞∞∞

先日観た「ハンナ」の「シアーシャ・ローナン」ちゃんの作品。文句なしの美少女が、美少女として演技しています。

さて、お話の方はビミョー・・・死生観、宗教観で賛否ありと言う感じです。
どんなに理不尽な死に方をしても、どんなに凄惨な死体となっていても、死後はきれいな姿で、美しい世界から、残された人を見守っているんだよ。
「泣かないでください~そこに私はいません、眠ってなんかいません~」と、「千の風になって」を映像にしたような作品。アメリカ人の死生観なのでしょうか・・・?

死生観自体にどーのこーの言うつもりはないのですが・・・う~ん・・・ちょっと軽い感じが否めないです。

本作は「あの世」の美しさが話題になった作品で、確かに美しいのですが、「あの世」をCGで具現化してしまうことに、違和感を感じます。

ストーリーも腰砕けだし、賛否両論の私は否です。


ハンナ

2012-07-24 01:39:48 | 映画

ハンナ
2011年アメリカ 監督:ジョー・ライト キャスト:シアーシャ・ローナン
★★★☆☆

フィンランドの山奥で、元CIA工作員の父親(エリック・バナ)に格闘に関するテクニックを教え込まれたハンナ(シアーシャ・ローナン)。
16歳になったある日、彼女はCIA捜査官のマリッサ(ケイト・ブランシェット)を暗殺するため森を出るが・・・
∞∞∞∞∞

幼いころから戦闘マシーンとして育てられ・・・みたいな話です。
この手の話には、美少女、卓越した武器さばき、キレのある格闘、が必須ですね。

美少女は文句なしの「シアーシャ・ローナン」さん。
私、初めてこの作品で観ましたが、「美少女」というにふさわしい透明感とあどけなさが残る女優さんです。

ちなみに、お父さん役は、これまた戦士、テロリスト、デルタフォースなど、数々の特殊ミッションをこなす工作員役をやってきた「エリック・バナ」さん。
こちらもピッタリです。

さて、問題の卓越した武器さばき、キレのある格闘ですが、こちらはちょっとビミョー。
よくある暗殺モノの「強大な敵」とか「難攻不落の要塞」が敵ではないので、期待ほど迫力の戦闘シーン自体がありません。
秘密兵器モノも皆無。せいぜい短銃どまりなので、そういうのを期待すると、ちょっと外します。

たぶん本作の狙いは、世間を知らず、戦闘マシーンとして育った少女のロードムービーのようなのですが、正直それも中途半端。出会いも、発見も少ないし、そもそもの設定である「感情を抑制した戦闘マシーン」である彼女が、
ときおり涙を流したり、感情を吐露するシーンに違和感を覚えます。

というわけで、作品的には★2つ以下なのですが、なにしろシアーシャちゃんが可愛いので、★3つ


1911

2012-07-23 01:02:34 | 映画

1911
2011年中国 監督:チャン・リー キャスト:ジャッキー・チェン
★★★☆☆

1911年。西太合が死に、まだ幼少の溥儀が皇帝となっていた清。
欧米列強の脅威にさらされ、清王朝は衰退し民衆は最低の生活を強いられていた。
そんな民衆を束ね革命を組織する孫文と、その参謀・黄興(ジャッキー・チェン)は皇帝軍に闘いを挑むが・・・
∞∞∞∞∞

ジャッキーチェン、記念すべき出演100本目の映画らしいです。すばらしい役者さんですね。
若いころ、彼の映画を観ては、そのアクションにハラハラドキドキし、「この人、きっといつか映画で死ぬな」と感じたものですが、いつしか還暦目前。演技派としても活躍するようになっていました。

本作は、近くてよく知らない中国の「辛亥革命」のお話。
中国って三国志とか、昔の歴史はご存知、って感じですが、近代史はサッパリですからね。
なぜ「孫文」が革命の父なのか?ラストエンペラー溥儀は、どういういきさつで皇帝を追われたのか?
この映画で、その一端を知ることができます。

本作は、辛亥革命により、袁世凱が初代中華民国大総統になるまでを描いています。
激しい戦闘シーン。死んでいく兵士たちも描かれていて、中国って、たくさんの命で今の国までたどり着いているのね。って感じました。


ラストエンペラー

2012-07-22 00:20:11 | 映画

ラストエンペラー
1987年イタリア/イギリス/中国 監督:ベルナルド・ベルトリッチ キャスト:ジョン・ローン 音楽:坂本龍一
★★★★★

わずか3歳で清朝最後の皇帝に即位するも、時代に翻弄され、後に満州国皇帝、戦争犯罪人、一般人・・・と波乱の人生を送った愛新覚羅溥儀。
彼が即位してから文化大革命以降に至るまで、ベルナルド・ベルトリッチが壮大なスケールで描く歴史大作。
∞∞∞∞∞

私、この作品、公開当時から通算10回以上は観ています。
初回は、学生の頃で、アカデミー賞総ナメであり、日本人俳優も出ている西洋の描く東洋映画に興味を持ったのがきっかけでしたが、その美しすぎる映像と、音楽に魅せられ、ビデオが出て何度も観て、ここ最近は、北京へ出張に行くことがあり、予習として何度も観るようになりました。

で、また観ちゃった。

何度観ても、お見事。としか言いようのない、名作ですね。
故宮を全面的に借り切って行ったと言うロケシーンは圧巻。

即位式の迫力は自分が入りこんでしまいそうな迫力ですし、宮殿の中は皇帝の暮らしを垣間見るよう。
故宮の高い壁の合間を自転車で溥儀が走るシーンは、皇帝の孤独が胸にしみわたる名シーンです。
まだまだ改革開放の入り口だった80年代。故宮へこれだけの小道具、セット、車馬、衣装を持ちこみ、大勢のエキストラを束ねるのは、きっと大変だったと思います。

また、ジョンローンさん演じる溥儀もすばらしく、「栄枯盛衰」を見事な演技で表現し、そのバックに流れる坂本隆一さんの音楽は、優雅さと緊張。美しさと醜さを、下支えしています。

全体的に「時代絵巻」という感じではありますが、全く間延び感はないです。
ラスト。全てが終わり、時代の移り変わりを示唆するようなシーンは、感動というより、ひとつの時代を共有したような満足感が得られました。

とまぁ、基本的には「ベタ褒め」なのですが、「西洋の人が作った、東洋の映画」という感じは否めません。目線はイギリス人家庭教師で、「王様と私」のごとく、ちょっと上から的なところもありますし、俳優さんは「中国人」というより「日系人」という人ばかり。
もちろん言語は全て英語です。(聞きとりやすいので、英語の勉強にいいかも)

これから北京へ旅行する人は、「観とけ」って作品です。


きみはいい子

2012-07-21 01:29:46 | 

きみはいい子
刊:ポプラ社(2012/5) 著:中脇初枝
★★★★★

ある雨の日の夕方、ある同じ町を舞台に、誰かのたった一言や、ほんの少しの思いやりが生むかもしれない光を描き出した連作短篇集。
∞∞∞∞∞

「虐待」をモチーフにした短編集。
「王様のブランチ」で紹介されて、紹介されるやいきなりAmazonでも品切れになる勢い。
わずか2か月で第6刷となったものを手に入れて、読んでみました。

とにかく読んでほしい!

と言いたくなる作品。「虐待」をモチーフとしていても、そこには希望があり、子供はみんな「いい子」であることを、やさしく、強い文章で表現しています。
この作品をたくさんの人が読んで共感できたら。きっと良い世の中になりそう。

文章の力ってすごいな。

5作品収録されていますが、私が好きなのは「うそつき」。
なんてやさしい作品なんでしょ?先を見るより、まずは目先の身近な人に声をかけるだけで、世の中は変わるはず。

マザーテレサも言ってたっけ
「日本人は、インド人の心配をする前に、まずは目の前の日本人を助けてあげなさい」ってね。