猫の気持ちになってみろ

愛猫「チコ」がぷるぷるしてます

二十歳の原点

2014-05-21 00:17:49 | 

二十歳の原点
刊:新潮文庫(1971/5) 著:高野悦子
★★★☆☆

独りであること、未熟であることを認識の基点に、青春を駆けぬけた一女子大生の愛と死のノート。
自ら命を絶った悲痛な魂の証言。
∞∞∞∞∞

1970年代にベストセラーになり、映画化もされた作品。
・・・って「作品」ではなく、実在した二十歳の女子大生のリアルな日記です。
作者の高野悦子さんの日記。二十歳の誕生日から自殺するまでの6ヶ月間が綴られています。

昭和二十四年生まれの高野悦子さんは、栃木県西那須野出身。
地元の公立中学を出て、宇都宮の女子高、そして関西の立命館大学へ進学。
当時、学生紛争吹き荒れる中、自らも学生紛争に参加し、たびたび機動隊と衝突。
自由とは、生きるとは、に思い悩み、闘争やニヒリズム思想に傾倒。
最終的には、孤独と自分の無力さに苛まれながら、昭和四十四年六月に鉄道自殺を遂げます。

自殺後、お父様の編集により同人誌に掲載、その後、新潮社より発行されベストセラーになったようです。

ひょんなことから、私の地元でベストセラー作家がいる。という噂を聞いて本作とめぐり合いました。
当時の「学生紛争」の時代を色濃く残していて、さらに自殺者当人の日記ということから、理解が難しかったり、歪曲した(本人の思い込みが激しい)解釈とも思える文章も多々ありますが、そこはそれ「リアル」な日記でした。

読んですぐ、とてもしっかりした文章なので「よく考えて、しっかりした娘さんだ」と思うのもつかの間、難しい単語を連発し、社会やまわりに批判を繰り広げるので、「ちょっと考え過ぎじゃない?」という印象を受けます。

さらに、初めは下宿のようなところに住んでいたようなのですが、思うところあり、でアパートに引っ越したあたりからまた様相が変わってきます。

孤独との闘い。
話す相手がいないのか、日記の内容もディープになってきているように思います。
で、とても美しいお嬢さんなのに、日記に出てくる生活は貧乏と酒びたりの毎日。
学生運動やデモと、バイトと、酒。そして太宰や安保や闘争の本の読書。・・・志向は内向きになり、批判的になり、無力感、孤独感にもがき苦しむようになります。

まるで彼女は、蟻地獄のフチを歩いているよう。ちょっと覗いては吸い込まれそうになり、なんとか戻ってくるのですが、また覗いちゃう。・・・そしてついには戻れなくなっちゃう。
彼女にとってそれは(戻れなくなったことは)幸せだったのでしょうか?不幸だったのでしょうか?
ずいぶんと早い段階から「自殺」という単語が踊っていますが、それを何度も思いとどまっています。

日記の端々に「憧れの先輩」や「恋」のこと。「パーマでもかけよう」なんて言葉が出てくるのが、ちょっと切なくなります。
とても深く考えているようで、実は「刹那的」という感じもしました。

なんか不思議な日記。今の時代、理解するのも共感するのも、とても難しいのかもしれません。


女のいない男たち

2014-05-20 21:31:31 | 

女のいない男たち
刊:文藝春秋(2014/4) 著:村上春樹
★★☆☆☆

村上春樹9年ぶりの短編集です。
「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」「女のいない男たち」の6編。
∞∞∞∞∞

久々に村上春樹の作品を読んでみました。
村上作品は独特の言い回しを楽しめるかどうか、なんですが・・・久々に読んでみると、あまり楽しめなかった・・・

6編の作品は、後になるほど、訳分からなくなります。
これってファンタジーなのかな?


テルマエ・ロマエⅡ

2014-05-19 23:36:49 | 映画

テルマエロマエⅡ
2014年日本 監督:武内英樹 キャスト:阿部寛、上戸彩b 原作:ヤマザキマリ
★★★☆☆

古代ローマの浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は、剣闘士の傷を癒やすための浴場建設の命を受け頭を悩ませていた。
そんなとき、浴槽に溺れ、またもや現代の日本へタイムスリップ。そこで風呂雑誌の記者になっていた真実(上戸彩)と再会する・・・
∞∞∞∞∞

大ヒットした『テルマエロマエ』の続編。
今回も「ルシウス」というか「阿部ちゃん」が悩みに悩みぬいてテルマエを創る作品。

なんですが、さすがに1作目ほどのパンチはなく、阿部ちゃんの「驚愕の表情」ばかりが目につきました。

ま、それでも十分に楽しめますけどね。


マルク・シャガール展 語るシャガール、語られるシャガール(栃木県宇都宮市 宇都宮美術館)

2014-05-14 00:09:52 | イベント

マルク・シャガール展 語るシャガール、語られるシャガール(栃木県宇都宮市 宇都宮美術館)
会期:2014/4/27~2014/6/22 入場料:一般800円、大高生600円、中小学生400円
★★★☆☆

マルク・シャガール(1887-1985)。彼は自らの作品によって、あるいは言葉によって、世界中の人々に数多くのことを語りかけました。
また、シャガールや彼の作品を巡っては、数々のことが語られ、「愛と幻想の画家」、「色彩の詩人」といった私たちにおなじみのシャガールにとどまらない、新たな発見をもたらしてくれます。
本展では、油彩、版画、ポスターなど、300点を超える当館のマルク・シャガールコレクションを、作品を巡る数々の対話を読み解きながらご紹介します。
∞∞∞∞∞

「シャガール」です。
名前は有名、なんとなくぼやんと作品が思い浮かぶのですが、「代表的な作品の題名を言ってみ」と言われても出てこない画家です。

で、行ってみると・・・色彩がキレイ。
まさに「色彩の詩人」というべき作品の数々でした。


ドー・ドーナツ(栃木県 宇都宮市もみじ通り)

2014-05-12 00:00:57 | グルメ

ドー・ドーナツ(栃木県 宇都宮市もみじ通り)

今、いちばん宇都宮市でホットなスポット



「もみじ通り」。どんだけホットかと言うと・・・じゃん。



がら~ん・・・シャッター街です。
なんで、こんな閑散とした通りがホットかと言うと、先日、テレ東の「ワールド・ビジネス・サテライト」にて、シャッター街の再生。と紹介されたからなんです。

・・・っても、まだまだ閑散としていますが、そんな「もみじ通り」に、ちょっとオシャレなドーナツ屋さん「ドードーナツ」があります。
店内は



こんなカンジ。ドーナツは



こんなカンジです。
油コテコテで揚げていなくて、ふわふわモチモチな食感はまるでパン。
甘すぎなくて、何個でも食べられそうな上品なドーナツでした。