そぞろ神の物につきて―日本列島徒歩の旅の記録

  (2008年 日本海側)
  (2011年 四国八十八ヶ所)
  (2014・15年 太平洋側)

2015年 徒歩の旅 第10日  小野町・宍戸旅館へ

2016年04月05日 | 2015年太平洋側の旅-後半
2015年4月10日(金) 晴 (いわき市・夏井川渓谷キャンプ場
                              ~小野町・宍戸旅館)




今日は、実のところ、結局、江田駅前商店の旦那さんの自動車で小野新町まで乗せてもらってしまって、予定ルートはまったく歩かず。その代わり(?)予定外の三春の滝桜などを見ることになった。それもまた旅‥‥。

5時に小鳥の声で目覚めたが、もう一眠りし、

5時30分、再度目を覚ましたが、8時に店の旦那さんと待ち合わせして自動車に乗せてもらう手はずになっているので、寝袋の中でぐずぐずした。コースの半分くらいまで行かれればだいぶ助かる。以前なら、自動車に乗せてくれると言われても、「歩き旅なので‥‥」とお礼を言ってお断りしていたが、年も年なので、今回はご好意に甘えることにしている。
現在の天気は曇。夜中にテント内が結露し、起きて拭いたが、今朝はさほど濡れてはいない。昨夜は、昼間に急きょ買ったホカロンを4個使ったので、前夜ほど死にもの狂いではなかったが、それでも寒さのため背骨が少しグラグラした。

8時、車に乗せてもらって出発。県道41号線の磐城街道を小野新町方面へ向かう。


8時10分、籠場の滝。
















大町桂月の歌碑あり、
「散り果てゝ 枯木ばかりと 思ひしを 日入りて見ゆる 谷のもみぢ葉」。


8時20分、夏井川渓谷錦展望台。








地元では「岩ツツジ」と呼ばれているが。正式には「アカヤシオ」というのだそうだ。ちょうど満開で見ごろだが、天気がいまいちなので、われわれの他には、男性カメラマンが一人いただけだった。このアカヤシオの見ごろと秋の紅葉の時には、列車が速度を落としてゆっくり通過するのだそうだ。

雨が降り出してきたので、旦那さんがどうせだから小野新町まで乗せてくれるという。しかし、それでは今日の行程全部になってしまうので、一瞬どうしようかと考えたが、易きに流れ結局は乗せてもらうことにしてしまった。だから、厳密にいえば、上の地図の夏井川渓谷キャンプ場と小野新町の間の行程は赤色ではないはずだが、まぁいいでしょう。

屋根の傾斜の大きさが、冬の雪多さを物語っている。雪下ろしの手間が省ける、というわけ。


9時、夏井の千本桜。残念ながら、まだ早すぎて蕾のまま。花が咲くにはもうしばらくかかりそう。








車中で、いろいろな話を聞くことができた。
① この地域も、今では食料品や旅館など多くがやめてしまった。若者は都会に行ったまま帰ってこない。以前は道路も整備されておらず、自動車も少なくて、列車で大勢の観光客が夏井に桜や紅葉を見に来た。その頃は店も多く賑やかだったが、今では過疎地。地域の過疎化に伴って、イノブタ、サル、ハクビシンなどが大量に繁殖し、作物への被害が大きい。じゃがいも畑が全滅したという例もある。
② いわき市内に、原発の避難者が集中している。当初、会津方面に避難した人も、寒くておられず、いわき市に出てきた。市内には仮設住宅もたくさんある。避難者数は1万5千人くらい。避難者も様々で、通り一つ隔てただけで保証金の額が異なり、感情的な問題もあるようだ。自分も、要請があり、東日本大震災直後から3年間、解体・復旧作業をした。7千人くらい働いており、アパートや関連産業、飲み屋、パチンコなども盛んだった。
③ 小野新町に着いて、時間があったら、ぜひ三春の滝桜を見に行くとよい。ちょうど見ごろだと思う。―― 等々。

9時10分、小野新町に着き、お礼を言って少額だが渡そうとしたが、そういうつもりで乗せたのではないと言って受け取ってもらえなかった。

その後、彼の言う通りに、宿に荷を預かってもらい、


小野新町駅から、




ゆうゆうあぶくまラインで三春駅へ。


シャトルバスがまだ動いておらず、タクシー4人相乗りで、滝桜を見に行った。三春では雨は上がっていた。観桜料、300円。同乗のいわき市街から来た中年女性は、7年前は無料だったのに、と言っていた。花は大きいが、まだ3分咲きといったところ。それでも堂々たる風格。人出はそこそこあった。




















何か気が合って、同乗の4人で行動し、帰りは一緒に歩いて三春駅に向かった(途中でもう一人加わった)。滝桜の他にも、やはり大きな枝垂れ桜が咲いていた。




駅近くで、彼らと別れて、三春町見学。




自由民権の広場に、自由民権運動の先覚者「磐州河野廣中之像」。




三春歴史民俗資料館。入館料250円(滝桜を見たので、-50円の割引き)。






作る、運ぶ、獲るための様々な道具が陳列されており興味深かった。熊野にあった資料館に似た雰囲気だった。鍛冶屋、桶屋、繭蚕業、籠、提灯など不思議な懐かしさを感じた。
その他に、ビデオで、三春駒、三春人形などを見た。
また、この地の自由民権運動の歴史なども知った。

史料館の横にも大きな枝垂桜が満開だった。




桜谷枝垂れ桜といって有名な1本なり。


午後、宿へ戻り、仙台の宿の予約をしたりしてのんびり過ごした。宿泊、2食付き 7000円。

夕食は、宿のご主人が釣ってきたという「ぼっけ」という魚の刺身が出た。

夜、床の中でうつらうつらしていたら、「山のロザリア」の曲のオルゴールが流れた。昔の「山のお寺の鐘」の代わりかな、田舎の風情が感じられた。そういえば、四国遍路の時は、夕刻、ウェルナーの「野ばら」の曲が流れていたっけ。


2015年 第10日(佐多岬より72日)

歩数  14888歩  (佐多岬より累計  3767242歩)
距離  25km     (佐多岬より累計  2447km)
費用  10040円  (佐多岬より累計  369542円)











最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。