そぞろ神の物につきて―日本列島徒歩の旅の記録

  (2008年 日本海側)
  (2011年 四国八十八ヶ所)
  (2014・15年 太平洋側)

2015年 徒歩の旅 第73日  猿払村・ライダーハウス「やませ」へ

2016年06月11日 | 2015年太平洋側の旅-後半
2015年6月12日(金) 晴のち曇 (浜頓別町・民宿「トシカの宿
                」~猿払村・ライダーハウス「やませ」)




熟睡。ゆっくり起きて、朝食。同宿のライダー2人と雑談などしてのんびりし、みんなで宿のブログの記念写真をして、

8時、出発。朝食の食べきれなかったパンその他を、女性オーナーが途中で食べるようにと包んでくれる。


曇で涼しいが、テレビの予報は晴。「日照りの朝ぐもり」か? 市街地を抜けて国道238号線まで戻り、北上。


8時35分、クッチャロ川。上流側。青空見え始める。


下流側。




川の名の由来――頓別川の支流で、アイヌ語の沼(湖)に入る入口をクッチャロ(ノド口)、あるいはトー・クッチャロ(湖の・ノド口)の意味に由来する。クッチャロ湖を源とする河川である。クッチャロ湖は、恵まれた自然環境のため、1989年にラムサール条約登録湿地の認定を受けており晩秋から早春にかけて焼く1万数千羽のコハクチョウが飛来し、“北帰行”の途中に翼を休める姿は訪れる観光客の目を楽しませてくれます、と。


8時45分、宗谷岬まで60㎞。


8時55分、蛇行するクッチャロ川とともに。




9時20分、宿の女性オーナーの書いてくれた地図を頼りに、「よつば牛乳」の先、築紫橋の手前で、右に国道238号線からエサヌカ線に入る。エサヌカ線は、「西のサロベツ、東のエサヌカ」といわれ、地平線にまで続く原野の中の長い直線道路が有名。さてどうか。


入ってしばらくの間、右に牧場、


左に樹林が続き、






牧場には遠くに牛が草を食む様子も。




1回目のクランク状ところを抜けると、


一気に目の前に左右ともに大きく開けた原野が出現する。表示はないが、ここから猿払村に入る。エサヌカ線は「猿払村林道」だから、厳密にいえばここから先がエサヌカ線ということになるのだろう。


はじめは右遠方に人家も見られるが、やがてそれも消える。

10時10分、2回目のクランク状の角を右折したら、途端に右側にすさまじい臭いの大量の堆肥の海。しかもそれが陽を浴びて湯気が出ている。まさに「やけくそ」なり。


左折してその後は地平線まで続く長い一直線。「西のサロベツ、東のエサヌカ」、とか。


空と道路が接するあたりは逃げ水が反射していた。


10時30分、右下の溝地に、エゾシカの死がい。カラスのエサだったのだろう、無残なり。


緑色の中に、タンポポの綿毛が白い。ときどき青空がみえたり。


12時、チャリダーの青年に出あう。愛知の若者で、四国、沖縄と経て、日本海側を宗谷まで北上し、その後オホーツク海に沿って行動、とのこと。この先の状況を教えてもらい、お互い頑張ろうで握手。

地平線の彼方から、自動車が。エサヌカ線全体でも数台の自動車に出会っただけだった。


12時50分、3回目はクランク状というより、90度とカーブ。


その後は、原野の中に、灌木や笹が混じるようになり、ところどころに緩いカーブが組み込まれてくる。




エゾイソツツジ、


シコタンハコベ、


ハマナス。


そして、
13時25分、右手に浜猿払港が見えて、


13時30分、エサヌカ線終結点。約4時間でエサヌカ線を抜けて、左折して国道238号線に戻る。


13時50分、浜猿払のバス待合所で15分間食事休憩。


エサヌカ線では自動車同士のすれ違いや、方向転回のために、路上にいくつかスペースがあったのだが、結局ザックを下ろして休むことはなく歩きぬいてしまった。「やけくそ」のトラウマか?

待合所に「吹流しの角度と風速のめやす」がはってあった。襟裳岬では吹流しは90°だったから、秒速10m以上ということになるようだ。とても風速10mどころではなかった、まさに台風並みであったが。


14時10分、猿払川にかかる富士見橋。何の富士がみえるのかな。


猿払川は河口付近で複雑な形になっている。


魚を釣っているが、何を釣っているかは不明。


二岐に別れた猿払川河口部の、


もう一つの橋、新富士見橋。


猿払川の名の由来――その海に注ぐ口がSar-Put あるいはSar-Putu 「Sar(葦原川)・の口」で、沙流川の川口が佐瑠太(サルプト。今の富川)と呼ばれていたのと同じことである(putuは、「そのput」の意)、と。


14時20分、霧の中に風車。エサヌカ線の後半以来、ときどき霧があたりを包むようになった。


14時30分、両サイドに防風柵。


14時45分、猿払パーキングシェルター。






15時、猿骨川。上流方面。


下流方面。


川の名の由来――シャレウコッはSar-e-u-kot「芦原(川)が・そこで・互に・くっついている」と読まれる。元来は、この二つのSar「芦原(川)」の合流点の称であったろう、と。


15時10分、左に猿払沼を見つつ、




15時15分、ライダーハウス「やませ」に着く。宿泊、素泊まり 1000円。



2015年 第73日(佐多岬より135日)

歩数  44310歩    (佐多岬より累計  6937359歩)
距離  29㎞       (佐多岬より累計  4623㎞)
費用  1000円     (佐多岬より累計  606042円)



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