河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

ヒトごろし

2021-09-01 23:31:36 | 読書(小説)
京極夏彦、新潮社。
分厚い。
1083ページもあった。
土方歳三の一代記。
子どもの頃に、人が無意味に武士に殺されるのを見て、
美しいと思い、どうしたらああいうふうに殺せるだろうと思い、
殺すためにはどうしたらいいのだろうと成長する。
何も言わなくとも一人で完結できるので喋らないという設定は
身に覚えがあるが、長じてからは、喋りたくるわけだが。
自分はヒトごろしである、という明確な軸がブレない。
そういう切り口で、最後までブレずにヒトごろしの一生を描く。
場面もひょいひょい切り替わって、先送ったり巻き戻ったり、
分厚い本だが、だらけない仕掛けが色々施されている。
所々、説明してるなあとか、涼とか坊さんとか一部出来過ぎだが
そこはそれ。
沖田をはじめ、新撰組を全く美化してないけど、
土方の筋のぶれなさがかっこいいぞ。
これの派生がこの間の弔堂なのか?
コメント
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