
闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1316,1317,1318
1)若松孝二監督の「エンドレス・ワルツ」
稲葉真弓原作の同名の小説の映画化で、鈴木いづみと阿部薫の熱愛と破局を描くが、そこには2人のドラマはなく、2人を演じる町田町蔵と広田玲央名の力演があるばかり。
2)野村芳太郎監督の「疑惑」
桃井かおりが先天性の悪女を好演。弁護士役の岩下志麻を引きずりまわす。こんなに強烈な女のいくさは見たことがない。
3)吉田大八監督の「紙の月」
すらりとした姿態を惜しげもなくシノラマのキャメラの前に晒していたあどけない少女が、あの小林聡美と張り合うまでの本邦を代表する性格俳優にまで成長を遂げるとは、亡くなったりえママも草葉の陰で喜んでいるだろう。
日本を逃亡したヒロインが外国で楽しく生き延びているという結末には納得できないが。
妻君が買うてきたばかりの琺瑯を台無しにしてしもうた奥さんごめんね 蝶人