小杉行政書士事務所 小杉 幹のブログ

自然を愛し、単独で山を歩き廻ることを好み、たまにはロードや近くの山を走る、50代オヤジのブログです。

唐松尾山から笠取山

2010年06月08日 | 奥秩父山行記

平成22年6月5日(土)、多摩川源流最高峰の唐松尾山と多摩川水源の山である笠取山を単独で縦走してきました。



20代の余暇の大半をヤマメと鮎に費やした元釣りキ○○イとしては多摩川は思い入れのある川です。小河内ダム下流から青梅市街にかけては豊富な水量に育まれた本流ヤマメと鮎。小河内ダムから上流は丹波川と呼ばれ、丹波集落から上流はスケールの大きい大渓流で渓魚も豊富、奥多摩湖から遡上した40cmクラスのヤマメやイワナもよく釣り上げられています。武田金山にまつわる悲しい伝説が残る「おいらん淵」の上流からは一之瀬川と名を変えます。ダブルS字峡の通らずを過ぎて一之瀬集落に入ると流れはおとなしくなって、笠取山山頂下の水干に突き上げます。水干が多摩川138kmの源頭となります。

多摩川源頭「水干」

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唐松尾山から笠取山はタップリ1日コース。この日は早朝4時40分に川越の自宅を出発、青梅でR411青梅街道に入り、一路丹波山村を目指す。途中「道の駅たばやま」で休憩して一之瀬へと車を走らせます。

笠取山へは作場平から、唐松尾山へは三ノ瀬から登れます。作場平は駐車場完備なのでここに車を止め、一之瀬林道を30分ほど徒歩で下った三ノ瀬の将監峠登山口から唐松尾山を目指します。

一之瀬林道を歩く

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林道から見た新緑と渓流

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将監峠登山口

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ここから七ツ石尾根を牛王院平(ごおういんだいら)へと詰め、唐松尾山へと辿ります。

幅広い山道

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将監峠・牛王院平分岐

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新緑のカラマツ林

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カラマツ林の登山道

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道標無き分岐

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道標無き分岐2

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道標無き分岐3

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将監峠登山口からは幅広い山道が牛王院平分岐まで続きます。新緑のカラマツ林の中をダラダラと登っていきます。この七ツ石尾根では牛王院平までの間に道標の無い分岐が3箇所ありました。これらの分岐は地図にも記載が無く、その度に地図とにらめっこ。周りの地形と地図を照らし合わせながら判断します。なんとか無事に将監峠への稜線上の分岐点である牛王院平に着きました。

牛王院平

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ここから稜線を北西に辿ると、和名倉山への分岐となる山ノ神土に着きます。

山ノ神土

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山ノ神土の道標

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案内をよく見ると…

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唐松尾山、笠取方面の表示に手書きで、尾根道(ガチ用) まき道(ヘタレ用)と書いてあります(笑) 「ヘタレ山歩きスト」を自称するワタクシとしては是非ともまき道(ヘタレ用)を通りたいものですが、そうすると唐松尾山も笠取山も巻いてその先の笠取小屋まで行ってしまう。それだと何のためにココまできたのか分からないので、意を決して(ガチ用)の尾根道を辿ることにします(笑)

崩落した涸れ沢を渡る

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原生林の中を行く

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西御殿岩分岐

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本当に小さな分岐の道標があります。「西御殿岩」は唐松尾山へと向かう稜線上を少し戻ったところにある岩峰で、晴れていると360度の大展望だとか。ここに来る頃には随分雲が出て来ていたので素通りするつもりでしたが、丁度この分岐点に着いた時点で空が晴れ渡ってきたので大展望を期待して西御殿岩に立ち寄ってみる事にしました。←これが結果として自分の足を引っ張ることになりました…(笑)

西御殿岩への踏跡

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崩落地

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これがですね… 行き15分と道標には書いてあったのですが、細い踏跡を辿って登って行くのは非常にキツイ。途中崩落地もあります。いやいや、登りの苦手なワタクシとしては息も絶え絶えでカメのごとくゆっくり歩みます。すると…

おーっ! こんなところで今日初めて出会うことができました!

石楠花

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今年は少し開花が遅れているようでまだつぼみの方が多いですが、石楠花です! 石楠花に出会うことも今日の目的のひとつでした。

しばし石楠花に見とれた後、最後の岩場を越えて西御殿岩に辿り着きました。

岩場を見上げる

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西御殿岩

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写真で分かるとおり多少青空が広がっています。何とか少しの展望を得ることができました。

唐松尾山方面

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一之瀬方面

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竜喰山・大常木山方面

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牛王院平方面

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帰りは岩場を慎重に下り、分岐点まで戻りました。往復約1時間。この1時間のロスが後々ひびいてくることとなりました。

唐松尾山へと向かう道

唐松尾山の手前で昼食をとることにしました。というのは、西御殿岩分岐でそのまま唐松尾山へ向かう団体がいたためで、もし山頂でバッティングしてしまうと最悪昼食をとる場所もなくなることを懸念したものでした。ちょうどうまい具合に倒木がありましたのでベンチ代わりにして毎度のごとくお湯を沸かしてカップラーメンです。

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時間がもったいないので、昼食後はあまり休まずに歩きはじめます。

唐松尾山は目前

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唐松尾山山頂(2109.2m)

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山頂の標識

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山頂標識、二つともパッとしませんな(笑)

先ほどの団体とは別の20人くらいの団体がいました。笠取山から来たとのことでちょうど逆コースになりますね。集合写真を撮ってあげました。

しばし休憩の後、山頂を後にします。

唐松尾山を下る

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読めない案内

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石楠花3

 

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唐松尾山からの稜線は至るところ石楠花が咲いています。

石楠花の回廊

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奥秩父らしい景色

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原生林と石楠花、そしてササ

水干へと下る

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西御殿岩分岐で先行した団体が前を歩いています。追いついて雑談し、写真を撮って離され、また追いついてを繰り返しながら水干へと下っていきます。

水干・笠取山分岐点

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この時点で午後2時半近く。団体さんは時間の関係か、笠取山は登らずにここから下山していきました。私も少し迷ったのですが、笠取山に寄ってから下山しても何とか午後5時位には下山できそうだし多少トレランの心得もあるので走り下ることもできる。もし暗くなってもヘッドランプあるし、いざとなれば笠取小屋や雁峠小屋もある。ということで笠取山へ立ち寄ることにして、その前に多摩川源頭の水干に寄っていく。

水干

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ここから河口まで多摩川138kmの旅が始まるのです!

多摩川源頭のルンゼ

 

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ここから先ほどの笠取山分岐まで戻り、いよいよ最後の目的地である笠取山頂を目指します。

笠取山手前のピーク

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幾つかピークを越えていきます。さすがにここまで休憩込みで7時間。アップダウンはツラいですが、頑張って歩きます!

ここにも石楠花が

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ようやく笠取山東峰に着きました。

笠取山東峰(1953m)

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西峰へ向かいます。

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笠取山西峰

 

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ここ笠取山は東峰と西峰があり、標高をいうときは東峰の標高を取ります。山梨百名山に指定されているのは西峰のほうです。複雑ですね

雁峠と燕山を望む

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ここではあまりゆっくりせずに一気に下ります。

笠取山頂からの急下降

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笠取山頂を振り返る

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素晴しい急登です。心の底から逆コースで良かったと思いました(笑) 小雲取山の肩から富田新道分岐への急坂と雰囲気が似てますね!

笠取小屋へと向かう道

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すでに時間は午後3時半。笠取小屋まではトレランまがいに走ります。山靴に30Lザックで(笑)

笠取小屋

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ここでお茶をご馳走になりました。なんだよ、ずいぶんノンビリしてんじゃん(笑)   しばし談笑の後、下山口である作場平まで真っ直ぐに下ります。

整備された道

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新緑の下山路

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ヤシオツツジ

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せっかくキレイなのに遠くて不鮮明ですが…

一休坂

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一休坂分岐

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多摩川源流・一之瀬本谷源流部

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作場平への下山路

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下山口が見えてきた!

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笠取山登山口(作場平)

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午後4時45分、無事下山致しました。

もともと休憩時間を含まないで7時間半ほどのコースを西御殿岩で1時間のロス、約140枚の写真撮影でかなりのロス(笑)、休憩込みで9時間の行程でした。

振り返っての感想ですが、キツかった! …って、どこ行ってもキツかったを連発していますヘタレ山歩きストですが(笑)、キツかった。標高2,000m近くなると多少は空気が薄いのでしょうけど、登りが本当にキツいのなんの。心拍数ガンガンで息切れ切れ。多少ランニングしたりしてますが、やっぱり手抜きトレでは効果ありませんな!稜線歩きでは結構ヘロヘロでした。それでも水干への下りや笠取山からの下りなどでは結構走ったりしてましたから案外余力はあるもんです… 

実は今回の山行で気になった点がひとつ。

途中で団体登山者2グループと行き会っています。同方向で先行していたグループと、唐松尾山で行き会った逆コースと辿ったグループと。そのどちらのグループも同じところで同じコースミスをしそうになっているんです。

唐松尾山頂から見て、南東が将監峠で南西が笠取山。北に向かって滝川の釣橋小屋跡方面に下る尾根がありますが、地図には破線すら記載されておらず、さらには入口に1本倒木を渡して通行止めにしてあります。唐松尾山で行き会った団体は、写真撮影を終えるとサッサと北側の尾根に向かって歩き出しました。私が将監峠方面から登ってきたのを見ているにも関わらずです。「どちらに下りるんですか?」と私が声を掛けると「将監峠」との答え。手持ちの地図を見せて間違いを指摘し、正しい道を下らせました。唐松尾山を下って先行する別の団体に追いついた時にその話をすると、「私達も全く同じように北側の尾根道に入りかけた。そこにちょうど笠取山方面から団体が登ってきて間違いに気付いた。」とのこと。

団体の場合、誰かが進むと他の人たちもなんとなくついていってしまうんですよね…

これで思い出したのが秩父の熊倉山のこと。ここも日帰り登山者は絶対に南に向かう(酉谷山方面)尾根には行かないはずなのに、南の尾根に入り込んで道迷い遭難というケースが多発しています。

結局、地図を見ていないのと周りの道標類に注意を向けていないんですよね。地図を見ればすぐにわかります。分岐点で地図を見ないで進むことは私にはありえないです。例え道標があってもです。もちろん何回も行ってて分かっているところは別ですけど(笑)

私にとっては少しハードだった今回の山行ですが、何とか雨も降らず、多摩川水源の森林と石楠花(ホンの少し早かったようですが)を満喫できた1日でした。このときの写真をフォトアルバム唐松尾山から笠取山にアップしてあります。ブログには載せきれない写真が満載ですので(画質はあまり良くありませんが…)是非ご覧下さい。



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4 コメント

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こりゃまた、随分ハードに歩きましたな~ (希夷斎)
2010-06-08 23:24:44
こりゃまた、随分ハードに歩きましたな~
それにしてもここいら辺はもう完全に亜高山帯の雰囲気バリバリですね。素晴らしい。道も良く整備されてて、イイ感じ。今度は走ってみようかしら。
来週の甲武信は楽しみにしております。よろしく♪
返信する
こんばんは。 (ブル)
2010-06-08 23:24:56
こんばんは。
多摩川の源ですね。

自分は東京の大田区で育ちました
ので多摩川の河川敷は庭みたいな
ものでした。
あの川の源なんですねぇ~
すごいな。
返信する
>希夷斎様 (川越人)
2010-06-08 23:32:24
>希夷斎様

ハード、ハード。キツいわ!

この辺りは普段行っている近所の山とは植生が全然違うんで新鮮でしたね。でもあんなにササが生えていていいのかしら?

ところで甲武信は今週じゃなかったっけ?
返信する
>ブルさん、こんばんは! (川越人)
2010-06-08 23:37:50
>ブルさん、こんばんは!

そう、多摩川138kmの源流を訪ねてきました。

このときはほんのわずかの水が滴っていましたが、それが流れ流れて大河となって東京湾に注ぎ込むんですよね。

私もいろいろと多摩川と戯れてきた人間ですから、一度源を訪れてみたかったんですよ。良かったです。

体はヘロヘロに疲れましたが(笑)
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