平成21年6月20日(土) 日が長くてさほど暑くもない今の時期に、一度ロングコースにチャレンジしてみようと思い立ち、近場で周回ルートがとれて、たっぷり一日コースとなる場所をいろいろ考えてみた。
そして選んだのは、有間ダム奥の落合から大ヨケの頭に登り、蕨山から有間山を縦走し、日向沢ノ峰から棒ノ嶺へ向かう尾根を辿り、槙ノ尾山から仙岳尾根を下って落合に戻るというルート。
以前、蕨山から有間山(タタラノ頭)と、槙ノ尾山から落合は歩いたことがあるのだが、それ以外は初めて。
コースタイムは休憩込み(休んでばかりです…)でおおよそ10時間位の予想。
朝7時頃から歩き始めれば午後5時頃には帰ってこられそうだし、何とかなるだろうという事で決行することに。
当日は川越の自宅を午前5時半に出発。1時間と少しで落合のやや下流、大ヨケノ滝近くに車を止め、大ヨケノ滝やや上流にある登山口から歩き始めます。
蕨山登山口
5分程登ったところにあるのが「有間小屋跡」。
有間小屋跡
今からもう30年以上も前、小学校高学年の頃に友達と何回か有間川にヤマメ釣りにきていました(もちろんダムの出来る以前です)。
釣りを終えて帰るときには、必ず有間小屋に立ち寄ってジュースを買って飲んだものでした。懐かしい想い出です。
さて有間小屋跡を過ぎ、まずは大ヨケの頭に直登します。
しばらくの登りで伐採地に着きます。
伐採地
伐採地上の道標
時間短縮のため、「蕨山 急登」と書かれているコースへ。
これがとんでもない急登。
登っていくうちにかなりの急斜面となりまして、立ち木に摑まりながら何とかよじ登り、最後は3連のトラロープを手繰って登山道へと這い上がることができました。
トラロープ
しばらく登山道を行くと、やがて林道を横切ります。
林道が横切る
林道からはほんの少しの登りで大ヨケの頭に到着。
大ヨケの頭
大ヨケの頭を過ぎると藤棚山に着きます。
藤棚山
藤棚山から蕨山へと向かいます。
蕨山山頂
ここは晴れていると眺めのいい場所ですが、今回は霧のため展望無し!
蕨山山頂から蕨山最高地点を過ぎ、逆川乗越まで下ります。
逆川乗越のあずまやで小休止
逆川乗越から橋小屋ノ頭まではキツイ登りが続きます。
橋小屋ノ頭からタタラノ頭を過ぎて有間峠までの山域を総称して有間山といいますが、一般的にはタタラノ頭を有間山といっているようです。
タタラノ頭までの道は歩きやすいですが、幾つものピークを越えていきますのでアップダウンはキツイ。
タタラノ頭を過ぎると背丈を超えるヤブの道。ただし歩く道幅は確保されていますので、ヤブ漕ぎまではいきません。
橋小屋ノ頭
有間峠
有間峠先の登山道入口
登山道入口からはまたキツイ登り。アップダウンもあります。
鉄塔を過ぎてしばらく行くと、都県境の尾根(長沢背稜)にでます。
ここから日向沢ノ峰までは広い歩きやすい道をほんのひと登り。
都県境の尾根に出る
山頂の道標
日向沢ノ峰到着が12時半。歩き始めてから5時間半かかりました。
ここで昼食をとって大休止。毎度のことながらカップラーメンとおにぎり。そしてインスタントコーヒー。
山頂到着時は誰もいなっかたのですが、そのうちにポツポツと登ってくる人がいます。
夫婦が一組であとは単独。やはりこの辺りは一人静かに山歩きを楽しむ人が多いようで。
いろいろ情報交換をするのですが、皆さん結構なロングコースを歩いていますね!
日原からヨコスズ尾根で三ツドッケに登り、川苔山を経由して鳩ノ巣に下りる方や、大丹波から登って棒ノ峰から大丹波に戻る方など、皆さん丸々一日を存分に楽しもうという方ばっかりでした。
ちなみにここでも霧のために展望はありませんでした。残念!
1時間ほど休憩した後、棒ノ嶺へと続く長い尾根を下ります。
日向沢ノ峰で尋ねた人によると、しばらくは急下降が続くがその後はダラダラと下るだけで、キツイアップダウンはあまり無いとのことでしたが、確かに下り始めはかなり急な下り坂で、足元は滑りやすく慎重に下っていきます。
長尾ノ丸に向かう急下降
途中、落合への分岐を過ぎると鉄塔にたどり着きます。
この頃、ようやく霧が晴れてきましてこの日初めての展望が得られました!
南には眼前に迫る川苔山。北西の方角には蕨山から仁田山、そして先ほど下ってきた日向沢ノ峰と、歩いてきた稜線が一望できます。
足元は開けた芝生になっており、ついつい長居をしてしまいました。
川苔山
蕨山から有間山、仁田山
鉄塔下で小休止した後、また尾根を下ります。
実際に下ってみると、結構アップダウンがあります。急な登りはあまりありませんが、下りの急な所は幾つもあります。どれも滑りやすくて大変!慎重に一歩一歩足を進めます。
山ナシ山、クロモ山と過ぎ、長尾ノ丸に着きます。
長尾ノ丸
地図では「長尾丸山」と標記されていますが、一般的には「長尾ノ丸(ナゴーノマル)」と呼ばれています。
長尾ノ丸を過ぎ、しばらく行くと槙ノ尾山に着きます。
ここからは落合へ下る仙岳尾根が分岐しています。
槙ノ尾山
急な山道を下っていくと、林道にぶつかります。その林道のすぐ上が見晴台となっていまして、本日最高の展望!
ちょうど有間谷を隔てて正面に大ヨケの頭。そこから藤棚山、蕨山、有間山、日向沢ノ峰と本日歩いてきた稜線が一望できます。
先ほどの鉄塔以上の眺望です。
もう午後4時過ぎでしたので早く下ったほうがよいのですが、ついついここでも長居を決め込んでしまいました…
有間ダムを見下ろす
歩いてきた稜線を一望
さて、しっかり休んだ後は落合目指して下るだけです。
一旦林道に出て、ふたたび山道に入ります。
ダラダラと下っていくのですが、そのうちに尾根上の踏跡がかなり不明瞭になってきました。
周りは植林帯で、尾根上をきっちりトレースしています。途中、道標には注意していましたが従って歩いてきたはずでした。
「道を間違えたか?」
とりあえず植林帯ということは人の出入りがあるはずです。確かに踏跡らしきものはあるので、そのまま尾根上を直進してみる。
しばらく歩くと川のせせらぎが聞こえてきます。有間谷のすぐ上まで来ています。
とりあえず行けるところまで行ってみる。
着いた所は、有間谷に突き出した尾根の突端。下は岩盤で淵に落ち込んでいます。
これはとてもじゃないが下りられない。
昔は渓流釣りでよく高巻きなんかもしましたが、岩盤なんか下りられるはずが無い!
少し登り返してやや上流部に出てみる。今度は堰堤脇のコンクリートの法面の上。
「う~ん。弱ったな~」
時間は午後5時を過ぎている。まだまだ暗くはならないが、とりあえずまだ使わないまでもヘッドランプは装着しておく。
タバコを一服し、冷静になる。
尾根上をしばらく登り返すと右側が植林帯となっている。川のすぐ上の植林帯では必ず仕事道があるはず。とりあえず少し下ってみる。
急斜面を立ち木に摑まりながら下っていくと、河原が見えてきた。
よ~く見ると、吊橋が架かっている。
「あ、これは大丈夫。下りられた!」
慎重に慎重に急斜面を下る。
無事、河原に辿り着き、小さな吊橋で有間川を渡って車道に出ることができました。
下りてきた所は、落合のやや下流。どうも一本下流側の支尾根を下ってきた様子。
途中、左に分岐していた道には気付かなかったし道標も無かったと思う。
2年前に息子と下ったときには何の問題も無く落合に下ってきたのに…
さすがに自分では気付かなくても疲れていたのか…
何はともあれ、無事ロングコースを踏破することができました。
車に戻ったのが午後5時半、休憩込みで10時間半の長丁場でした。
途中、昼食で1時間、小休止が計1時間位。写真も100枚撮ってますから実質8時間程の歩行時間か。
振り返ってみると、よく歩いたなと思いますね。
距離は長いし、大ヨケの頭から日向沢ノ峰までアップダウンがキツイ。幾つ上り下りしたかわかりません。
日向沢ノ峰から棒ノ嶺に向かう尾根はキツイ登りは少ないですが、急下降が数箇所。そしてとにかく長い。
でもまあ、とりあえずは充実した一日でした。
まるで回峰行か(笑)
そういえば先週行った天祖山も、まるで修行だった(笑)
一日歩き終わって、そんなに疲れた感じは無かったし足も痛くは無かったのですが、1時間ちょっと車を運転して自宅近くのコンビニにビールを買いに立ち寄ったところ、車から降りて歩いたところで足にずっしりと疲労感…
やっぱりかなり足にきてました(笑)
2~3日後は筋肉痛で歩けないかも(笑)
これで当分山歩きは無いかな。梅雨が明ければ暑くなるし…
子供を連れて近場の山に行くか、あるいは友達からでも特に誘われない限り、秋まで山歩きはお休みとなりそうです。
このときの他の写真はWEBアルバム蕨山~有間山~槇ノ尾山に89枚をアップしてありますのでご覧下さい。
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