「円満な遺産分割」とは一体どういうことでしょうか?
「円満な遺産分割」とは、相続開始後速やかに、揉め事もなく、遺産が相続人に分割され、名義変更や登記が必要な財産については速やかに手続が行えることをいいます。よく「私には遺産と呼べるものは何もないから、相続対策なんて関係ないよ」(実際には土地・建物と数百万円以上の現預金・生命保険があったりします)とか、「長男が全て相続する」ことに何の疑問も抱いていない方が多いです。
実際には、家1件に子供2人以上で現金僅かというケースでは、まず分割協議は長引きます。相続人の中の誰かが、現預金を着服してしまうケースもよくあります。相続人同士(大概は兄弟姉妹)が疑心暗鬼となります。また、面倒だからあるいは公平だからと、不動産をすべて法定相続分に応じて共有にしてしまうケースもよくあります。一見問題がないように思えますが、後々後悔することになります。なぜかというと流動性がなくなってしまうからです。誰かが反対すれば売ることもできません。貸すこともできません。また共有者の一人が債務を抱えていると差し押さえられてしまうこともあります。それに共有のまま何年も何十年も経ってしまうと、所有権が相続されたりして、最初は3人の共有だった土地が10人以上の共有となってしまうこともあります。そのうちの誰かが行方不明にでもなろうものなら、その土地はどうすればいいのでしょうか。所有権の移転登記をするにも大変な労力を必要とします。
このようなことにならないために、「円満な遺産分割のための相続対策」が必要なのです。
==============
行政書士 小杉総合企画事務所
代表・行政書士 小杉 幹
埼玉県狭山市青柳1549-8