新勝庵

元サラリーマン、映画・読書・芸術好き。
おんとし 92歳 です。

人間の条件

2011-08-31 15:56:00 | 映画

又8月が来て、今年も原爆の事、南方戦、沖縄戦、空襲 ・・・ etc NHKは

ほぼ毎日、戦争の悲惨さを繰り返し放送してきた。 平和の尊さ!!

少し食傷気味だが、それもやっと終わった。

嫌なら見なければいいものを・・これが矢張りつい見てしまう。 戦争生き残り

の人達が、次々に出てきて悲惨な体験談を語る。 共感するものもあれば、・・

反発を覚えるものもある。

私の歳は区切りがいい? 大正14年生まれだから昭和の年次と一緒。

昭和19年(19才)の時の時、徴兵検査(本来は20才)一年繰り上げで19才

で検査を受け、甲種合格。 福岡(福岡城内)連隊に入営。 約一カ月後朝鮮

京城龍山222部隊(歩兵)連隊に「今のソウル特別市龍山区」に転属。

当時の龍山市は軍都龍山と言われ、朝鮮軍司令部から旅団司令部、ふたつ

の歩兵連隊・砲兵・戦車・騎兵・・・等等 軍一色の街だった。

ここで、「一期の検閲」までの辛い初年兵時代から、不条理な内務班のいじめ

も経験した。

久し振りにNHKで再映された「人間の条件」は、辛い初年兵時代の内務班

の事「無理難題の過酷な日々」をまざまざと思い出させる映画だった。

「五味川純平」のこの本は(文庫本で6巻)わたしの大好きな小説のひとつであ

るが

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(一冊失くした)映画化不可能?と言われた広大なスケールの長編物語を、

小林正樹監督は実に原作に忠実に、リアルに描写している。

ベネチィア国際映画祭、銀賞。 確か製作に四年位かかり、全上映時間は

九時間に及ぶ超大作。

今回NHKはそれを、五回に分けて放映した。 1960年時代のまさにオール

スターキャストで、懐かしい名優達の数々に感激!

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全編を通して、仲代達矢の演じる「梶」と云う、強健な体力と強固な意志を持つ

インテリ青年の物語。

軍隊経験を持つ小林正樹監督だから、ここまでリアルに(嘘が無い)作れた

のだろう??

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・・・ でも、全編を貫く、梶の一貫しての “ヒューマニズム” はあの時代として

は通用しない。 と云うか?特に関東軍の支配下にある満州や、特に軍隊内部

では通用しない。

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徹底的な非難と報復をあびることはひつじょう ・・・ ヒユ-マニズム !軍隊

にそんなもんなんてアリャーしない!一銭五厘の価値「葉書一枚で召集出来る」

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終戦前私も龍山憲兵分隊に所属していたから、憲兵の事も良く知っている。

昭和20年20才で終戦、僅か一年の軍隊だたが・・・最初は辛い苦しい、そして

だんだんならされて・・何故かどうせなら戦場、軍隊用語で「野戦」に行きたくな

る・・この奇妙な心理!

あと一年!いやあと半年!終戦が遅れていたら、私は確実に死んでいる。

いや日本国民の四分の一?は死んでいるかもしれない。

宮崎の海岸と関東の九十九里浜へ米軍一斉上陸 ・・・ 私は、二発の原爆

のおかげで、際どいところで生き残った。

これは人間の条件の梶の最後をみるいといい・・・私は、

今でも「ヒューマニズム」とか「人類平和共存」とか・・永久に追い求めるもので、

到達する事の無いユートピアだと思っている。

 その様に形作るられているのが人間だと思っている。

ーー 地球上に平和なんてありゃしないーー あるわけない!

世界中の政治家リダーで、に、人類共存なんて思っている夢追い人なんて

居やしない!86年間生きて来た実感!


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