新勝庵

元サラリーマン、映画・読書・芸術好き。
おんとし 92歳 です。

真田丸

2016-03-07 14:05:41 | テレビ番組

NHK の大河ドラマ「真田丸」は 三谷幸喜の脚色だから 私は

 節々多少の不満はあるが、 今のところ成り行きが面白い!

 

真田の父親役を演じる「草刈正雄」はさすがだ 実にうまい、

それと、 旧 武田家の家臣(地侍)達が右往左往する様 と

その場所(土地)が 私の大好きな 島崎藤村の 詩 の場所

だから 久々に あの懐かしい 大好きな詩を思い出す!

     

     島崎藤村 の  「千曲川旅情の歌」

 小諸なる古城のほとり     雲白く遊子悲しむ

 緑なすはこべは萌えず    若草も敷くによしなし

 しろがねのふすまの岡辺   日に溶けて淡雪流る

 あたたかき光はあれど     野に満つる香りも知らず

 浅くのみ春は霞て        麦の色わずかに青し

 旅人の群れはいくつか     畠中の道を急ぎぬ

 暮れゆけば浅間も見えず   歌哀し佐久の草笛

 千曲川いざよう波の       岸近き宿にのぼりつ

  濁り酒濁れる飲みて      草枕しばし慰む

 昨日またかくてありけり     今日もまたかくてありなむ

 この命なにおかあくせく     明日をのみ思いわずらう

 いくたびか栄枯の夢の     消え残る谷に下りて

 河波のいざよう見れば      砂まじり水巻き帰る

  嗚呼古城なにおか語り     岸の波なにおか答ふ

 過ぎし世を静かに思え      百歳もきのうのごとし

 千曲川柳霞て           春浅く水流れたり

 ただ一人岩をめぐりて      この岸にうれいを繋ぐ

 

弘田龍太郎:小諸なる古城のほとり(島崎藤村)