新勝庵

元サラリーマン、映画・読書・芸術好き。
おんとし 92歳 です。

嘘 Ⅱ

2012-06-23 21:57:44 | 映画

遥か若かった昔、尊敬と憧れで輝いたロシア文学作品群。

中でも ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」は、読ん

様な、途中で投げ出した様な定かではない?筋を覚え

いないから完読していなかっただろう ・・・

1969年ソ連版、イワンブイりェフ監督の映画「Ⅰ部・Ⅱ部

Ⅲ部」をDVDに撮って、繰り返し2度見た。

素晴らしいの一言に尽きる! 誠に奥深い、死生観・宗教

問題から愛と憎しみ、階級問題 ・・・ etc ・・ その内容の

複雑さ、多様さ奥の深さは今更言う事でもないが ・・・

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話は、ロシア正教会のミサ後の 長老神父を交えての 別室

での トーク 場面から始まる ・・・・

カラマーゾフ家の父親と三人の息子の物語だが ・・ この

四人の異常とも思える個性思考の違い、 老神父の前で父

長男の親子喧嘩となり、 深く神父を悲しませるが・・・

神父親子喧嘩よりむしろ次男の思想に将来の危惧を感

じる 

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カラマーゾフ家の当主地主、父 〝 フヨードルカラマーゾフ ”

強欲で異常なほどの好色家で、 独善的 ・・・ 誰かに

殺害され金をとられる ・・・・・

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退役将校の長男 〝 ミーチャ ”  直情型で放埓な生活

美女 〝 グルシェーニカ ”  を父と取り合う ・・ 善人だ

最後は父親殺しの犯人としてシベリア送りとなる ・・・

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次男 〝 イワン ” 冷徹で、知性的な無神論者、 彼の

思考言動がこの物語の全貌を覗かせるようにおもえる。

彼の苦悩が人間の苦悩の様にも思える? ・・・ 

父の死を巡り 自己懐疑に陥り 錯乱状態になる ・・・・・

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三男 〝 アリヨーシカ ” 敬虔な修道者であるが ・・・・

親 兄弟の言行の狭間で苦悩する ・・・ 遂には 神の

存在を疑い 還俗する

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〝 カチェリーナ ” ミーチャの上官の娘。 高慢で

自尊心が強い

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父と長男が取り合う妖艶な美人 〝 グルシェーニカ ”

親子を憎しみと疑心暗鬼に捲き込む 中心人物 ・・・・

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だが、最後は長男ミーチャを愛していたことに気付き、

彼を追ってシベリアに向け旅立って行く ・・・・・

本当の犯人は 使用人の自殺で分からないまま ・・

この映画を見て、何故か私は、あの芥川の「藪の中」

=映画「羅生門」を思い出した! この世は嘘の固まり

・・ どの嘘が本当の嘘か? 人は嘘をつくもの、 嘘

をつくから人間。 嘘こそ人間の本質か、だから人間

はかわいい ・・・ かな? この映画でこんなことを思

うのは私だけだろう! ・・・