利休の詫茶の心と、その死の謎?・・を物語る、二つの代用作がある。
一つは野上弥生子(ヤヨコ)の「秀吉と利休」。もう一つは井上靖の「本覚坊遺文」
利休没後四百年記念に、図らずも二本の映画が、ほぼ時を同じくして作られた。
たしか、昭和63 ~ 64年頃だった。
※ 井上靖の「本覚坊遺文」は
映画題名 「本覚坊遺文」
監 督 熊井 啓
本覚坊 奥田瑛二
利 休 三船敏郎
秀 吉 芦田伸介
※ 野上弥生子の「秀吉と利休」は
映画題名 「利 休」
監 督 勅使河原 宏
利 休 三国連太郎
秀 吉 山崎 努
二本とも見たが、「利休」は63才の時、尊敬する義兄が亡くなり、45日の法要
に上京した折、有楽町の映画館で見たので、特に印象深い!それを23年ぶり
にBSプレミアムで見る事が出来た。
監督の勅使河原 宏は、華道「草月流」の三代目家元だけあって、映画も凝って、
全体が華麗で、「ハッ!とするような美しい画面」がふんだんにある。
まさしく、これが俺の映画芸術だ!と様式美を主張している?!
“モントリオール映画祭 最優秀賞受賞”
三国連太郎の利休・・・実に重厚でうまい
山崎 努の秀吉・・・歴戦を登りつめた、天下人の自信とその裏に潜む百姓での
コンプレックス・・・名演技
利休の妻リキ 三田佳子
ねね・・北の政所、岸田今日子
茶々「淀」山口小夜子・・この人は知らないが、仕草が面白い・・・女は皆
公家風な顔作りであるのも面白い・・・
秀吉と秀長・・・ナモ ナモ・・と名古屋弁で話す兄弟・・・
安土桃山時代の文化、信長の安土城・秀吉の大阪城・・・の奇抜華麗さを思えば
当時の着物「コスチューム」もかくありなん!と想わせる。
利休切腹の原因は謎の部分が多いが・・ほぼこの小説に書かれている通りだ
ろう・・・。