新勝庵

元サラリーマン、映画・読書・芸術好き。
おんとし 92歳 です。

四方拝

2009-12-30 15:27:53 | うんちく・小ネタ

子供の頃(昭和10年代)のお正月は、冬休み中だが皆登校して「四方拝」

(1月1日の事)の儀式があった。 その模様をネットで探したら、面白い式の絵

が見つかった

私の小学校は中都市の可なり大きな小学校だったから、生徒数も千名位

て規模もずーっと大きかったが、雰囲気と云うか行事形式は全国皆同じ

だった。

校庭で走り回っていた餓鬼たち(いや小国民達)は低学年から静かに歩調

揃えて 粛々と講堂に入っていく。右側には正装した先生達。左側には町

名士有力(偉い人)達や勲章を付けた老将兵などの来賓(子供の目には皆じじい

ばっかり・・・)

Photo

式が始まると、壇上正面奥の天皇皇后両陛下の「ご真影(写真のこと)」のカー

テンをモーニングを着て白手袋をはめた校長がひもを引いてスルスルと開く。

次に桐の箱を取り出し、蓋を開けて中から絹の布に包まれた「教育勅語」を

取り出し捧げ持って広げる。

ここで教頭の「一同低頭」の号令がかかると全員一斉にこうべをたれる。

「朕おもうに我が高祖高宗国をはじむること宏遠に徳をたつること深厚なり・・

・・・云々・・・結構長い!延々と読み終わるまで咳一つしてはならない!

こんな時に限って洟がたれたり、喉がヤラヤラしたりして我慢するのに困る。

校長が読み終わって「一同直れ」の号令で(内心やれやれ)。でも派手に咳

できないので皆小さく、くしゅんくしゅん・ケンケン・・・

それから女の先生のオルガンで四方拝の歌を歌う

♪ “ としの初めのためしとて 終わりなき世のめでたさを

  松竹(まつたけ)立てて門毎(かどごと)に祝う今日こそめでたけれ 

まじめに歌っていても、松竹立てて・・・のところにくると、ふざけた変えうた

  マツタケ ケックリカエシテ 大騒ぎ イモを喰うこそ 嬉しけり・・・を

思い出してしまう。

式は40分くらいか!饅頭を貰って帰ったような気ガっする、時々・6年生の悪

ガキ達に饅頭を取られて泣いて帰ったた時もあった。 

校長が天皇の写真を頭より高く捧げ持って来る。我々は正視できない・・

と言うより見てはならない! 現人神(アラヒトガミ)・・・やはり今思えば

異常な精神主義の時代だたなー!!!