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欧州リーグの事情10

2016-06-17 00:01:46 | サッカー(J3以下・外国・他カテゴリ)
 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 フットボールチャンネルに「岡崎慎司がもたらした知られざる経済効果。中学時代を過ごした街クラブに1300万円を生む『連帯貢献金』とは」というコラムが載っていました。名前は以前に聞いた事があるような無いような、そんな感じですが、面白い情報でした。以下、抜粋して紹介。
    
【「連帯貢献金」とは何か?】
 FIFAの規約には、次のように記載。(上左図はクリックしたら拡大)
「プロ選手が契約年数が残っている期間に移籍する場合、所属元クラブに支払われる移籍金(※育成補償金を除く)の5%を『連帯貢献金』として選手の育成に関わったクラブに分配しなければならない。連帯貢献金は、12歳から23歳の誕生日を迎えるシーズンまで登録されていた年数によって決まる」
(※)育成補償金=23歳以下の選手が移籍する場合、プロ契約前のクラブに支払われる育成金。トレーニングコンペンセーションともいう。
 連帯貢献金を得る権利があるのは、選手が12歳から23歳まで所属していたクラブで、在籍していた年齢や期間によって割合が設定。岡崎選手の場合、「宝塚FC」「滝川第二高校」「エスパルス」の3チーム。例えば、12歳~15歳までに所属したチームは、移籍金の0.25%×在籍年数分の連帯貢献金が発生し、16歳以上であれば比率が0.5%に上がり、宝塚ジュニアFCの場合、移籍金13億2000万円×0.25%×4年=1320万円。

 なお、移籍先のクラブは30日以内に育成クラブに連帯貢献金を支払わなければならず、18ヶ月が経過しても支払いが確認されない場合は選手が所属する協会に支払い、育成部門の発展に使用しなければならないとか。つまり、岡崎選手の場合は2017年12月までに育成に関わった3チームに連帯貢献金が支払われなかった場合、日本サッカー協会が代わりに受領。これらを知れば、岡崎選手がレスターに移籍したことでこの3チームがどれほどの恩恵を受けられるのかがよく反映。

【岡崎が中学時代を過ごした宝塚ジュニアFC、第一の目的は「選手が楽しむこと」】
「岡崎選手とは15年前で関係が切れたわけではなく、我々が彼の試合を観に行くのは当然として、機会があるたびに、彼はお忍びでクラブに顔を出してくれる。ブラジルW杯の後も彼とは会って話をしている」と、宝塚ジュニアFC代表が現在も岡崎と親交があるとコメント。南アフリカW杯も現地を訪れ、レスター移籍後も渡英して応援しているとか。
 連帯貢献金を得る権利があることについては、「今後、我々がそのような海外移籍で移籍金を生み出すことができる選手の育成をクラブの主眼におくつもりは無く、今まで通り、当クラブを選んでくれた選手がサッカーを楽しめるようになって欲しいと希望」と、臨時収入を得ることを第一の目的として活動しているわけではないことを強調。もし岡崎選手が契約満了によるフリートランスファーでレスターに移籍した場合、連帯貢献金は3チームへの連帯貢献金は発生せず。
 選手が移籍する際に移籍金を残すことは、直前に所属していたクラブだけではなく、自身が過去に所属していたクラブにも提供。なお、滝川第二高校は今回の件について回答を控えるという返答。

【日本サッカーの発展に不可欠な経済効果】
 海外の選手で連帯貢献金が活用された他の事例として、スペイン代表のペドロ・ロドリゲスがバルセロナからチェルシーに移籍した際、17歳まで所属していたテネリフェ島のラキ・サン・イシドロ(5部相当)に連帯貢献金が発生。報道では約33億6,000万円とされ、計算式にあてはめるとラキ・サン・イシドロは1.5%の約5,040万円を獲得。ラキ・サン・イシドロの年間予算の4年分の金額に相当。
 連帯貢献金制度はJリーグ間の移籍には当てはまらないため頻繁に発生しないが、国内の指導者の間で広く認知されているとは言い難い状況。ほとんどの指導者は利益のために選手を育成しているのではないが、多くの指導者、そしてサポーターや関係者がこの制度の存在を理解しているかどうかは非常に重要なこと。サッカー界において、経済的な側面は度外視することはできず、連帯貢献金によって日本サッカーに経済効果をもたらすことは、育成年代の発展に繋がっていくことでもあると締めくくっています。

 面白い情報でした。他の本田選手や香川選手では連帯貢献金は発生しないのかという素朴な疑問にぶち当たりますが、契約期間途中で移籍した場合なので、該当しないのかな。上にあるように、契約期間満了での移籍の場合は連帯移籍金は発生しないので、たなぼたみたいな資金なんでしょうね。このFIFAの制度は、単純に下部カテゴリのアカデミークラブにも夢を与えるいい制度だと思います。連帯貢献金が出身クラブに支払われるために、その選手が顔を出しやすくなる効果もあると思います。昨年まで、いや今年も「不正な金銭の流れ」でニュースを賑わしたFIFAですが、別の面ではこういう素晴らしい制度をあるのですね。ぜひ、こういう部分をもっともっと伸ばして欲しいと思います。
フットボールチャンネル該当記事:http://www.footballchannel.jp/2016/06/16/post158332/2/
コメント
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