自燈明

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五十五番 大納言公任

2014年06月18日 | 百人一首
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ

滝の水音は聞こえなくなってから長い年月が経ってしまったけれども、その名声だけは流れ伝わって、今でもやはり聞こえてくることだ

滝の音は 滝の流れ落ちる水音は。
絶えて 聞こえなくなって。
久しくなりぬれど 「ぬれ」は完了の助動詞「ぬ」の已然形。滝が枯れてしまってから長い時間が経っていることを表している。
名こそ流れて 「名」は名声・評判の意。「こそ」は、強意の係助詞。「流れ」は、滝の縁語。名声は今日まで流れ伝わって、の意。
この句から、後世この滝を「名古曾の滝」と呼ぶようになる。
なほ聞こえけれ 副詞「なほ」は、それでもやはり。「(滝の)音」の縁で「聞こえ」とした。「けれ」は「けり」の已然形で、係助詞「こそ」の結び。

ふじわらのきんとう (966~1041)
漢詩文・和歌・管弦の三才を兼ねたという。『和漢朗詠集』などの編者。
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