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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

殺人百科

2023-06-22 19:26:08 | 読んだ本

コリン・ウイルソン/大庭忠男訳 昭和38年 彌生書房
前回の『退屈読本』といっしょのところで、ことし2月に見つけて買った古本。
前に『世界不思議百科 総集編』なんかを読んだことあるコリン・ウィルソンの著書。
べつのときに『現代殺人百科』ってのも見つけてたんだけど、なんか分量多そうで面白く読めるか自信もてないんで見送ってたんだが、これは小さくて薄いんで、しかも安かったし、買ってみた。
原題「ENCYCLOPAEDIA OF MURDER」はコリン・ウィルソンとパトリッシア・ピットマンの共著で1961年にロンドンで出版されたという。
訳者あとがきによれば、原書はかなり厚いもので三百以上の事件が収録されているんだが、本書はそのなかからいくつかピックアップして編集したものだという、そりゃ薄いわけだ。
原著はまさしく百科事典の形になっていて犯人の名のアルファベット順に並んでいるそうだが、本書は似たようなテーマべつに目次はできている。
なんだってそんな百科事典をつくろうとおもったんだか著者はヘンなひとなんぢゃないかと想像するんだが、「殺人の研究」と題する序文に、「私自身の殺人の研究の基礎である実存主義」どうたらこうたらと、延々と研究する意義みたいなこと書いてあるんだが、なにを言ってるのか私にはよくわかんない。
で、なかみのほうは殺人者が次から次へとこれでもかと出てくるんだけど、続けて読んでくとどれがおもしろいとかこれは興味深いとかって感想がもちにくくなってしまった、なんか印象に残らないんだよね、またかって感じで。
それでも気になるのは、やっぱ大量殺人やらかす連中で、なんか何人か殺すと次をやるのに、迷いっつーか躊躇っつーか恐れっつーか、そういうの全然なさそうなんだよね、悪いこととも思ってなさそうで、そのへんの感覚というか思考回路が謎。
コンテンツは以下のとおり。
霧の夜の戦慄 ジャック・ザ・リパー(英)
少女を煮て食う変態男 アルバート・フィッシュ(米)
「十戒」が殺人のすすめ ハインリッヒ・ポメレンケ(独)
不能男の連続殺人 ジョン・レジナルド・ハリデイ・クリスティ(英)
十代の「セックス・クラブ」 クリフォード・フォートナー(米)
満月の夜はアベックを殺せ ジキル・ハイドの犯行?(米)
デュッセドルフの「怪物」 ペーター・キュルテン(独)
棺のコレクションを楽しむ女 ベラ・レンツイ(ユーゴ)
夫を毒殺した「ボバリー夫人」 マリー・ラファルジュ(仏)
ロンドン塔の悲劇 フランシス・ハワード(英)
不手ぎわな毒殺者 メリー・ブランディ)
美しき毒殺魔 マーサ・マレク(オーストリア)
老人ホームの危険な看護婦 ギリガン(米)
二十世紀の吸血鬼 ジョン・ジョージ・ヘイ(英)
夫と共謀で愛人を惨殺 マリア・マニング(英)
夫交換ゲームの当然な結末 ロレーン・クラーク(米)
老将軍は妻を殺したか? ルアード事件(英)
おしどり夫婦の「商売」 レイモンド・フェルナンデス マーサ・ベック(米)
のぞき男が一家皆殺し ガストン・ドミニチ(仏)
男性遍歴の果てに恋人を射殺 ポーリン・デュビッソン(仏)
消された殺し屋 リチャード・ヘミング(英)
アベックをねらう二人組 ウェルナー・ボースト(独)
アナーキストを片づけろ! サッコとバンゼッティ(米)
若妻の乗った飛行機を爆破 ジョセフ・ゲイ(加)
リンドバーグ愛児誘拐事件 ブルーノ・リチャード・ハウプトマン(米)
十二才の少女を誘拐惨殺 ウイリアム・ハーバート・ヒックマン(米)
秀才青年の「完全犯罪」実験 ネイサン・レオポルド リチャード・ローブ(米)
ニューオリーンズの斧男 正体不明(米)
夫を募集して斧でバッサリ ベラ・ガネス(米)
浴槽の花嫁 ジョージ・ジョセフ・スミス(英)
西部を荒らす強盗団の女首領 ベル・スター(米)
トロツキーの暗殺者 ジャック・モルナール(メキシコ)
浴槽を血に染めた女刺客 シャルロット・コルデー(仏)
国家の元首を暗殺した男たち ジョン・ウィルクス・ブース(米)ほか
日本憲兵の残虐行為 スミダ・ハルゾウ中佐(日)
六百万人を虐殺した男 カール・アドルフ・アイヒマン(独)
「殺人工場」の忠実な支配人 ルドルフ・ヘス(独)

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