「サムサッカー」のマイク・ミルズ監督、2010年の作品。ゲイの父、ユダヤ人ハーフの母親を両親のもとに生まれ、人とふれあいをうまく持てずに育ったオリヴァー38歳の、父親を看取った喪失感と新たな旅立ちを描く。
情感ゆたかな美しい作品でした。
あとで「サムサッカー」の監督の作品だと知ってなるほどと納得。
主人公のオリヴァーを演じるのはユアン・マクレガー。
「トレインスポッティング」以来、
良質の . . . 本文を読む
長年クリント・イーストウッド作品で演出や助監督を務めてきたロバート・ロレンツの長編監督デビュー作、2012年の作品。年老いた野球スカウトマンとその娘の葛藤と再出発を描くヒューマンドラマ。
フライト中に見た関係で吹替版だったのですが、
その声の調子も含めて、イーストウッドのおじいちゃんぷりを実感できた一本でした。
「グラントリノ」以降は、もう俳優は引退したということでしたが、
4年ぶりの銀幕カム . . . 本文を読む
「英国王のスピーチ」のトム・フーパー監督、2012年の作品。ヴィクトル・ユゴー原作、世界でロングラン公演されている同名ミュージカルを豪華キャストで映画化したもの。
メインキャストは、
ヒュー・ジャックマン(ジャン・バルジャン)、ラッセル・クロウ(ジャベール警部)、アン・ハサウェイ(ファンテーヌ)、アマンダ・セイフライド(コゼット)。
彼らが自身で歌っているとの事ですが、
その歌唱力にびっくりした . . . 本文を読む
「永遠のこどもたち」のフアン・アントニオ・バヨナ監督、2012年の作品。2004年12月末に発生したスマトラ島沖地震、タイに年末年始を過ごすためにやってきて津波に巻き込まれたスペイン人一家の体験した奇跡の実話を映画化したもの。主演はナオミ・ワッツとユアン・マクレガー。
東日本大震災の記憶がまだ新しいさなか、
ドキュメンタリーではなく、このような大掛かりのセットで津波を題材に撮った映画はまだ少ない . . . 本文を読む
「C'est pas moi, je le jure !」のフィリップ・ファラルドー監督、2011年の作品。舞台はカナダ、モントリオール小学校、自殺した女性教師の替わりにやってきたアルジェリア出身のラザール先生と子供達の心の交流を描く。
先日観た「スターバック」と同じくケベック映画作品。
登場人物はフランス語を喋っているのに、
そこはフランスではないというところに僕は新鮮さを感じてしまう。。。
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「別離(Une Séparation)」を撮ったイランのアスガル・ファルハーディー監督、2004年の作品。殺人を犯し死刑を宣告された友人のために、その姉とともに犠牲者の父親に求刑を取り下げるよう嘆願しに行く少年アラのお話。
奥さんが観たいというので前情報なく観に行った作品。
タイトルが「ベルヴィルの子供たち」という意味なので
彼女はどうやらシルヴァン・ショメの「Les Triplettes d . . . 本文を読む
「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督、2009年の作品。工場につとめるシングルマザーのカティが、新たしく恋をして、生まれてきたのは羽の生えた赤ん坊だった。
オゾン監督はあまり量産しない監督なのだなーと思っていたら、
僕が知らなかっただけで、定期的に作品を生み出していたのですね。
日本では2010年にミニシアター系の映画館で公開されていた模様。
しかし、
フランス映画はたくさん作られているけ . . . 本文を読む
「SWEET SIXTEEN」の名匠ケン・ローチ監督、2012年の作品。グラスゴーを舞台に、軽犯罪を繰り返し、改心しようものの、過去のツケからなかなか悪環境を抜け出せない青年ロビーの新たな旅立ちまで姿を描く。
英語原題の「The Angels' Share」とは、ウィスキーを樽で熟成させると、
自然とおよそ2パーセントほどが蒸発して減ってしまうそうで、
ウィスキー工場の人々はそれをこのように”天 . . . 本文を読む
「家政婦ラケルの反乱(La Nana)」のセバスティアン・シルバ& ペドロ・ペイラー共同監督、2010年の作品。チリ、サンチアゴのアパートに2匹の年老いた猫と暮らす老カップル、イサドラとエンリケ。エレベーターが故障したある日、イサドラの問題多き娘ロザリオが彼らの家を訪問する、、、。
なかなか興味深い映画でした。
コメディのつもりで観に行ったのですが、
どちらかいうとヒューマンドラマ系ですかね。 . . . 本文を読む
「アメリカン・ヒストリーX」のトニー・ケイ監督、2011年の作品。心に傷を抱える臨時教師の姿をおいながら、現代社会おける人と人との関係性の有り様を映し出す。
これは重い作品でした。
教育の現場では、子供達は荒れ、
親達も文句がある時だけ勝手に学校に怒鳴り込んでくるけれど、
教育の現場に関してまったく意識を向けようとしない。
教師達も不毛な毎日にどんどんと心がすり減っていく――。
主演のエ . . . 本文を読む
「リトル・ダンサー」「愛を読むひと」のスティーヴン・ダルドリー監督、2011年の作品。9・11で父親を亡くしたアスペルガー症候群の少年の喪の作業を描いたジョナサン・サフラン・フォアの同名小説を映画化したもの。
いやー、めっちゃ泣きましたねー。
会話は半分くらいしか聞き取れなかったけれど、
さまざまな人と人とが、
印象的に出会い、別れ、否定し、認め合うシーンが続いたせいか、
わけもなく滂沱し続 . . . 本文を読む
「秘密」の滝田洋二郎監督、2008年の作品。元チェリスト小林大悟はオーケストラが解散になり、一念発起、故郷の山形に帰り新たな人生をスタートさせる。しかし、彼が新たに始めることになった仕事は、遺体を清め棺に納める“納棺師”だった。。。
ずいぶん私たちの業界でも話題にのぼり、
評価の高かった作品なのですが、
僕はちょっと、モッくんと広末涼子がメインキャストであったため、
気にはなっていたものの、 . . . 本文を読む
「Hunger」のスティーヴ・マックイーン監督、2011年の作品。性依存症を抱える30代の男性を主人公にした、人間の深層を深くえぐる問題作。
監督の名前がスティーヴ・マックイーンというので、
あの著名な俳優のマックイーンが映画を?? なんて勘違いしてしまったけれど、
そんなことはないですよねー、
俳優のスティーヴ・マックイーンはずいぶん前にお亡くなりになっております。
この監督はまた別のマックイ . . . 本文を読む
「マンディ・レイン」のジョナサン・レヴィン監督、2011年の作品。ガンを宣告された27歳の無害な青年アダムの悲しくもおかしな闘病生活を描く。
主役のアダムを演じるのはジョゼフ・ゴードン=レヴィット。
「500日のサマー」のトムの時のように、
まさに彼にはまり役のキャラクターだったと思う。
そして親友カイルにはセス・ローゲン。
彼もまた、この映画の魅力に一役買っている。
恋愛コメディをラブコメと . . . 本文を読む
イタリア、「イル・ディーヴォ」のパオロ・ソレンティーノ監督、2011年の作品。隠棲して久しいロックスターに扮したショーン・ペンがアメリカを旅するロードムービー。
一般的にショーン・ペンといえば「アイ・アム・サム」のサムが
彼の一番印象に残る役といえるのかもしれないけれど、
2008年のハーヴィー・ミルクと、
今回のシェイエンという役は、
僕にかなり強烈なインパクトを与えた。
元ロックスター・シ . . . 本文を読む