絵話塾だより

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2020年4月3日(金)文章たっぷりコース11回目の授業内容・高科正信先生

2020-04-06 19:22:17 | 文章たっぷりコース
今日はお休みの方が多かったので、教科書の内容には触れませんでした。
「つかみ」のお話は、なんといっても「ウイルス」についてです。
そもそもウイルスは「生命体」なのでしょうか?
生命体の定義には諸説ありますが、高科先生は3つの定義について教えてくださいました。
それは
 ①膜を持っていて、外界と区別されている
 ②エネルギー代謝を行っている
 ③自己複製を行う
ということでした。
これによれば、ウイルスは①③には当てはまりますが、②の代謝は行っておらず、
何か別の生物に寄生しないと③の自己複製を行うこともできません。
この意味ではウイルスは完全な生命体とはいえないことになります。
このような生命体ともいえないものに悩まされているのは、人類としては悔しいことです。
どうやら緊急事態宣言が出されるようですが、一日でも早く事態が終息して
「あの時は大変だったね」と話せる時が来ることを祈って止みません。



今日はまず向田邦子さんの著作『眠る杯』について学びました。
前回出た課題は「コラムを書く」というものでしたが、
そのお手本となる例として、本作から「眠る杯」と「あ」という作品を見ていきました。
どちらも短い文章の中に、書きだしといくつかのエピソードの積み重ねた展開、
最後は納得・感心できるオチがあり、
何気ないエピソードをテーマに結びつけた作品に仕上げる参考になりました。



続いて、池上彰さんと竹内政明さん(読売新聞論説委員)の対談集『書く力〜私たちはこうして文章を磨いた』
の内容を見ていきました。
竹内さんは2001年から読売新聞のコラム「編集手帳」を17年間担当された方で
池上さんに促されて、実際に掲載された文章の裏話をしておられます。
竹内さんが意識されているという文章構成は、
まず、読者を惹きつける書き出し。
次に、読者に予想させない展開。
最後に、書き出しと結びつけたオチ。
これは向田さんと同じですが、私たちも参考にできる方法です。
しかしこれらをつないでいくには、文章にうまくブリッジをかける必要があります。



まず文章のテーマを見つけ、焦点を当てるポイントを決め、締めの部分を考える。
あとは部品を当てはめるようにして書いていくが
部品は自然に目の前に現れるものではないので、自分から探しに行く。
いざというときにぴったりな部品が出せるよう、引き出しにしまっておくことも大切。
時にはツッコミを先回りしたりして、文章に「保険をかける」ことも忘れない、等々。
竹内さんは、このようにして毎日『編集手帳』を書いておられたそうです。

この後、朝日新聞の『天声人語』から竹内さんと同じテーマのものを取り上げ
2つの文章の違いを見るということもしました。
コラムは新聞の「顔」であり、短い文字数の中に、
とんでもない主張を入れることもできるため
コラムニストは常に読者を引き込むような書き方を心がけています。
時には気に入ったコラムを丸写ししてみるのも、勉強になるそうです。

今回の課題は「風」をテーマにした文章です。
風にはいろんな名前のものがあり、イメージもさまざまです。
風をテーマにしたものなら、内容も長さも自由。
創作でもエッセイでも詩でもコラムでもOKです。
目には見えなくても見える「風」を、うまく言葉に置き換えて
次々回5月1日の授業の時に提出してください。
前回の課題「コラムを書く」がまだの方は、そちらの提出もよろしくお願いします。

※ 今のところ次回12回目の授業は、4月17日(金)の予定ですが
実施するかどうかは今後の状況を見て決めたいと思います。
変更する時はお知らせしますので、皆さまどうか気を付けてお過ごしください。


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