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タイと近代国家の成立について

2017年08月28日 | 日記
タイと日本は列強による全面的な植民地化を免れたアジアで唯一(唯二ですが)の国です。

日本については近代的軍隊を持っていたからだといわれますが、タイについては「列強の緩衝地帯だったから」などと説明されます。

どうなんでしょう。

1932年には立憲君主国家になっていますし、その前も様々な改革が行われています。国民国家だったから、または近代国家だったから、でいいように私は思います。

「国民国家」というのは便利ですが、意味が様々に使われる言葉です。

高橋和夫さんは「中東で国といえるのはエジプト、イラン、トルコの3つしかない」と書いています。国民国家と言えるのはこの3つだ、とも言っています。

後の国々は(イスラエルは分かりませんが)、「国もどき」なんだというのです。その代表がサウジアラビアで、国民国家とは到底言えないと言っておられます。

日本だって江戸時代までは「国もどき」なんて書くと、色々言われるでしょうが、たとえば「私は日本人だ」と考えていた人は多かったでしょうか。

薩摩の人間は薩摩人と思っていたでしょうし、江戸の人間は「江戸っ子」とか「幕臣だ」と考えていたと思います。

日本の防衛が危ういと指摘した外国人に対し、ある豪商が「それは武士のなさることで、私たちには関係ありません」と言った。それを聞いた勝海舟が「国民国家にしなくてはいけない」と考えた。

というのは割と有名な話です。

タイはやはり国民意識の成立が早かったと考えるべきでしょう。緩衝地帯だったかもしれないが、近代国家が成立していたので、侵略しづらかったのではないでしょうか。

国家に見えても、国民国家ではない。その典型例である北朝鮮という国を私たちは毎日話題にしています。もっとも本当に「北朝鮮人民意識」が薄いかどうかは、彼らの本音を聞かないと分かりませんが。

中国や朝鮮において「国民意識強化教育」が強いのは、やはりまだ「国民意識が不十分」であることの「裏返し」だと思います。

正直に書くと、アジア史に強くないというか、ほとんど知らないのですが、各国の「国民意識の成立はいつか」ぐらいはこれから勉強して知りたいと思います。


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