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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

「調べない」というインフル防止策

2009-05-22 05:37:42 | Weblog
川崎にある女子高の生徒2人と目黒区の30代女性が、新型インフルに感染していると判明した。3人とも、最近、アメリカから帰国したばかりで、首都圏では、初めての感染例となる。

これは、アメリカにおいて、感染が急拡大していることを意味する。

潜伏期間や軽症者などを考慮すると、「水際」での取りこぼしが、少なく見ても数倍はいるはずで、ここ最近だけで、10人程度の感染帰国者がいてもおかしくない。

加えて、日本語の出来ない外国人ビジネスマンなど、よほど重症でない限り、申し出ない、あるいは、申し出られない人たちも多いので、相当数の感染者が日本に入っていると見る方が自然である。

つまり、関西だけでなく、首都圏などでも、すでに新型インフルエンザの感染拡大が起こっている可能性がある。

しかし、政府は、東京では、感染は広がっていないと、強調している。二次感染者は発見されていないのだから、「水際」で食い止めていると言いたいらしい。

これは一種の循環論法である。

感染は広がっていない。

つまり、首都圏で感染することなどあり得ない。

ゆえに、相談センターに電話しても、「海外渡航歴なし」「関西に行ったことなし」であれば「新型ではない」と言われる。

それで、近所の病院に行くと、「普通の病院に来た」患者だから「新型検査は不必要」。

よって、首都圏で感染した人はゼロ。

やっぱり感染は広がっていない。

「調べない」という、感染拡大防止策である。効果は絶大だ(笑)。

すでに首都圏でも蔓延していれば、渡航歴がなくても、関西に行ってなくても、身近にインフル患者がいなくても、感染の危険はどこにでもある。

従って、保健所が何と言おうが、簡易検査でA型陽性であれば、PCRに回すべきで、そうしなければ、東京での実態把握は不可能だ。

首都圏の発熱相談センターは、感染者の発見というより、発見を未然に防ぐ機関になっている。


麻生内閣と自民党の支持率は、民主党の鳩山党首誕生で、苦戦している。

この上、東京で新型インフルが流行して、「蔓延期」の対策を発動せざるを得なくなると、経済活動が大打撃を受け、麻生政権には致命的となるだろう。

仰々しい機内検疫を始めた頃、新型インフルは、麻生政権にとって対岸の火事だった。

ゴールデンウィーク中だけ、派手なパフォーマンスをして、それで騒ぎは終わりになるだろうと、漠然と考えていたのかもしれない。北朝鮮のミサイル騒動と同じように。

しかし、日本で本格的な流行が始まった今、新型インフルは、政権浮揚の足掛かりどころか、命取りになりかねない、厄介者になってしまった。

そこで、弱毒性を突然強調し始めたり、保健所を通して検査対象を絞り込んだり、医師が勝手に検査しないよう雰囲気作りしている。

人気のない政権というのは、目先の支持率アップばかりを追うので、国民にとって、あまりプラスにならない存在のようだ。


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