乃木坂46・32ndシングル表題曲「人は夢を二度見る」のMVは、3月22日(水)の午後7時にYouTube公開がスタートし、今夜7時に公開4日目(d)を終了しましたが、累計再生回数は、近年のシングル表題曲MVとしては突出して低い水準で推移しています。

今回の記事では、これほど厳しい数字となった理由を、現段階で分かっているデータを基に考えてみます。
MV公開初日の午前8時からWBC決勝が行われ、日本がアメリカを破って優勝するというビッグニュースとなりましたが、関連動画へのアクセス殺到によるシステムダウンを避けるため、YouTube側がトラフィックを抑制し、その中で、音楽MVの再生回数が軒並み伸び悩んだ可能性が高い。
次のグラフは、乃木坂46表題曲MVの日付ごとの日単位(D)積上再生回数を、前作31st「ここにはないもの」のMVが公開された2022年11月19日(土)前後の期間について示したものですが、新しい表題曲MVの公開日に、過去の表題曲MVのD積上が前日から軒並み上昇しているのが分かります。

こういった新作MV公開に伴う一斉加速は、以下のように、櫻坂46や日向坂46でも必ず見られる現象です。


まあ、YouTubeで新作MVを視聴すると、同じグループの過去作品など、関連動画がリストアップされたり、それらの一つに誘導されたりするので、当たり前のことですよね。
ところが、「人は夢を二度見る」のMVが公開された3月22日(水)、乃木坂46表題曲MVのD積上は、上昇するのではなく、一斉に減速するという異例の動きを見せている。

また、乃木坂だけでなく、櫻坂欅坂、日向坂、さらにはNiziUのMVでも、3月22日(水)に一斉ペースダウンが発生しています。




WBC優勝の一報が届いた3月22日(水)の昼前から、日本とアメリカのマスメディアが様々な報道や記事を流し始め、それらが公式、あるいは非公式にYouTubeに投稿され、アクセス数が増えていく。
とくに夕方以降は、夜のニュースで試合の模様や関連情報が詳しく伝えられ、さらに日本では当日再放送が地上波テレビで流され、YouTubeへの動画投稿はさらに活発化したでしょう。
そういった動画を、会社や学校を終えた人々が、夕方から深夜、場合によっては明け方まで視聴した筈で、3月22日は一日中、トラフィックが混雑していたと考えられ、YouTube側がアクセスを一定程度制限した可能性が高く、坂道やNiziUのMV再生回数が一斉減速したのはそれが原因だと思います。
そして、地上波テレビが決勝戦の当日再放送を流し始めた、まさに「宴もたけなわ」の頃合いに(笑)、乃木坂46「人は夢を二度見る」MVの公開がスタートしたわけです。
ほとんどのMVが再生回数のペースダウンを余儀なくされているとき、新作MVだけスクスクと数字を伸ばすのは無理というもので、「人は夢を二度見る」MVが公開初期の12時間、WBCの影響を受けたのはほぼ確実でしょう。
とすれば、その影響はどの程度だったかが重要な問題になります。
新規公開MVの初日には「前日」がないので、前日が存在し、かつペースが安定している他のMVの再生回数が、WBC決勝の開催日にどの程度減速したかを調べ、そこから推察していくことにします。
次の表は、乃木坂表題曲MVの日単位(D)積上再生回数が、3月22日(水)に、前日21日(火)から何パーセント、数字を落としたかを示したものです。

多くの表題曲MVが10%以上の減少を喫する中、29th「Actually…」5%、30th「好きというのはロックだぜ!」6%、そして前作31st「ここにはないもの」は2%と、最近の作品はD積上の下落率が小さい。
これは、新作である32nd「人は夢を二度見る」MVを視聴したあと、より最近に公開されたMVに誘導されるケースが多く、WBCの減速効果が薄まったのだと思います。
面白いのは、随分以前の作品ながら18th「逃げ水」MVの下落率が3%と小さいこと。
「人は夢を二度見る」を担当する32nd選抜は、久保史緒里と山下美月によるWセンターですが、最初の3期Wセンター曲である「逃げ水」のMVにとくに注目が集まり、視聴数を押し上げたのかもしれません。
櫻坂欅坂と日向坂の表題曲MVについて、3月22日(水)の下落率を計算すると、乃木坂の「人は夢を二度見る」MVから誘導されるケースがより少ないためか、最近のMVであっても10%を大きく越える作品が多く、全体として下落率が狭い範囲に収まっている印象を受けます。


ただ、誘導が少ないとは言っても、同じ坂道ですから、新規MV公開による下落率の緩和が起こっている可能性は否定できません。
そこで、NiziUの主要MVについても、同様な表を作ってみました。

乃木坂の「人は夢を二度見る」MVを観たあと、NiziUのMVに誘導されるケースはさすがに稀だと思うので、WBC効果をよりストレートに反映しているんじゃないかと。
だとすれば、下落率は21%から28%の間、25%前後と考えられます。
もちろん、NiziUのMV再生回数を引き上げるようなイベントが3月22日(水)に起こっていたら、WBC優勝による減速効果はもっと大きいと見積もった方がいいですが、櫻坂欅坂と日向坂のデータは15%から20%くらいの印象で、25%前後は矛盾しない数字じゃないでしょうか。
では、WBC優勝による減速効果を25%と仮定したとき、「人は夢を二度見る」MVの「本来の」初日再生回数が、いわゆる普通の水準になるかということですが、どうもそうはならないようです。

乃木坂の27thから31stまでのシングル表題曲MV5作について、公開初日(1d)の再生回数を平均すると82.6万回ですが、32ndの初日49.6万回はそこから40%低い水準です。
直近5作自身の初日平均からの変動幅は、負方向の最大が29th「Actually…」の10%、正方向の最大は30th「好きというのはロックだぜ!」の13%で、32nd「人は夢を二度見る」の負方向に40%というのは、目を疑いたくなるほど大きな乖離と言えます。
WBC優勝の影響を受けたと思われる、公開初日の前半12時間における積上再生回数は36.6万回ですが、「本来」の値の25%を失ったと仮定すると、25 / (100-25)に相当する12.2万回が消えたことになる。
ただ、この12.2万回を初日の49.6万回に加えても61.8万回で、直近5作平均より25%低く、大きく外れていることに変わりない。
さらに、WBC効果がなくなった筈の公開2日目(d)でも、直近5作平均との差は39%とほとんど縮まらず、3dにおいても35%と依然大きく、近年どころか、15th以降表題曲MV全体において、突出した低空飛行になっている。
つまり、WBC優勝による減速効果は間違いなくあったのだけど、それを計算に入れても説明できないくらい、「人は夢を二度見る」MV再生回数の伸び悩みは厳しいという話になります。
では、再生回数が伸びないWBC以外の原因は何かということですが、シングル表題曲MVの公開初期の再生回数は、熱心な既存ファンの人数に左右される面が大きく、32ndでファンの量離脱が起こった可能性が頭をよぎります。
累計再生回数の直近5作平均との乖離が相当に大きいので、そうであれば、32ndシングルにおいて、相当に大量のファンが乃木坂から離れたことになる。

WBC効果で初日前半に「本来」値の25%、12.2万回を失ったとして、上記グラフの「人は夢を二度見る」にそれを加えても96.1万回で、依然として厳しい水準であることに変わりありません。
再生回数のこういった大きな差が、ファンの離脱を反映しているのであれば、乃木坂のライブで空席が目立つようになったり、会場が突然小さくなったり、CD売上枚数が初動はなんとか持ち堪えても、2週目以降に激減して、累計が伸びなくなるといった現象が今後起こる可能性がある。
そういったことが起こるかどうか、注視していく必要がありますが、現時点では、それほど大きなファンの離脱は起こっていないのではないかと考えています。
その根拠は、「人は夢を二度見る」のストリーミングやダウンロードによる配信の順位成績が、直近5作に比べ、それほど大きく悪化していない印象があるからです。




まあ正直、良いとは言いづらい順位推移ではあるけど(笑)、直近5曲と比べて、YouTube再生回数のような劇的な差がある感じではない。
もしファンが大量に離れたのであれば、Apple Musicトップソングの200位圏内に一度も入ってこないとか、iTunes StoreトップソングでTOP20にも入らないとか、衝撃的なことが起こってもおかしくないけど、そういったことはなく、1期2期が去ったことで、やや重たい滑りだしかなといった印象に留まっています。
WBC優勝による減速効果だけでは説明できず、配信の順位成績からファンの大量離脱も考えづらいとすれば、「人は夢を二度見る」MVのYouTube再生回数が従来より圧倒的に下がっている原因は何なのか?
個人的に一つ疑っているのは、アイドルのMVにおいて、熱心なファンが数字を上げるために、一人で何回も再生するあり方を、YouTube側が近年問題視して、視聴数のカウントにおいて、それを抑え込むようなプログラムを採用しつつあるのではないかということ。
次のグラフは、NiziU主要MV再生回数の累計と積上の時間推移ですが、「Blue Moon」は公開15日目(d)以降、「Paradise」は10d以降、突然、積上ペースが急減速して、累計グラフ線の傾きが劇的に小さくなっていることが分かります。


ある日を境に、積上速度が急減速する現象は、「=LOVE」のMVでも確認していますが、視聴者の嗜好や行動パターンの自然な変化とは考えにくく、YouTube側が視聴数カウントのプログラムを変更して、表示される再生回数を、彼らが考える「適正」な水準に持っていこうとした可能性がある。
最近、YouTubeやビルボード・オリコンとアイドルの間に、こういった数字を巡るせめぎ合いが頻発している印象があって、上のグラフが示すMV再生回数の積上速度急落も、その一つではないかと考えています。
乃木坂のMVに対して、今まで採用していた視聴数カウントのプログラムを32nd表題曲から抑制的なものに変更したとすれば、過去のMV再生回数と比べ、数字が下がるのは無理からぬことですが、果たして、本当にそういったことが起こっているのか?、判断するにはしばらく時間が掛かりそうです。
✿✿✿✿✿ 週単位データ及び日単位のデータに関する坂道グループ別及びNiziUの最新ページ ✿✿✿✿✿
乃木坂の海 ~ 乃木坂46楽曲の動画・配信指標 [25Mar23]
櫻坂の風 ~ 櫻坂46&欅坂46楽曲の動画・配信指標 [25Mar23]
日向坂の空 ~ 日向坂46楽曲の動画・配信指標 [25Mar23]
坂道近年楽曲の動画・配信指標 [25Mar23]
NiziU楽曲の動画・配信指標 [25Mar23]
✿✿✿✿✿ YouTube公開シングル表題曲MVの週単位(w)再生回数に関する最新ページ (Direct Link) ✿✿✿✿✿
坂道楽曲Data ~ YouTube公開MVの週単位(w)再生回数 : 乃木坂46「ここにはないもの」@ 17w [18Mar23]
坂道楽曲Data ~ YouTube公開MVの週単位(w)再生回数 : 櫻坂46「桜月」@ 7w [16Mar23]
坂道楽曲Data ~ YouTube公開MVの週単位(w)再生回数 : 日向坂46「月と星が踊るMidnight」@ 26w [20Mar23]
✿✿✿✿✿ Billboard JAPAN Hot100 各項順位成績に関する坂道グループ別の最新ページ (Direct Link) ✿✿✿✿✿
坂道楽曲Data ~ Billboard JAPAN Hot100・03/22公開チャート @ 乃木坂46シングル表題曲 [22Mar23]
坂道楽曲Data ~ Billboard JAPAN Hot100・03/22公開チャート @ 櫻坂46&欅坂46表題リード曲 [22Mar23]
坂道楽曲Data ~ Billboard JAPAN Hot100・03/22公開チャート @ 日向坂46シングル表題曲 [22Mar23]
坂道楽曲Data ~ Billboard JAPAN Hot100・03/22公開チャート @ 坂道近年主要曲 [22Mar23]
NiziU楽曲Data ~ Billboard JAPAN Hot100・03/22公開チャート @ NiziU主要曲 [22Mar23]
◉ 坂道3グループのビルボードHot100「総合」100位圏内入り曲 @ 03/22公開(03/27付)チャート

◉ 坂道3グループのオリコン週間シングルランキング200位圏内入り作品 @ 03/20付チャート

✿✿✿✿✿ 今朝の配信ランキング ✿✿✿✿✿
2023/03/25(土)付
凡例
順位 曲名 / アーティスト名 : 収録元 [配信開始日] 配信後経過日数
# TOP10曲は「収録元」以降を省略
【Apple Music デイリーTOP100】
◉ 坂道曲 : 該当なし
◉ NiziU曲 : 1曲
037位 Paradise/NiziU : Paradise - Single [2023/03/03(金)] 23D
◉ TOP10
001位 Subtitle/Official髭男dism
002位 君のまま/百足 & 韻マン
003位 怪獣の花唄/Vaundy
004位 Ditto/NewJeans
005位 OMG/NewJeans
006位 KICK BACK/米津玄師
007位 アイラブユー/back number
008位 W / X / Y/Tani Yuuki
009位 ビリミリオン/優里
010位 新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)/Ado
【Apple Music トップソング (1~200位)】
◉ 坂道曲 : 1曲確認
118位 人は夢を二度見る/乃木坂46 : 人は夢を二度見る (Special Edition) [2023/03/22(水)] 4D
◉ NiziU曲 : 1曲確認
039位 Paradise/NiziU : Paradise - Single [2023/03/03(金)] 23D
【iTunes Store トップソング (1~200位)】
◉ 坂道曲 : 2曲確認
023位 人は夢を二度見る/乃木坂46 : 人は夢を二度見る (Special Edition) [2023/03/22(水)] 4D
076位 心にもないこと/乃木坂46 : 人は夢を二度見る (Special Edition) [2023/03/22(水)] 4D
◉ NiziU曲 : 1曲確認
010位 Paradise/NiziU : Paradise - Single [2023/03/03(金)] 23D
✿✿✿✿✿ 凡例 ✿✿✿✿✿
記事の構成、使われている記号や用語について、以下の記事で説明しています
⬅︎ 坂道の夜明け ~ 記事の読み方と用語の説明 [05Sep22]
アレチボルトのツイッター
https://twitter.com/sabakunonezumi

今回の記事では、これほど厳しい数字となった理由を、現段階で分かっているデータを基に考えてみます。
MV公開初日の午前8時からWBC決勝が行われ、日本がアメリカを破って優勝するというビッグニュースとなりましたが、関連動画へのアクセス殺到によるシステムダウンを避けるため、YouTube側がトラフィックを抑制し、その中で、音楽MVの再生回数が軒並み伸び悩んだ可能性が高い。
次のグラフは、乃木坂46表題曲MVの日付ごとの日単位(D)積上再生回数を、前作31st「ここにはないもの」のMVが公開された2022年11月19日(土)前後の期間について示したものですが、新しい表題曲MVの公開日に、過去の表題曲MVのD積上が前日から軒並み上昇しているのが分かります。

こういった新作MV公開に伴う一斉加速は、以下のように、櫻坂46や日向坂46でも必ず見られる現象です。


まあ、YouTubeで新作MVを視聴すると、同じグループの過去作品など、関連動画がリストアップされたり、それらの一つに誘導されたりするので、当たり前のことですよね。
ところが、「人は夢を二度見る」のMVが公開された3月22日(水)、乃木坂46表題曲MVのD積上は、上昇するのではなく、一斉に減速するという異例の動きを見せている。

また、乃木坂だけでなく、櫻坂欅坂、日向坂、さらにはNiziUのMVでも、3月22日(水)に一斉ペースダウンが発生しています。




WBC優勝の一報が届いた3月22日(水)の昼前から、日本とアメリカのマスメディアが様々な報道や記事を流し始め、それらが公式、あるいは非公式にYouTubeに投稿され、アクセス数が増えていく。
とくに夕方以降は、夜のニュースで試合の模様や関連情報が詳しく伝えられ、さらに日本では当日再放送が地上波テレビで流され、YouTubeへの動画投稿はさらに活発化したでしょう。
そういった動画を、会社や学校を終えた人々が、夕方から深夜、場合によっては明け方まで視聴した筈で、3月22日は一日中、トラフィックが混雑していたと考えられ、YouTube側がアクセスを一定程度制限した可能性が高く、坂道やNiziUのMV再生回数が一斉減速したのはそれが原因だと思います。
そして、地上波テレビが決勝戦の当日再放送を流し始めた、まさに「宴もたけなわ」の頃合いに(笑)、乃木坂46「人は夢を二度見る」MVの公開がスタートしたわけです。
ほとんどのMVが再生回数のペースダウンを余儀なくされているとき、新作MVだけスクスクと数字を伸ばすのは無理というもので、「人は夢を二度見る」MVが公開初期の12時間、WBCの影響を受けたのはほぼ確実でしょう。
とすれば、その影響はどの程度だったかが重要な問題になります。
新規公開MVの初日には「前日」がないので、前日が存在し、かつペースが安定している他のMVの再生回数が、WBC決勝の開催日にどの程度減速したかを調べ、そこから推察していくことにします。
次の表は、乃木坂表題曲MVの日単位(D)積上再生回数が、3月22日(水)に、前日21日(火)から何パーセント、数字を落としたかを示したものです。

多くの表題曲MVが10%以上の減少を喫する中、29th「Actually…」5%、30th「好きというのはロックだぜ!」6%、そして前作31st「ここにはないもの」は2%と、最近の作品はD積上の下落率が小さい。
これは、新作である32nd「人は夢を二度見る」MVを視聴したあと、より最近に公開されたMVに誘導されるケースが多く、WBCの減速効果が薄まったのだと思います。
面白いのは、随分以前の作品ながら18th「逃げ水」MVの下落率が3%と小さいこと。
「人は夢を二度見る」を担当する32nd選抜は、久保史緒里と山下美月によるWセンターですが、最初の3期Wセンター曲である「逃げ水」のMVにとくに注目が集まり、視聴数を押し上げたのかもしれません。
櫻坂欅坂と日向坂の表題曲MVについて、3月22日(水)の下落率を計算すると、乃木坂の「人は夢を二度見る」MVから誘導されるケースがより少ないためか、最近のMVであっても10%を大きく越える作品が多く、全体として下落率が狭い範囲に収まっている印象を受けます。


ただ、誘導が少ないとは言っても、同じ坂道ですから、新規MV公開による下落率の緩和が起こっている可能性は否定できません。
そこで、NiziUの主要MVについても、同様な表を作ってみました。

乃木坂の「人は夢を二度見る」MVを観たあと、NiziUのMVに誘導されるケースはさすがに稀だと思うので、WBC効果をよりストレートに反映しているんじゃないかと。
だとすれば、下落率は21%から28%の間、25%前後と考えられます。
もちろん、NiziUのMV再生回数を引き上げるようなイベントが3月22日(水)に起こっていたら、WBC優勝による減速効果はもっと大きいと見積もった方がいいですが、櫻坂欅坂と日向坂のデータは15%から20%くらいの印象で、25%前後は矛盾しない数字じゃないでしょうか。
では、WBC優勝による減速効果を25%と仮定したとき、「人は夢を二度見る」MVの「本来の」初日再生回数が、いわゆる普通の水準になるかということですが、どうもそうはならないようです。

乃木坂の27thから31stまでのシングル表題曲MV5作について、公開初日(1d)の再生回数を平均すると82.6万回ですが、32ndの初日49.6万回はそこから40%低い水準です。
直近5作自身の初日平均からの変動幅は、負方向の最大が29th「Actually…」の10%、正方向の最大は30th「好きというのはロックだぜ!」の13%で、32nd「人は夢を二度見る」の負方向に40%というのは、目を疑いたくなるほど大きな乖離と言えます。
WBC優勝の影響を受けたと思われる、公開初日の前半12時間における積上再生回数は36.6万回ですが、「本来」の値の25%を失ったと仮定すると、25 / (100-25)に相当する12.2万回が消えたことになる。
ただ、この12.2万回を初日の49.6万回に加えても61.8万回で、直近5作平均より25%低く、大きく外れていることに変わりない。
さらに、WBC効果がなくなった筈の公開2日目(d)でも、直近5作平均との差は39%とほとんど縮まらず、3dにおいても35%と依然大きく、近年どころか、15th以降表題曲MV全体において、突出した低空飛行になっている。
つまり、WBC優勝による減速効果は間違いなくあったのだけど、それを計算に入れても説明できないくらい、「人は夢を二度見る」MV再生回数の伸び悩みは厳しいという話になります。
では、再生回数が伸びないWBC以外の原因は何かということですが、シングル表題曲MVの公開初期の再生回数は、熱心な既存ファンの人数に左右される面が大きく、32ndでファンの量離脱が起こった可能性が頭をよぎります。
累計再生回数の直近5作平均との乖離が相当に大きいので、そうであれば、32ndシングルにおいて、相当に大量のファンが乃木坂から離れたことになる。

WBC効果で初日前半に「本来」値の25%、12.2万回を失ったとして、上記グラフの「人は夢を二度見る」にそれを加えても96.1万回で、依然として厳しい水準であることに変わりありません。
再生回数のこういった大きな差が、ファンの離脱を反映しているのであれば、乃木坂のライブで空席が目立つようになったり、会場が突然小さくなったり、CD売上枚数が初動はなんとか持ち堪えても、2週目以降に激減して、累計が伸びなくなるといった現象が今後起こる可能性がある。
そういったことが起こるかどうか、注視していく必要がありますが、現時点では、それほど大きなファンの離脱は起こっていないのではないかと考えています。
その根拠は、「人は夢を二度見る」のストリーミングやダウンロードによる配信の順位成績が、直近5作に比べ、それほど大きく悪化していない印象があるからです。




まあ正直、良いとは言いづらい順位推移ではあるけど(笑)、直近5曲と比べて、YouTube再生回数のような劇的な差がある感じではない。
もしファンが大量に離れたのであれば、Apple Musicトップソングの200位圏内に一度も入ってこないとか、iTunes StoreトップソングでTOP20にも入らないとか、衝撃的なことが起こってもおかしくないけど、そういったことはなく、1期2期が去ったことで、やや重たい滑りだしかなといった印象に留まっています。
WBC優勝による減速効果だけでは説明できず、配信の順位成績からファンの大量離脱も考えづらいとすれば、「人は夢を二度見る」MVのYouTube再生回数が従来より圧倒的に下がっている原因は何なのか?
個人的に一つ疑っているのは、アイドルのMVにおいて、熱心なファンが数字を上げるために、一人で何回も再生するあり方を、YouTube側が近年問題視して、視聴数のカウントにおいて、それを抑え込むようなプログラムを採用しつつあるのではないかということ。
次のグラフは、NiziU主要MV再生回数の累計と積上の時間推移ですが、「Blue Moon」は公開15日目(d)以降、「Paradise」は10d以降、突然、積上ペースが急減速して、累計グラフ線の傾きが劇的に小さくなっていることが分かります。


ある日を境に、積上速度が急減速する現象は、「=LOVE」のMVでも確認していますが、視聴者の嗜好や行動パターンの自然な変化とは考えにくく、YouTube側が視聴数カウントのプログラムを変更して、表示される再生回数を、彼らが考える「適正」な水準に持っていこうとした可能性がある。
最近、YouTubeやビルボード・オリコンとアイドルの間に、こういった数字を巡るせめぎ合いが頻発している印象があって、上のグラフが示すMV再生回数の積上速度急落も、その一つではないかと考えています。
乃木坂のMVに対して、今まで採用していた視聴数カウントのプログラムを32nd表題曲から抑制的なものに変更したとすれば、過去のMV再生回数と比べ、数字が下がるのは無理からぬことですが、果たして、本当にそういったことが起こっているのか?、判断するにはしばらく時間が掛かりそうです。
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002位 君のまま/百足 & 韻マン
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005位 OMG/NewJeans
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008位 W / X / Y/Tani Yuuki
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010位 新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)/Ado
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118位 人は夢を二度見る/乃木坂46 : 人は夢を二度見る (Special Edition) [2023/03/22(水)] 4D
◉ NiziU曲 : 1曲確認
039位 Paradise/NiziU : Paradise - Single [2023/03/03(金)] 23D
【iTunes Store トップソング (1~200位)】
◉ 坂道曲 : 2曲確認
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076位 心にもないこと/乃木坂46 : 人は夢を二度見る (Special Edition) [2023/03/22(水)] 4D
◉ NiziU曲 : 1曲確認
010位 Paradise/NiziU : Paradise - Single [2023/03/03(金)] 23D
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