今日、10月29日木曜の正午に日向坂46・1stアルバムリード曲「アザトカワイイ」のフルMVがYouTube公開70日目(d)を終了、またビルボードHot100「国内動画再生回数」も、MV公開週を1週目(W)と数えた場合の10Wまでの順位が昨日発表されています。
一つの区切りということで、ここまでの動画指標をまとめておきます。
公開70日目(d)終了時点での累計再生回数は954.8万回と1千万に迫っていて、日向坂46歴代表題曲のフルMV4作品と同時期比較すると、2位の「ソンナコトナイヨ」MVより100万回以上多い、断然のトップとなっている。
(表1) |
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ただ、再生回数増加の日単位速度を見ると、「アザトカワイイ」MVの70日目(d)は積み上げ4.7万回の初日比0.04。
同時期累計2位の「ソンナコトナイヨ」MVが7.0万回の0.07、3位「ドレミソラシド」MVは6.2万回の0.09と、いずれもアルバムリード曲MVを上回っている。
(表2) 日向坂46主要曲フルMVのYouTube公開70日目(d)再生回数
「アザトカワイイ」MVの70d終了 = 2020/10/29(木)正午
凡例
70d累計 : 66→67→68→69→70d積上(初日比70d/1d)曲名_Sg番号
# 累計、積上は万回単位
# 累計の多い順に上から掲載
# 全表題曲MVに1stアルバム収録の「アザトカワイイ」のMVを加えた
5作品が対象。いづれも70dを越えてフル公開されている
954.8 : 5.9→5.4→4.7→4.8→4.7(0.04) アザトカワイイ_1stAb
834.9 : 6.7→6.6→6.7→7.3→7.0(0.07) ソンナコトナイヨ_4
748.0 : 8.1→7.1→8.2→7.0→6.2(0.09) ドレミソラシド_2
571.4 : 4.3→4.5→4.4→4.1→4.0(0.16) キュン_1
540.4 : 3.5→4.1→4.0→3.8→3.7(0.06) こんなに好きになっちゃっていいの?_3
(参考)
=====「青春の馬」MV [68dでフル公開終了]
# 68d累計 : 66→67→68d積上(初日比68d/1d)
591.7 : 3.7→3.2→3.2(0.05) 青春の馬_4C
=====「ひなリハ」MV [50d終了= 2020/10/28(水)18:00]
# 50d累計 : 48→49→50d積上(初日比50d/1d)
324.2 : 1.8→1.8→2.0(0.03) ひなリハ_1stAb関連
再生回数増加速度の日単位(d)推移を見ると、公開直後は最速だった「アザトカワイイ」MVが35dあたりから「ソンナコトナイヨ」や「ドレミソラシド」のMVを下回ることが多くなっている。
(表3) |
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公開35日目(d)は、5週目(w)の終わりですが、週毎(w)の平均増加速度を見ても、やはり6週目(w)から「アザトカワイイ」が逆転されているのが分かる。
(表3) |
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坂道で現在YouTube公開されているフルMV全作品の70d累計を比べると、「アザトカワイイ」は9位に位置し、欅坂46表題曲MV全8作品中では7位相当も、15thから25thまでの乃木坂表題曲MV11作品中では20th「シンクロニシティ」、17th「インフルエンサー」に次ぐ3位のレベル。
(表4) 坂道フルMVのYouTube公開70日目(d)再生回数
凡例
70d累計 : 68→69→70d積上(初日比70d/1d)曲名_グループ名 Sg番号
# 累計、積上は万回単位
# 初日比は積み上げ再生回数の比で、少数点以下3桁目を四捨五入
# 乃木坂は15th以降、欅坂日向坂は1stからのMVで70日目(d)を越えてフル公開
された坂道36作品を70d累計再生回数の多い順に並べたTOP20
[01] 1893.9 : 15.5→12.6→13.0(0.07) ガラスを割れ!_欅6
[02] 1476.3 : 09.7→09.1→09.8(0.08) 不協和音_欅4
[03] 1466.0 : 18.3→15.5→13.9(0.59) サイレントマジョリティー_欅1
[04] 1227.2 : 10.5→10.5→08.8(0.07) 風に吹かれても_欅5
[05] 1215.6 : 06.4→06.2→06.2(0.04) アンビバレント_欅7
[06] 1122.5 : 06.2→06.2→06.0(0.05) シンクロニシティ_乃20
[07] 1077.1 : 11.6→10.8→11.8(0.25) 二人セゾン_欅3
[08] 1076.2 : 07.4→08.2→07.6(0.08) インフルエンサー_乃17
[09] 0954.8 : 04.7→04.8→04.7(0.04) アザトカワイイ_日1stAb
[10] 0920.3 : 09.6→08.6→08.7(0.07) 帰り道は遠回りしたくなる_乃22
[11] 0848.6 : 06.0→06.9→06.7(0.09) I see…_乃25C
[12] 0834.9 : 06.7→07.3→07.0(0.07) ソンナコトナイヨ_日4
[13] 0792.8 : 04.2→04.5→04.4(0.04) ジコチューで行こう!_乃21
[14] 0773.9 : 04.9→04.9→05.2(0.05) Sing Out!_乃23
[15] 0758.0 : 04.5→04.4→04.4(0.08) 黒い羊_欅8
[16] 0748.0 : 08.2→07.0→06.2(0.09) ドレミソラシド_日2
[17] 0694.1 : 07.6→04.1→05.3(0.06) いつかできるから今日できる_乃19
[18] 0667.9 : 03.6→03.6→03.5(0.03) しあわせの保護色_乃25
[19] 0664.7 : 04.2→03.7→03.7(0.04) 夜明けまで強がらなくてもいい_乃24
[20] 0664.5 : 04.1→04.1→04.1(0.04) エキセントリック_欅4C
ただ上位曲の中でも「アザトカワイイ」MVの70d積み上げ4.7万回はやや低めの数字で、10位に控えている乃木坂46・22nd「帰り道は遠回りしたくなる」MVの猛追を受けており、累計差はまだ150万回ほどあるものの、速度差が4〜5万回/日なので、今後、逆転される可能性は十分にある。
2019年以降に無期限公開された坂道フルMVの中でも、「アザトカワイイ」MVの再生回数は最も高い累計を維持しながら進んでいるが、現在の速度傾向を考えると、今後もトップを走り続けるかどうかは不透明。
(表5) |
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日向坂46「アザトカワイイ」のMV再生回数の増え方について、もう少し掘り下げてみます。
次の表6は日毎(D)の増加速度、及び前日との速度差を一つのグラフに書き込んだものです。
(表6) |
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乃木坂46「I see…」MVの再生回数を扱った下記ブログの(表6)で述べたように、速度差グラフ線のギザギザが盛大であればあるほど、MV再生回数のイベント反応性が良く、より大きなヒットを期待できる。
乃木坂46・4期曲「I see…」MVの人気は何を意味するのか?問われる選抜制のあり方 [21Oct20]
表6のグラフ線が過去作と比べてどのくらいギザギザなのか、プラス方向への加速はどれくらいあったのかを調べたのが、次の表7です。
(表7) |
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「アザトカワイイ」MV再生回数増加の前日速度差は2.5万回/日^2以上の5.0万回/日^2未満が2nd「ドレミソラシド」MVと並んで1日ありますが、全体としては、プラス方向へ加速する日が他の作品と比べて、やや少ないかなという印象を受ける。
一方、増加速度そのものを調べると、10万回/日以上の増加速度を記録した日が70日間中33日あり、これは歴代表題曲を凌ぐ高速ペースと言えます。
(表8) |
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つまり、「アザトカワイイ」MV再生回数の増加は公開初期のハイペースを維持しながら、累計を大きく積み上げてきたが、一方、音楽番組出演など各イベントによる加速がやや薄く、速度の反転上昇が少なかったと考えられます。
様々なイベントに敏感に反応し、何度も反転上昇を繰り返しながら増加速度を高く維持してきた乃木坂46「I see…」とは異なる増加パターンで、それ故に、「アザトカワイイ」MVの速度は時間が経つにつれ、「ソンナコトナイヨ」や「ドレミソラシド」のMVの速度を下回ってしまったのだと思います。
ただ、MV再生回数のイベント反応性が過去作に比べやや脆弱だとしても、「アザトカワイイ」は日向坂46の動画人気を一段アップさせたと、個人的に評価しています。
その根拠は、ビルボードHot100「国内動画再生回数(M)」の順位が、これまでの表題曲より明確に高いからです。
(表9a) |
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(表9b) |
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表9aと表9bは基本的に同じグラフで、「アザトカワイイ」のM項順位が、MV公開初期10週間(W)において歴代の楽曲より断然高く推移していることを示しています。
昨日発表された10週目の順位は100位と圏内ギリギリでしたが、初期10週目まで100位圏内に踏み止まったのは、グループ史上初めてのことです。
また近年は坂道全体でもM項100位圏内に入るのが大変になっていて、初期10週間の圏内週数は、乃木坂46は23rd「Sing Out!」が8週、24th「夜明けまで強がらなくてもいい」は3週、25th「しあわせの保護色」は2週、「世界中の隣人よ」は0週の完全圏外と厳しい数字が並んでいる。
また、欅坂46のMV付き最新曲「黒い羊」も7週で、日向坂46「アザトカワイイ」は坂道が久しぶりに達成した10週コンプリートです。
(表10a) |
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(表10b) |
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そんな状況下での10週連続圏内ランクインはかなり貴重で、日向坂は「アザトカワイイ」で順位という相対的な動画人気を久しぶりに上昇させたと言えます。
ただ「アザトカワイイ」MVの再生回数増加速度は6週目あたりから「ソンナコトナイヨ」や「ドレミソラシド」のMVを下回っていて、なぜビルボードM項の順位が上がったのか、気になるところです(笑)。
(表11a) |
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(表11b) |
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その理由は、「アザトカワイイ」MVの公開4週目(W)に、ダンスを定点カメラで撮影した「ひなリハ」MVが公開され、その再生回数が関連動画として合算されたからだと思います。
実際、表11aにおいて、「ひなリハ」MVが公開された4Wに、「アザトカワイイ」の順位は3Wの39位から7位へ反転上昇している。
表11bの「ソンナコトナイイヨ」を見ると、例えば、7Wの再生回数積み上げは63万回で、「アザトカワイイ」の54万回を上回っていますが、前者の順位が100位圏外なのに対し、後者は54位に入っている。
「ひなリハ」MVはこの週に25万回を積み上げていて、これが効いている可能性が高い。
もちろん、関連動画を何作投入しても、視聴数が思うように伸びないのはよくあることで、「アザトカワイイ」の曲やダンス、あるいは日向坂というグループの人気が高いからこそ、「ひなリハ」MVの視聴数が伸びて、ビルボードM項の順位を顕著に押し上げたわけです。
乃木坂も、というより乃木坂こそ、次のシングルで「のぎリハ」をやって欲しい。
M項の順位を上げたいのもあるけど、それ以上に、ごまかしの効かない定点カメラでのフルパフォーマンスは、グループのダンス力をアップする、良い練習になると思う。