乃木坂46が参加する、注目の番組とイベント
(テレビ・ラジオ・イベント・リリース)
04月21日(土) [地デ] 18:00~18:30 フジテレビ系『MUSIC FAIR』。乃木坂46が出演し、20th選抜が「シンクロニシティ」を披露する予定
04月22日(日) [ライブ] 『生駒里奈 卒業コンサート』 in 日本武道館 (18:00開演)
04月25日(水) [CD] 乃木坂46 20thシングル「シンクロニシティ」 リリース
4月23付オリコン週間シングルランキングにおいて、公式サイトで無料公開しているTOP50の50位は、堂本剛の「縁を結いて」ですが、その売り上げは673枚だった。
大量購入した坂道やAKB48GのシングルCDを、高く積み上げたり、ずらりと並べた画像をネットで時々見かけますが(笑)、そういう熱心なファンが一人でも現れると、オリコンのTOP50に悠々と入れます。
また、10万ほど払って、握手券付きCDを100枚買うファンが10人出てくると、それだけでオリコン38位以上が確定する。
こういった状況なので、売り上げ枚数のランキングは、今や楽曲人気はもちろん、グループに対する人気すら、どこまで反映しているのか疑問符が付く。
その結果、CDセールスによる順位は徐々に存在感を失い、逆に、MV再生数や配信ダウンロード数など、ネットを介した楽曲視聴の数字が重視されつつある。
米津玄師、星野源、菅田将暉、TWICEらの曲が、Billboard JAPAN Hot100「国内動画再生数」や iTunes Store トップソングの上位を賑わせていますが、彼らは、脱CD時代にいち早く適応したアーティストだと言えます。
一方、アイドル界に目を転じると、昨年の℃-uteとRev. from DVLの解散、今年に入って、アイドルネッサンス、iDOL StreetのGEMさらにCheeky Paradeと、解散発表が続いています。
また、ももいろクローバーZの有安杏果、モーニング娘。の工藤遥と尾形春水など、有名グループからの主要メンバー「卒業」が相次いでいる。
もちろん、AKB48Gにおけるメンバーの「卒業」は常態化しており、乃木坂46でも、昨年末から、中元日芽香、伊藤万理華、川村真洋、生駒里奈と、思わぬ「卒業」ラッシュが起こっています。
グループの解散・再編、メンバーの脱退からも、アイドルを巡る環境が厳しさを増していることが分かります。
そんな中で、4月4日(水)と翌週11日(水)に発売された二つのシングル、NMB48の18枚目「欲望者」とNGT48の3枚目「春はどこから来るのか?」に関するセールス指標は、AKB48Gのみならず、アイドル界の動向を占う上で、非常に注目していました。
というのも、NMB48とNGT48は、今後さらに重要性が増していく配信や動画の人気が、AKB48Gの中では高いグループで、それを維持・発展できれば、人気の牽引車になり得る素地を持っているからです。
以下の表は、NMB48とNGT48の歴代表題曲と他の48G&関連G最新表題曲のiTunesトップソングにおける順位成績です。
(表1) iTunes Store トップソングにおける、AKB48G及び関連Gシングル表題曲の配信全期間に渡る順位帯分布
凡例
A-B-C-D-E / F-G-H (50位以内/200位以内ランクイン日数; 確認できた最高順位) シングル番号orグループ名_曲名 (収録盤種)
# 上記 A〜H と Z は、それぞれ以下の順位帯にランクインした日数を表す
A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)、H(151〜200位)
# 配信開始から2018/04/17(火)時点までのデータを示している
NMB48
0-0-1-1-0 / 1-1-1 (2/05日; 26位) 18_欲望者 (TypeA)
0-0-1-1-2 / 2-11-4 (4/21日; 26位) 17_ワロタピーポー (Type-A)
0-0-0-0-0 / 3-3-2 (0/08日; 56位) 16_僕以外の誰か (TypeA)
0-0-0-1-2 / 5-8-3 (3/19日; 36位) 15_僕はいない (TypeA)
0-0-0-0-0 / 7-5-6 (0/18日; 58位) 14_甘噛み姫 (TypeA)
NGT48
0-0-0-0-1 / 3-1-2 (1/07日; 48位) 03_春はどこから来るのか? (SE)
0-0-0-0-0 / 3-2-2 (0/07日; 53位) 02_世界はどこまで青空なのか? (SE)
0-2-1-4-0 / 6-1-2 (7/16日; 14位) 01_青春時計 (SE)
#「SE」は「Special Edition」
AKB48
0-0-0-1-1 / 04-04-03 (2/13日; 34位) 51_ジャーバージャ (TypeA)
0-2-1-0-1 / 07-06-06 (4/23日; 15位) 50_11月のアンクレット (TypeA)
0-2-2-0-3 / 03-04-03 (7/17日; 16位) 49_#好きなんだ (TypeA)
0-1-1-3-3 / 10-14-07 (8/39日; 20位) 48_願いごとの持ち腐れ (TypeA)
0-1-2-1-2 / 11-05-12 (6/34日; 18位) 47_シュートサイン (TypeA)
2-2-2-0-1 / 28-17-13 (7/65日; 03位) 46_ハイテンション (TypeA)
2-3-1-1-2 / 05-06-02 (9/22日; 07位) 45_LOVE TRIP (TypeA)
48姉妹G&関連Gの最新シングル表題曲
0-0-0-0-1 / 1-1-2 (1/05日; 45位) SKE22_無意識の色 (Type-A)
0-0-0-0-0 / 2-1-1 (0/04日; 64位) HKT10_キスは待つしかないのでしょうか? (TypeA)
0-0-0-0-1 / 1-1-3 (1/06日; 48位) STU01_暗闇 (TypeA)
0-0-0-0-0 / 3-2-0 (0/05日; 51位) =LOVE02_僕らの制服クリスマス
0-1-0-1-0 / 3-4-2 (2/11日; 19位) ラストアイドル01_バンドワゴン (SE)
坂道
14-11-02-06-02 / 28-34-30 (35/127日; 3位) 乃木坂19_いつかできるから今日できる
19-17-06-00-00 / 00-00-00 (42/042日; 2位) 欅坂06_ガラスを割れ!(現在10位)
NMB48は、200位圏内日数が「甘噛み姫」18日、「僕はいない」19日、「ワロタピーポー」20日で、「僕以外の誰か」の8日以外は、2週間以上のランクインを記録しています。
また、NGT48「青春時計」は最高14位、ランクイン16日で、グループの知名度がまだ低い段階でのデビュー曲において、かなりの配信人気を叩き出している。
まあ、配信元を一つに絞った「Special Edition」方式なので、直接の比較は出来ませんが、それでもTOP20に入るのは、簡単なことではないと思います。
一方、他のAKB48姉妹Gのシングル表題曲は、いずれも圏内ランクインが2週間を下回っており、「本店」であるAKB48「ジャーバージャ」ですら13日に留まっている。
しかし、NMB48の最新表題曲「欲望者」は、最高順位こそ26位とかなりの上位に食い込んだものの、200位圏内入りが5日に留まり、14枚目「甘噛み姫」以降、もっとも短いランクイン。
また、NGT48は、2枚目表題曲「世界はどこまで青空なのか?」で落とした配信人気を、どこまで回復できるかが、「春はどこから来るのか?」のポイントだったけど、最高順位、ランクイン日数ともにほぼ同じ水準で、反転上昇の気配は漂っていない。
AKB48は、島崎遥香「卒業」シングルの表題曲「ハイテンション」における最高3位、ランクイン65日を頂点に、それ以降は、TOP20入りがなく、数字の漸減が目立ち、最新「ジャーバージャ」では、200位圏内入り13日という、近年の最短を記録しています。
2017年から「本店」が辿ってきた配信人気の低落傾向が、2018年、ついにNMB48とNGT48という、これまで比較的好調だった姉妹グループにも及んだ形です。
とくに、有料ダウンロード数は、米津玄師が次々と記録を塗り変えているように、楽曲人気を示す「メインフィールド」になりつつあり、ここでの上位進出はそのままJ-POP界における存在感に直結する印象が強い。
CDの売り上げランキングより、遥かに数字を落としてはいけない分野で、(表1)の結果は、AKB48Gの楽曲人気がかなり厳しいことを浮き彫りにしています。
ところで、上記のAKB48表題曲でMVが1千万再生を達成したのは唯一「ハイテンション」だけで、配信と動画はやはり相互に人気が連動しているようです。
ということで、次はMV再生数を見ておきます。
(表2) AKB48G及び関連Gシングル表題曲MVの公開4週までのYouTube再生回数推移
凡例
公開1w速度(累計)→2w速度(累計)→3w速度(累計)→4w速度(累計) シングル番号orグループ名_曲名
#「1w」は、公開開始から1週間後の同じ曜日、同じ時刻まで、そこから1週間後同曜日同時刻までを「2w」と順に数える
#「速度」は、対象週における再生回数の平均増加速度で「万回/日」単位
#「累計」は、対象週の終わり時点における再生回数で「万回」単位
# すべてフルバージョンMV。最初に公開されたMVがショートの場合、あるいはフルとショートが同時公開された場合は載せていない
NMB48
04.9(034)→1.9(047)→1.3(056)→1.2(065) 18_欲望者
08.4(059)→2.7(078)→6.0(119)→4.5(151) 17_ワロタピーポー
14.9(104)→2.9(125)→3.7(151)→3.2(173) Ab03_まさかシンガポール
07.3(051)→2.9(072)→1.8(084)→1.9(098) 14_甘噛み姫
NGT48
3.3(023)→0.8(029)→0.6(033)→0.8(039) 03_春はどこから来るのか?
5.4(038)→1.5(049)→0.9(055)→1.1(062) 02_世界はどこまで青空なのか?
6.2(044)→2.2(059)→1.7(071)→2.5(088) 01_青春時計
AKB48
16.0(112)→5.2(148)→5.1(184)→4.5(216) 51_ジャーバージャ
20.0(140)→5.4(178)→4.3(207)→4.0(235) 49_#好きなんだ
27.9(195)→9.4(261)→6.9(309)→9.3(375) 46_ハイテンション
19.5(136)→7.7(190)→4.7(223)→4.0(251) 45_LOVE TRIP
48姉妹G&関連Gの最新シングル表題曲MV
4.6(032)→2.1(047)→1.5(057)→1.5(068) SKE22_無意識の色
4.6(032)→3.5(057)→1.7(069)→1.2(077) HKT10_キスは待つしかないのでしょうか?
1.9(013)→0.9(019)→0.6(023)→0.8(029) STU01_暗闇
4.9(034)→4.8(068)→1.9(082)→1.4(091) =LOVE02_僕らの制服クリスマス
7.1(050)→2.7(069)→1.6(080)→1.3(089) ラストアイドル01_バンドワゴン
===== 参考 =====
5.5(039)→0.0(000)→0.0(000)→0.0(000) HKT11_早送りカレンダー
6.4(045)→2.4(061)→1.7(073)→1.7(085) HKT08_最高かよ [short ver.]
3.9(027)→0.0(000)→0.0(000)→0.0(000) =LOVE03_手遅れcaution
坂道
30.4(213)→12.4(299)→11.6(381)→09.1(0445) 乃木坂19_いつかできるから今日できる
68.0(476)→26.9(664)→30.6(878)→32.4(1105) 欅坂06_ガラスを割れ!
===== 参考 =====
48.7(341)→00.0(000)→00.0(000)→00.0(0000) 乃木坂20_シンクロニシティ
MV再生数を比較するとき、フルバージョンの数字をショートと並べても意味がないので、上表には、最初にYouTube公開された作品がフルである楽曲のみ載せています。
NMB48「欲望者」MVは、公開1週目(w)から4wまで、再生回数の平均増加速度と週終わり累計が、「甘噛み姫」以降もっとも低い水準で推移、iTunesトップソングにおける200位圏内ランクイン日数の短さと符合している。
また、NGT48「春はどこから来るのか?」MVの再生回数も、同じく速度と累計が前作、前々作を常に下回る展開で、デビュー当時に集めた音楽的人気が回復していないことを窺わせます。
一方、AKB48本体の表題曲MVも、「ジャーバージャ」の公開4w累計216万回は、近年のフルバージョンと比べると低い方で、過去作を大きく凌駕するヒットがなかなか出ず、徐々に動画人気を落としている印象がある。
最近の48姉妹Gの中では、公開4w終了時点において、HKT48の10枚目表題曲「キスは待つしかないのでしょうか?」MVが累計77万回と最速で、しかも、CD発売前の11枚目「早送りカレンダー」MVは公開1wに39万回を稼ぎ、前作を上回るスタートを見せています。
ただ、8枚目「最高かよ」ショートMVは、「キスは待つしかないのでしょうか?」フルMVを、1〜4wの累計で常に上回る数字を記録しており、「早送りカレンダー」と比べても、公開1wでより速いスタートを切っている。
最新のフルMVが2年前のショートMVに届かないのは、動画人気の伸び悩みと言わざるを得なくて、HKTがAKB48Gの楽曲人気を牽引する存在になれるかどうかは、まだ予断を許さない面があります。
=LOVEの2枚目「僕らの制服クリスマス」とラストアイドルのデビュー曲「バンドワゴン」のMV再生数は、48姉妹Gと遜色ないか、やや上回る推移を見せています。
しかし、=LOVEの3枚目「手遅れcaution」は、公開1wが2枚目より若干遅い出だしとなり、一方、ラストアイドルの2枚目表題曲「君のAchoo!」MVも、公開初日再生数が7.1万回で、前作の8.6万回を下回っている。
まだ初期段階ながら、最新MVの再生数は、いずれも前回を越える気配が薄く、AKB48Gと同じく、とくに2018年に入って、楽曲人気の伸び悩み感が漂いつつある。
乃木坂と欅坂のMVは、YouTubeでどちらかの作品を観ると、相手の作品が関連動画として提示されたり、放っておくと、そのまま始まったりするので(笑)、再生回数が連動している面がある。
ただ、最新作に関しては、欅坂が乃木坂を常に越えており、その反対はほとんど見たことがないので、欅坂の動画人気が乃木坂を引っ張っているのだと思います。
そして、「サイレントマジョリティー」以来、両者のMV再生回数は、シングルごとに多少の起伏はありながらも、上昇傾向を示してきた。
結果として、(表2)が示すように、坂道とAKB48GのMV再生回数は、2018年において、文字どおり桁違いの差が付いています。
以前は、例えば「ハイテンション」MVが公開された2016年秋には、ここまで大きな開きはなかった。
J-POP界において、MV再生回数やダウンロード数といった楽曲人気がより重視される流れの中、乃木坂と欅坂はある程度それに乗ることが出来て、社会全体のネット視聴人口の増加と共に、数字を上昇させていった感がある。
アイドルグループの解散・再編と主要メンバーの「卒業」が相次ぐ背景の一つに、特典商法によってCDの売り上げ枚数を伸ばし、ランキングの上位に入っても、以前ほど評価されなくなっていることがあるかもしれない。
冒頭述べたように、現在のオリコンであれば、何らかのファン参加型イベントを開催し、それを特典としてCD売り上げを伸ばせば、かなりの順位を獲得できる。
しかし、かりにデイリーやウィークリーでTOP10に入ったとしても、投入したお金や労力に見合うほどの注目は集められない。
実際、AKB48や乃木坂46の連続ミリオン更新より、ソロ写真集が、何万部の重版決定とか、累計何十万部突破といったニュースの方が、盛んに取り上げられ、話題性が高い。
メンバーを長時間拘束し、肉体的精神的な負担を掛け、会場費警備費などを払ってファン参加型イベントを開催し、CDセールスを稼いでも、さほどニュースにならず、音楽番組に呼んでもらえず、広告宣伝のオファーはなく、スポンサーも付かなければ、そういった手法を採用するアイドルが少なくなるのは当然です。
握手会のような特典イベントは、時間の掛かる音楽的スキルの向上が不必要で、新規採用した若い少女を即戦力として起用できる、簡便なセールス手法だけど、時代とともに、費用対効果の面で割に合わなくなってきたんじゃないかと思います。
さらに、抽選ライブ券や希少グッズ券をCDの特典にする場合も、当然、正規に売るよりはずっと儲けが少ないわけで、売り上げ枚数ランキングのインパクトが薄れると、ソロバン勘定が合わなくなっていく。
多くのレコード会社が、こういった特典商法によってCDセールスを伸ばし、ランキング上位の宣伝力を利用する形でアイドルグループを運営してきたため、ネットを介した配信・動画ランキングが主流になりつつある今、作戦の練り直しを迫られている。
その結果、CDセールス全体がさらに縮小し、売り上げランキングの無意味化が加速し、iTunesトップソングやMV再生回数がより重視されていく。
一方、AKB48Gは、「総選挙」や合同握手会など、CDセールスを引き上げる従来型の巨大特典イベントに、依然としてお金と労力を注ぎ込み、デジタル対応が遅れている印象がある。
魅力的な楽曲を書き、何度も観たくなるMVを製作し、心に届くパフォーマンスを披露することが、配信・動画人気を上昇させる有効な手段で、歌唱力・ダンス力のアップやMVの撮影にこそ時間とお金を十分に投入した方がいい。
「総選挙」はメンバーに大きな心理的負荷を掛け、大量「卒業」の引き金になっている面があり、一方、合同握手会は、とくに姉妹Gメンバーから膨大な時間を奪っている。
これほどの犠牲を払って、CDセールスの連続ミリオン記録や年間ランキング上位独占を実現しても、AKB48Gの評価が劇的に上がるわけではなく、一方で、楽曲人気は歯止めの掛からない低落傾向を示しつつある。
乃木坂がまだ人気を保っているのは、時間と費用と労力を莫大に注ぎ込んでCDセールスを伸ばす「総選挙」や合同握手会に参加せず、そのエネルギーをMVや個人PVの製作に振り向けたことが大きい。
さらに、欅坂の成功は、こういった乃木坂流の独自路線を踏襲しつつ、平手友梨奈を中心に、MV作品の目玉となる魅力的なダンスパフォーマンスを磨き上げ、ネット視聴を通して、音楽ファンを増やしたことが原動力になっている。
偶然だったのか、それとも誰かが「絵を描いた」のか分からないけど、いつの間にか、新しい楽曲ランキングに適応したアイドルグループが出現して、2018年という「大淘汰」の年に存在感を発揮しつつある。
次に、NMB48とNGT48のCDセールスを載せておきます。
(表3) NMB48とNGT48のシングルCDオリコン売り上げ
凡例
初動 (累計) 第1週順位 50位以内/200位以内ランクイン回数 @ 発売後経過週数 CD発売日 シングル番号_タイトル
#「累計」は2018/04/23付チャートまでの週間売り上げ合計枚数。万枚単位
# 「発売後経過週数」は、CD発売週を1W、翌週を2Wと順に数えた04/23付の週数
NMB48
19.4万枚 (20.1) 1位 02/02回 @ 02W 2018/04/04 18_欲望者
27.3万枚 (33.3) 1位 14/16回 @ 16W 2017/12/27 17_ワロタピーポー
26.7万枚 (32.0) 1位 13/16回 @ 68W 2016/12/28 16_僕以外の誰か
30.4万枚 (36.4) 1位 11/17回 @ 89W 2016/08/03 15_僕はいない
23.0万枚 (29.7) 1位 08/20回 @ 103W 2016/04/27 14_甘噛み姫
NGT48
10.9万枚 (10.9) 1位 01/01回 @ 01W 2018/04/11 03_春はどこから来るのか?
14.8万枚 (20.1) 2位 13/19回 @ 19W 2017/12/06 02_世界はどこまで青空なのか?
16.0万枚 (20.8) 1位 15/20回 @ 53W 2017/04/12 01_青春時計
「欲望者」と「春はどこから来るのか?」は、オリコン初動が前作を大きく割り込み、ネットで話題になっていました。
ただ、AKB48GのCDセールスは、様々な要因で変動し、ほとんど関係ないのは楽曲としての出来不出来くらいなので(笑)、枚数が減ったからといって、直ちにファンが離脱しているとは限らない。
例えば、「総選挙」による買い控えを指摘する声があり、確かに、添付の投票券をオークションサイトで売れるAKB48の52枚目は、姉妹Gメンバーと割安で握手できるシングルなので、そういった効果は多少あるかもしれない。
ただ、「欲望者」は一昨年同時期に発売された「甘噛み姫」より初動が低く、「春はどこから来るのか?」も昨年同時期の「青春時計」を下回っているので、「総選挙」にだけ原因を求めるのは無理な気がします。
NMBは握手会日程が随分先であるとか、NGTは2枚目の教訓から、ファンの多くが「推し」の「総選挙」順位を上げることをより意識しているとか、色々な可能性が考えられます。
しかし、(表1)と(表2)で示したように、2018年に入って、AKB48Gの楽曲人気が顕著に低落している状況と併せると、ライトとコアの両ファン層が薄くなりつつあるという、危険性が頭を過ぎります。
NGT48は、2017年の「総選挙」で荻野由佳が「速報」で1位、最終的にも5位を獲得、ホリプロから所属契約のオファーを受け、2枚目「世界はどこまで青空なのか?」のセンターに抜擢される。
絵に描いたようなサクセスストーリーですが、2枚目のオリコン初動は前作を割り、配信と動画の人気も「青春時計」に届かなかった。
「総選挙」というスターを生み出す筈の舞台において、注文通りの新スターが誕生したのに、NGT48のシングルは、楽曲人気はおろか、CDセールスも上昇の気配がなく、むしろ、デビュー曲で集めた期待を下げてしまった感があり、その流れが3枚目まで続いている。
これは「総選挙」というイベントのアピール力が弱まり、誰が上位に入っても、それだけでは「スター」にはならないことを示しています。
そもそも、「総選挙」が人気を集めたのは、AKB48が次々とヒット曲を送り出す中、前田敦子や大島優子など、次の曲を誰が率いるかという点に、多くの人が注目したからで、つまり楽曲人気が最初にあった。
ヒット曲が出ず、楽曲人気そのものが低落している時に、「総選挙」を行っても、順序が逆で、なかなかニュースにはならず、スターは誕生しづらいでしょう。
開票イベントを生中継するテレビ番組の視聴率が年々下がり、既存ファンへ向けた説得力も減少しているのに、メンバーに多大な負担を強い、大きな費用を掛けながら、「総選挙」を続けていることが、AKB48Gが抱える最大の問題点だと思います。
とくにネットを介した楽曲人気がより重視され始めた近年、費用対効果は危険水域に入っている可能性がある。
しかし、もし「総選挙」を止め、合同握手会を止め、連続ミリオンを諦めたら、その先に待っているのは、大規模な48グループの再編と、それに伴うメンバー削減になる。
ステージに立ってきちんとパフォーマンスに参加できる人数、5分程度のMVに出演可能な人数、「シングル」CDに収録可能な楽曲数などを考えると、どんなに頑張っても本来は1グループ20人くらいが限度で、1シングルの握手会に300人以上なんて、どうやって音楽的な出番を全員に割り振るのか、最初から話にならない。
CDを特典商法で大量に売るという手法が、そういった無茶苦茶な人数でも「何とかなる」という幻想を生じさせ、根底にある本質的矛盾を覆い隠していたけど、売り上げ枚数ランキングの影響力低下で、状況が急速に変化している。
AKB48Gでメンバーの「卒業」が常態化しているのは、その矛盾が表面に噴出しつつあるからで、早く根本的な策を講じないと、グループ建て直しに不可欠な才能あるメンバーを次々と失い、本当に回復不能な状態に陥ってしまう。
48G全体の未来を考えると、CDセールス依存を断ち切り、多人数アイドルという共同幻想を捨て、「総選挙」や合同握手会を一刻も早く止めた方がいい。
しかし、それに着手すると、そのシステムによって膨れ上がった組織をリストラしなければならず、運営、グループ、そしてメンバーにとって、シビアな淘汰が始まる。
進むも厳しく、引くも厳しい。
連続ミリオンは、AKB48にとって、このままでも何とかなるんじゃないかという一縷の望みを抱かせてくれる、最後の心理的砦なのかもしれない。
2018年は、アイドルにとっての「大淘汰」時代で、大きな変革を迫られるグループがすでに続出していて、今後もさらに出て来るでしょう。
もちろん、握手会商法を採用し、それ故、多くのメンバーを抱える乃木坂も、決して例外ではないと思います
乃木坂20枚目「シンクロニシティ」に関しては、昨日から「Special Edition」の先行配信が始まったばかりで、データがある程度出揃ってから、話をしたいと考えています。
ただ、もっとも注目しているのは、欅坂6枚目表題曲「ガラスを割れ!」が生み出している、以下のダウンロード数に、どこまで近づけるのか、あるいは越えられるのかという点です。
(表4) 欅坂「ガラスを割れ!」の iTunes Store トップソング順位帯分布とオリコンDLランキングの週ごとの比較
凡例
A-B-C-D-E / F-G-H [Z] : 対象週のオリコンDL数 (その週までの累計) 順位 @ 配信後経過週数 日付期間
# 上記 A〜H と Z は、それぞれ以下の順位帯にランクインした日数を表す
A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)、H(151〜200位)、Z(200位圏外)
# 「配信後経過週数」は、配信開始週を1W、翌週を2Wと順に数えたもの
5-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 3.49万DL (3.49) 02位 @ 01W 03/05(月)11(日)
5-2-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 1.65万DL (5.15) 07位 @ 02W 03/12(月)18(日)
0-7-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 0.88万DL (6.02) 08位 @ 03W 03/19(月)25(日)
0-3-4-0-0 / 0-0-0 [0] : 0.57万DL (6.59) 20位 @ 04W 03/26(月)01(日)
1-4-2-0-0 / 0-0-0 [0] : 0.51万DL (7.10) 11位 @ 05W 04/02(月)08(日) 武蔵野3daysライブ
6-1-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 0.78万DL (7.88) 08位 @ 06W 04/09(月)15(日)
「ガラスを割れ!」は、配信開始から最新である2018/04/23付オリコン週間DLチャートまで、すべてTOP30入りした、46&48Gで唯一の楽曲で、非常に貴重なデータです。
今までは、iTunesトップソングの順位推移から推量するしかなかったダウンロード数が、オリコンDLランキングに具体的な数値として提示されており、配信人気の量的な比較が可能になったわけです。
とは言え、オリコンはTOP30までのデータしか公開していないので、そこに入らないと、DL数を知ることが出来ません。
幸いなことに、「シンクロニシティ」は、現在、iTunesトップソングの2位にランクインしており、少なくとも4週目くらいまではオリコンTOP30にランクインする可能性があり、「ガラスを割れ!」と詳細な比較ができるんじゃないかと期待しています。
ところで、速報なんですが、20枚目収録の生駒里奈センター「Against」が8位まで浮上、乃木坂C/W曲として初めてのTOP10入りを果たしています。
このシングルをもってグループを離れる生駒里奈には、今回ソロ曲がなく、生田絵梨花と星野みなみに挟まれた3人フロントの「Against」が、「卒業」曲の役割を担っていて、ファンの注目度と期待感が、トップソング順位を押し上げたのかもしれません。
MVに関しては、CGの多用に賛否両論あると思いますが、音楽としては人気が高いようで、その辺もカップリング最高順位の追い風になっている気がします。
ちなみに、乃木坂CW曲のこれまでの最高順位は、「ひと夏の長さより…」の13位。
また、欅坂では、「避雷針」4位、「W-KEYAKIZAKAの詩」5位、「エキセントリック」7位、「もう森へ帰ろうか?」8位、「夜明けの孤独」9位と、5曲がTOP10入りしています。
CWにも超人気曲があるという点こそが、欅坂の強さを物語ってますね。
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// 最近のツイート抜粋
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乃木坂46「シンクロニシティ」MVは、シンプルな白のロングドレス、巧緻な木造建築の大ホールと、ダンスを全面に出した作品。Seishiro氏らしい剛柔バランスの良い振付で、2人3人で踊るユニット展開が面白い。ただ、平手友梨奈的役割を担う白石麻衣のダンスが弱い。感情を叩きつけるようなパンチが欲しい
12:40 - 2018年4月6日
乃木坂46「シンクロニシティ」MVの音楽は、高速ダンスのせいか、思った以上にノリが良い印象。ただ、歌詞がメロディに収まらない「字余り」感が酷く、一部はもう早口言葉笑。生駒里奈のダンスは流石にハッとするものがある。ステージでは、彼女の存在感をもっと高めて、まいやんをサポートした方が良い
12:54 - 2018年4月6日
「シンクロニシティ」MVを観ていると、ここに伊藤万理華が入ったらと、つい考えてしまう。乃木坂メンバーの多くは似た雰囲気を纏っているため、最初からダンスに同調感が漂い、一方向に平板な印象に陥り易い。鮮やかなシンクロには、対比としての「異端」が不可欠で、平手や万理華のような存在が欲しい
13:31 - 2018年4月6日
Seishiro氏の振付は優美な動きと高い叙情性が秀逸で、乃木坂によく合うと、「シンクロニシティ」MVで確信した。ただ、目指すものが高度で、メンバーの表現力が追いつかない。出来れば今後も振付を担当して、メンバーを育てて欲しい。万理華に代わる踊り手が出てくれば、真のブレイクが見えてくると思う
14:38 - 2018年4月6日
「制服のマネキン」MVの公開当時、今のように再生数を分析する手法と発想があれば、増加速度の急上昇を指摘して、生田・生駒・星野フロントがいよいよ花開き始めたことを証明できた。CD売上だけが話題になる中、生生星は活躍すべき時期に表舞台を去る。そこに、今後観られない以上の強い喪失感を覚える
13:28 - 2018年4月7日
平手友梨奈が登場したとき、生生星の時代と違い、多くの人が動画・配信指標の重要性を理解し「サイレントマジョリティー」の人気を把握できた。CD枚数だけなら、欅坂はここまで評価されなかっただろう。音楽不況の原因は、適切な指標を使わず楽曲人気を見誤り、社会のニーズを読まなかったことだと思う
15:50 - 2018年4月7日
「卒業」する生駒里奈の象徴曲を求める声が根強いことに加え、生田、生駒、星野の3人フロントへの期待が高く「Against」MV再生数は初日80.2万回、2日目30.9万回という爆発的なスタートダッシュ。個人的にはCGの多用より、もっとダンスを観たかったが、まあCWなので、これはこれで冒険的で面白いと思う
15:36 - 2018年4月15日
トキトキメキメキMVは、タレント性の高い岩本蓮加をセンターに、3期のアイドル的可愛さを存分に引き出した作品。中村麗乃のフロントだけで満点を付けたくなるが笑、私服風ファッションやポップな映像と、ファンのツボを押さた伊藤衆人監督の手腕が見事。僕の衝動、未来の答えに続き、今作も高い再生数
15:58 - 2018年4月15日
27歳と23歳の男女が仕事を通して知り合い、恋に落ちて静かに愛を育んでいる。「お幸せに」という言葉しか出ない話だけど、二人が仮面ライダーと乃木坂だったため、違う空気が流れてしまう。ただ、本人が説明すれば、理解するファンは多いと思う。あの明るい笑顔を失うのは、誰にとっても辛いことなので
14:20 - 2018年4月16日
乃木坂46「スカウトマン」MVは、目の覚めるような素晴らしい映像美。時間が止まった不思議な空間、サイケデリックで鮮やかな配色。その中で、絶妙な光加減によって、2期メンバーの美貌が、肌の質感に至るまで、これでもかと表現されていく。「魚たちのLOVE SONG」中村太洸監督の力量に改めて感嘆する
18:37 - 2018年4月16日
乃木坂46「新しい世界」MVは、鈴木絢音が「絵になる」主人公オーラを存分に発揮した、鑑賞し易いドラマ系作品。各メンバーの表情も、短い時間ながら、効果的に切り取られている。ただ、大きな困難に直面するSF的な全体設定に対して、人間ドラマがサラサラ流れ過ぎ。物語部分にもう少しパンチが欲しい
19:08 - 2018年4月16日
「魚たちのLOVE SONG」MVと橋本奈々未個人PV「October 28」を観たときも、中村太洸監督の映像&物語センスに驚嘆したけど、今回の「スカウトマン」MVも尋常ではない切れ味だと思う。映像美の追求が物語を加速させ、視覚と情動、左脳と右脳が混じり合うような不思議な世界が現れる。桁違いの才能を感じる
19:42 - 2018年4月16日
乃木坂20thのCW曲MVは良作傑作が揃いましたね。とくに2期3期の魅力を全面に出し、ポスト生駒時代を見据えた、未来を感じさせる作品群の印象が強い。生駒里奈がセンターじゃないけど、ぜひ見てて欲しい!と言ったのは、これを指していたのかも。であれば、彼女の「卒業」をお祝いする最高の構成だと思う
20:17 - 2018年4月16日
乃木坂46「裸足でSummer」MVが今日午後6時過ぎ、公開649日目(D)で2千万再生を達成。グループでは「インフルエンサー」に次ぐ2番目、坂道では7番目。作品の明るい雰囲気が根強い長期人気につながったのかも。一方、欅坂46「ガラスを割れ!」MV再生数が4月末か5月初めに、歴代最速で2千万回到達の可能性
18:36 - 2018年4月17日